三菱日立ツールが「超硬OH(オイルホール)ミニステップボーラー」、「アルファ高送りラジアスミルTD4N形」を新発売

 三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)が、続々と新製品をリリースしている。今回発表したのは、穴径φ1.0~φ2.0 穴深さL/D =3~30の高能率・高精度穴加工を実現する「超硬OH(オイルホール)ミニステップボーラー」と、仕上げ工程に優しい高能率荒加工(基礎加工)を実現する「アルファ高送りラジアスミルTD4N形」の2製品。

超硬OH(オイルホール)ミニステップボーラー

 近年の自動車製品は燃費向上を目的とした軽量、小型化が進んでおり加工される穴径も小さくなっており、その一方で、穴位置や真直度といった穴精度は、エネルギー伝達ロスの低減や製品の長寿命化に伴い、公差範囲は年々狭くなっている。このような背景を受け、同社はφ1.0~φ2.0、加工穴深さはL/D=3~30まで(工具直径の30倍まで)の小径穴を高能率、高精度に加工できる超硬ドリル「超硬OH(オイルホール)ミニステップボーラー」を開発した。この商品は、オイルホール付きのコーティング超硬ドリルで、高能率に深穴加工ができる。先端の刃先形状は専用に開発した「高精度刃先形状」と、コーティングは小径ドリル専用に開発した「新コーティング技術」を採用し、平滑表面を実現している。この「高精度刃先形状」と「新コーティング技術」を用いたことで、深く小さい穴径の加工を切り屑詰まりすることなく、高能率かつ高精度の穴あけ加工を可能にしている。

 特長は、①φ1.0~2.0 加工深さがL/D=3~30までの穴を加工する工具にオイルホールを設けることで小径深穴を高能率に加工できる、② 超硬OHミニステップボーラー専用の刃先形状にて高精度小径深穴加工を実現、③ 超硬OHミニステップボーラー専用に開発した新コーティング技術により、ステンレス系材――。

 ●仕様
・03WHMB-TH(L/D=3D用): φ1.0~φ2.0 (21アイテム)
・05WHMB-TH(L/D=5D用): φ1.0~φ2.0 (21アイテム)
・10WHMB-TH(L/D=10D用):φ1.0~φ2.0 (21アイテム)
・15WHMB-TH(L/D=15D用):φ1.0~φ2.0 (21アイテム)
・20WHMB-TH(L/D=20D用):φ1.0~φ2.0 (21アイテム)
・25WHMB-TH(L/D=25D用):φ1.0~φ2.0 (21アイテム)
・30WHMB-TH(L/D=30D用):φ1.0~φ2.0 (21アイテム)

 価格は10,300円~29,000円。

アルファ高送りラジアスミル TD4N形

 自動車業界をはじめとした金型・金属部品の加工は、リードタイムの短縮や製品の高品質化を目的として、様々な技術改善の取り組みが行われている。このような顧客の要望に応えるため、同社ではより高品質な仕上げ加工を短時間で実現するために、荒・中仕上げ加工の高精度化を推進する“Hi-Pre2”コンセプトを市場に向け提唱している。「アルファ高送りラジアスミルTD4N形」はこの“Hi-Pre2”のコンセプトをもとに開発を行った刃先交換式荒加工用工具である。

 着目したのは高送り工具では常識とされていた「削り残し」。通常、優れた加工能率を実現する高送り工具の形状は複雑であり、CAMプログラムの作成の際に工具形状の定義が難しく、多くのユーザーは単純な丸形状インサートのラジアス工具として形状定義することで対応してきていた。しかし、この実工具形状との差異は「削り残し」となってワークに現れ、次工程に使用する工具の寿命低下や、仕上げ工程での加工時間の増加の要因となっていた。

 「アルファ高送りラジアスミルTD4N形」は、独自の工具形状により高送り工具としての性能を損なうことなく、削り残し量を従来の0.5mmから0.2mmに大幅に削減することに成功。このことにより単に荒加工時間を短縮するだけでなく、仕上げ加工までのトータルの加工改善を実現する。
 特長は以下の通り。

(1) 加工能率を損なうことなく、「削り残し量」を従来の0.5mmから0.2mm以下に低減することで次工程工具の負荷を最大で40%削減する。
(2) 優れた切りくず排出性により、突発的な破損トラブルを低減し、高能率な加工を実現する。
(3) 経済性に優れた両面使用可能な4コーナーインサートを採用している。
(4) 優れた表面平滑性で長寿命化を実現したAJコーティングシリーズを採用している。

●価格
シャンクタイプホルダー (φ16~φ40) :31,500~70,400円
モジュラータイプホルダー(φ16~φ42) :31,500~70,500円
インサート :1,200円

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