「お客様に優位性を示すのが鍵」日本工作機械販売協会が総会を開く
2016年06月20日
日本工作機械販売協会(会長=冨田 薫・トミタ社長)が6月6日、都内の第一ホテル東京で第47回通常総会および懇親会を開催した。
第一部の総会では、平成27年度事業報告並びに同決算報告並びに決算案、新年度事業計画などについて審議が行われ、いずれも承認された。
第二部では、「経営者の資質と人材育成」について佐伯武彦 兵庫県加西市副市長・北上鉄道(株)副社長が講演をした。
総会後の懇親会で冨田会長は、「工作機械の暦年の受注について、総額は1兆4800億円で史上3番目の好成績であり、うち外需が8943億円、内需が補助金等の恩恵を受け5862億円であった。さて、本年はものづくり補助金の採択があるので、今後われわれの努力により数字が上がることを期待したい。自動車の世界販売では、今年は約9000万台の自動車が販売されるということが統計上に出ている。2035年には世界の自動車販売が1億5000万台になると予測もある。大半が発展途上国で販売されると予測されている。年間の1人あたりの所得が7000ドルを超えると自動車の需要が爆発的に増加するといわている。新興国に対して、われわれがシステム販売をどうしていくか重要になる。IoTの文字は新聞に毎日のように掲載されているが、工作機械とインターネットとの情報のやりとりは今後多くなるだろう。工作機械の販売にインターネットがどうやって介入するか、ということも考えなければならない。われわれがいくら営業マンに対面販売が良いといっても、お客様に優位性をいかに証明できるか、ということにかかっている」と強調した。
来賓を代表して佐脇紀代志 経済産業省製造産業局産業機械課長が、「九州地方の震災においては皆様がたの取引先等関係者も被災されたと思う。心よりお見舞い申し上げるとともに1日も早い平穏な日常を全ての方が取り戻すことを祈っている。また経済産業省も現地への人の派遣を含め、事業活動の再開等のお手伝いをしているところだが、もしお気づきの点があれば忌憚なくご意見をいただきたい。さて、現在、足元の状況に不安要素があるようだが、投資意欲が十分にある企業もあるのは事実である。そういった目をぜひ摘んでいただき、目標を達成していただきたい」とあいさつをした。 続いて業界を代表して横山元彦日本工作機械工業会相談役(ジェイテクト相談役)が、「日工販の皆様には、私どもの製品の拡販にご尽力をいただき感謝する。日工会では工作機械という機関誌を出しており、その中でコラムを掲載している。このコラムに日工販の皆様に毎月寄稿をしていただいている。これも日工会と日工販の連携の証しではないかと感じている」と述べた。新会員の紹介のあと、中川貴夫日本工作機械輸入協会会長(シーケービー社長)が乾杯の発声を行った。
(注:記事は6月6日現在のもので、佐脇経産省産業機械課長は、現在、内閣府 規制改革推進室 参事官に就任しています。)