研究開発に最適な技術がここにある!

「第15回機械要素技術展(M-Tech)」、「第22回設計・製造ソリューション展(DMS)」、「第2回メディカルテクノロジーEXPO」、「第19回3Dバーチャルリアリティ展(IVR)」が、6月22日~24日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された。製品の研究開発のために最適な機械要素や加工技術を効率的に導入・比較検討することを目的に製造業の設計者、開発者、生産技術者、購買担当者、経営者を中心とした多数のユーザーや専門家が訪れた。

オーエスジーは“トータルコーディネート”で加工の悩みを解決!

成長市場であるアジアを重点地域と位置づけている同社。現地で製品開発から生産、営業、アフターサービスまでを一貫して行う体制を整え、現在、受注力の拡大を図っているが、既存のソリッド工具に加え、インデキサブル工具(刃先交換式工具)等の新たな製品を市場投入するため、製品ラインを拡充中だ。
「Phoenix PFB」は、インデキサブルタイプのボールエンドミル。高いボディ取り付け制度が良好な加工面、超寿命を可能にする。特長は以下のとおり。

PFB-SP
・幅広い秘策材をカバーするスパイラル刃形。
・耐熱、耐摩耗性に優れた超硬質コーティングを採用、スパイラル刃形との組み合わせにより、幅広い被削材料で高速仕上げ加工が可能。
・優れたインサートR制度(±6μm)。

この製品は、耐摩耗性と耐欠損性のバランスに優れた“XP3320”超硬材種を使用している。酸化開始温度は1300℃、皮膜硬度は3500HVを誇る。高速、高能率切削において超寿命を実現している。

PFB-D
・切れ味抜群なスパイラル刃形を採用。
・グラファイト、銅、アルミニウム、MMC、炭素繊維複合材料などの加工において驚異的な耐久を実現するダイヤモンドコーティング。

ダイヤモンドコーティング専用材種“XC4505”。高度な切削技術と最先端技術よるダイヤモンドコーティングの組合せにより、シャープエッジを実現している。

なお、ボディの特長だが、「超硬ボディ」が、びびりを抑制し、突き出しの長い加工においても良好な加工面を得ることができ、また、高速加工時においても高精度、超寿命加工を可能にする。「銅ボディ」は、比較的突き出しの短い加工において高いコストパフォーマンスを発揮する。

皮膜技術は日々進化!

処理前はサンドペーパーで擦ると傷つくけれど、タイプBLのものは擦っても傷つきません!
処理前はサンドペーパーで擦ると傷つくけれど、タイプBLのものは擦っても傷つきません!
皮膜技術も日々進化している。ユケン工業の樹脂成型用新膜「タイプBL」は、皮膜硬度が一般的な樹脂型用鋼の5~6倍を誇る。金型構造や樹脂材から離型性が困難とされる部位に効果があり、成形工程の短縮で生産性もアップする。耐摩耗性に優れるので、GF含有材、シボ形状、ピン各モールドの型も長寿命化し、型材を腐食性ガスから徹底ガード、ガス付着低下によるメンテナンス対策に貢献する皮膜なのだ。






メッキでも塗装でもない「スーパーブラック」
メッキでも塗装でもない「スーパーブラック」
続いては、アベルの“メッキでも塗装でもない”「スーパーブラック」。大阪橋本知事と海外販路を開拓しているという。
ステンレスの美しい金属感を出すため、従来の化学発色法の欠点であった色の再現性を格段に向上させる電解発色法を川崎製鉄と共同で開発・製品化した同社だが、さらに色の均一性も飛躍的に向上させ、溶接の伴う加工物でも均一に発色可能な「スーパーブラック」の開発・製品化に成功。これはステンレス製品に電気化学的処理を施し、表面上に黒色酸化皮膜を精製させ機能性と意匠性を付与させる微細加工技術なのだ。

微細が得意な日進工具は世界最小で勝負

 
同社が今回展示していたのは、世界最小の「めねじ」と「おねじ」。被削材はSUS304、純チタン。使用工具は同社開発品ネジ切り工具S0.1。恐ろしく微細である。
これらの製品の数々は、今後、開発が進むであろう医療分野を視野に入れての展示である。
医療分野は認可の問題等まだ課題が多いが、日本が得意とする微細加工の分野では世界から注目を浴びること間違いない。


大昭和精機は生産加工のIT化を推進

「次加工の予定を把握できない」、「人手が足りない」、「段取り作業に手がかかる」、「段取ミスで不良が発生する」、「工具購入費が多い」、「機械稼働状況や工具の状態がわからない」といった製造現場の問題を解決するため『Factory Manager(ファクトリー・マネージャー)』の導入によるIT化を推進していた。

多品種少量生産、変種変量生産では加工前の段取作業が頻繁に発生する。生産性向上のカギはまさしく加工前の段取時間の短縮であろう。熟練者の技能に依存してきた段取作業も、PCを用いて情報管理することで、熟練者以外でもできるようになる。結果、稼働率もアップし、生産性の向上につながるというわけだ。

同社の「Factory Manager」は製造現場における情報を一元管理。作業に必要な機械やNCデータ・図面などを作業マスタで管理する。スケジュールを利用し、簡単な工程管理や進捗管理をすることも可能である。NC装置とNCデータの送受信もできる。工具種マスタで標準工具を管理することで、工具研削時間の短縮・加工ミスの防止に役立つ。

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