アマダホールディングスがASEAN 地域統括本部をタイに設立。新テクニカルセンターをオープン ~グループの経営戦略統合で、新テクニカルセンター活用からアジア・アセアンでのエンジニアリング活動を強化する~

 アマダホールディングス(社長=磯部 任氏)は、本年10 月をめどに、新たにASEAN地域統括本部、アマダアジアパシフィック社(AAP)をタイに設立し、ASEAN地域でのアマダグループ全体の経営統合と戦略本部として今後のグループ活動を強化していく。その一環として、タイ国内にあるアマダグループの3 事業3 社(板金のアマダ、切削・プレス・研削のアマダマシンツール、溶接のアマダミヤチ)を1 社に集約するとともに、ASEAN 地域全体でも、グループ各社の活動を行う現地法人に再編する。

 その活動の変革の軸としては、8 月18 日(木)より、タイのバンコク近郊スワンナプーム工業地域にアマダアセアンテクニカルセンターをオープンし、金属加工の全工程での実証加工やテスト、教育などを強化した現地活動をスタートした。8 月18 日・19 日のグランドオープニングの式典では、タイ政府関係者をはじめ、ASEAN各地より100 社150 名の顧客を招待するとともに、各地域のVIP を招いた。

テープカット
テープカット
 実際のエンジニアリング活動を進めているアセアンテクニカルセンターは、全工程での実証加工や提案機能を強化するに加え、加工課題解決のセミナーを計画し、顧客と社員教育の場としてのボケーショナルセンター(技能訓練施設)と稼働保証のためのパーツセンターを併設している。マシン導入後も顧客が品質と効率を追求し、マシンや自動化設備のより効率的な運用が可能となるようサポートを強化していく。

 テクニカルセンターは、アマダが世界各地で展開しているビジネスモデルであり、最新のマシンやソフトウエア、金型等を実際に現地の顧客に使用してもらい、顧客の課題を解決する加工技術提案を積極的に行っていく施設。アセアンテクニカルセンターは、タイの顧客のみならず、ASEAN 全域(ベトナム、マレーシア、シンガポール他)の顧客にも活用できる拠点となる。

2020年、売上高4000億円達成に向け、中期経営計画を実行中

テクニカルセンター内
テクニカルセンター内
 アマダグループは、売上高4,000 億円達成に向けた中期経営計画を実行中だが、同社では、この達成に向け、海外市場の拡大は不可欠であり、中でも高い成長性が見込まれるASEAN地域を重点戦略地域に位置づけ、売上倍増を計画している。実現に向け、シンガポールにある地域統括機能をタイに移し、今回アマダアジアパシフィック社を設立するとともに、ASEAN 体制を再編し、グループ全事業一体化による市場シェアの拡大を目指す。

 具体的には、今回新たに設立したアセアンテクニカルセンターを活用し、地域特性や市場ニーズを踏まえた商品戦略とソリューション提案を展開するとともに、アマダアジアパシフィック社が司令塔となってSCM戦略を推進するとしている。

 ASEAN は、域内人口は6億人を超え、域内総生産が2 兆5000 億ドル(約300 兆円)に達する巨大経済圏であり、域内の連結を強化するためのインフラの整備などもすでに進められている。最近では、製造拠点としてだけでなくマーケットとしての魅力度も増加しつつあるうえ、日系企業が大手を中心に第2 のマザー工場として進出する機会が増えており、インフラ基盤の強化や輸出競争力の拡大を背景に現地企業にもユーザー層が広がりを見せていることを踏まえ、同社では、大量生産から変種変量生産まで対応可能な幅広い商品とサービスを提供していく。この点において、アマダはブランク・曲げ・溶接、さらには切削・構機・プレスや金型まで、全工程に対応できる商品力を活用してのソリューション提案が可能になる。

 一方、環境やエコへの関心の高まり、賃金上昇や少子高齢化を踏まえた自動化の流れ、デジタル化やネットワーク化の進展の中で製造業が抱える課題へのソリューションも提供していく。アセアンテクニカルセンターにおいて、最新のレーザマシンやベンディングマシンなどの加工機を使ったソリューションや実践的な加工方法の提案を進めていく。

 今回のアマダアジアパシフィック社の新設にともない再編されるASEAN体制とテクニカルセンターのオープンにより、ASEAN 地域の顧客にきめ細やかな提案営業が可能となった。これらのニーズに対応した最新のトータルソリューションを提供するとともに、高いレベルでの技術支援やサービス活動で、モノづくり、ひいてはASEAN地域の製造業のさらなる発展に貢献していくとしている。

■ アマダアジアパシフィック 会社概要(10 月)
本 社 : 88/41 Moo 4, Khlongsuan, Bangbo Samutprakarn 10560, Thailand
代 表 者 : 山本 浩司
資 本 金 : 30,000,000 THB
従業員数 : 未定
事業内容 : アマダグループASEAN (4 現法)の地域統括

■ 合併後のアマダタイ 会社概要
本 社 : アマダアジアパシフィック社 住所と同じ
代 表 者 : 山本 浩司
資 本 金 : 476,000,000 THB
従業員数 : 120 名
事業内容 : 金属加工機械および金属工作機械等の販売・サービス・提案など

■ アマダベトナム 会社概要
本 社 : 469 Ha Huy Tap Road, Yen Vien, Gia Lam, Ha Noi, Vietnam
代 表 者 : 菊地 幸仁(10 月)
資 本 金 : 8,500 百万 VND
従業員数 : 25 名
事業内容 : 金属加工機械および金属工作機械等の販売・サービス・提案など

■ アマダマレーシア 会社概要
本 社 : No. 20, Jalan Pendaftar U1/54, Temasya Industrial Park, Section U1
Glenmarie, 40150 Shah Alam, Selangor Darul Ehsan, Malaysia
代 表 者 : Norhisham
資 本 金 : 1,000,000 MYR
従業員数 : 37 名
事業内容 : 金属加工機械および金属工作機械等の販売・サービス・提案など

■ アマダシンガポール 会社概要
本 社 : 12 Tannery Road, #05-01/02 HB Centre 1, Singapore 347722
代 表 者 : 山本 浩司(10 月)
資 本 金 : 400,000 SGD
従業員数 : 11 名
事業内容 : 金属加工機械および金属工作機械等の販売・サービス・提案など

■ アセアンテクニカルセンター 概要
敷地面積 : 20,000 m²
延床面積 : 7,502m²
主要展示設備*: 1,843 m² (*テクニカルセンター、技能訓練施設、ラボ含む)
投資総額 : 5.5 億THB(約20 億円)

■ アセアンテクニカルセンター 主な展示マシン
1. 3 軸リニアドライブ・ファイバーレーザマシン FLC-3015AJ (4kW)
2. ファイバーレーザマシン ENSIS-3015AJ (2kW)
3. 平板&パイプ・形鋼両用のオールラウンドマシン FO-MⅡRI3015 (4kW)
4. グローバルスタンダードCO2 レーザマシン LCG-3015NT (4kW)
5. 新AC サーボ・ダイレクトツインドライブNCT EMZ-3510MⅡ + ASR-NTK
6. 究極の多品種少量対応ベンディングマシン HG-1003ATC
7. 高速・高精度ベンディングマシン HG-8025
8. 自動金型研削機 TOGUⅢ-ID
9. デジタル電動サーボプレス SDE-2025
10. オプティカルプロファイル研削盤 GLS-150S
11. シングルパルスカッティングバンドソーマシン PCSAW-430
12. テーブル式インバータースポット溶接機 TSⅢ-NT
13. パルスTIG 溶接機 MAWA-300

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