アマダがファイバーレーザ(2kW・4kW)搭載 ブランク工程統合ソリューション「ACIES-AJ」シリーズを新発売
アマダ(社長=磯部 任氏)は、このほど自社製ファイバーレーザ(2kW・4kW)発振器を搭載した最新型ブランク工程統合ソリューションACIES-AJ シリーズを発売した。この製品は、これまでのCO2レーザ発振器を搭載したACIES シリーズに加え、昨今の市場からの要求である変種変量生産や、高品位加工への要求と低コストに対する顧客の要望に答えたファイバーレーザを搭載したシリーズである。
ACIES-AJ シリーズの主な特長
1.高生産性・低ランニングコスト
・CO2レーザマシンに比べて、クリーンカットでの薄板加工領域で、高速加工・ランニングコスト低減が可能(ファイバーレーザ発振器で2kW・4kWをラインナップ)。ファイバーレーザの特性である、高いビーム品質と集光点の密度を高めることで、高反射材の加工にも対応。
・発振器の消費電力はCO2 に比べて約1/3。
・パンチング・成形・タッピング加工とファイバーレーザ技術を統合したアマダ独自の「工程統合」により、加工全体のリードタイムを短縮し、変種変量生産に柔軟に対応。
2.安全性と作業性の両立
・作業者の安全性と作業性の確保、省スペースを実現するため、加工範囲をテーブルキャビンとシャッターで囲む新方式を採用したことで、従来機同様の運用方法による作業性を実現。
・第2原点を設定し、テーブルキャビンを開閉せずに材料のセットが可能。
3.高品質・高速加工
・切断加工はファイバーレーザ切断、成形やタッピングなどの加工は金型によるパンチング機構により、ブランク材の効率的な工程集約加工を実現。
・パンチング機構にはZR タレット、材料テーブルにはフルフラットブラシテーブルを採用。加工時には必要な台だけが昇降するため、上下成形加工・高ハイト成形加工の際にもキズレス加工を実現。
・パンチング金型の使用実績をID 情報でデジタル管理し、金型のセットミスやメンテナンス時期を知らせるだけではなく、摩耗を予測するなど「品質のデジタル管理」が可能。
4.イージーオペレーション
・アマダの最新型NC 装置 AMNC 3i を搭載。視認性が高い大画面をスマートフォン感覚で操作。図形タッチで加工条件の変更、NC で材料棚の操作、稼働実績の確認などユーザーのIoT 環境に幅広く対応。
5.長時間連続運転加工に対応
・レーザ加工中でも金型の自動交換が可能で、材料の自動供給とワークのテイクアウトによる仕分け作業など、材料自動供給装置とテイクアウトローダーとのシステムアップで充実した各種ソリューションを準備。
・新機能として長時間連続稼働に対応した「ノズルチェンジャー」、スクラップをプログラム終了時に自動搬出する「レーザスクラップ自動搬出」、カッティングプレートのブラシ部に付着したドロスを自動清掃する「カッティングプレート自動清掃」などにより、加工段取りを削減。
・「マシンを止めない自動化ソリューション」として、開発・設計段階からシステムを構築。
薄板切断加工や高速切断においてその効果を評価されるファイバーレーザだが、同社ではその優位性を最大限に生かすために、開発段階から「ブランク工程統合ソリューション」として進めている。
昨今の様々な業種から要求される加工製品の条件に応じるため、変種変量生産に素早く対応すると同時に、人手を介する作業(段取り)を極限まで減らしながら長時間連続稼で工程集約を実現したACIES シリーズ。マシンを止めることなく稼働率の最大化を実現することが可能である。