「研削革命」―― 岡本工作機械製作所がJIMTOF出展製品を発表! ~研削の常識を一新するマシンがズラリ~


 岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏)が、このほど「JIMTOF2016(日本国際工作機械見本市)」に出展する機種を発表した。従来の切りこみ量を10倍にする門形平面研削盤、同時5軸制御での研削を実現する超精密成形研削盤、ヨーロッパで主流となりつつある精密複合円筒研削盤、ボタン1つしかない近未来の全自動平面検索システムなど、研削の常識を一新する画期的なマシンを展示する。

これが出展機だ!

(1)CNC門形平面研削盤「PSG208CHLi」

 このマシンは高能率研削を行うために剛性のある門形構造を採用した、高剛性、超精密を兼ね備えたコンパクトなマシン。「キュービトロン™Ⅱといし」、「GRIND-BIX」の相乗効果によって100µmの切込みを実現している。リニアモータ駆動で、同時2軸制御の研削が実現する。静圧仕様にすることで超精密の研削にも対応する。標準で、クラウニング研削やテーパ研削ができるのが嬉しい。左右と前後駆動は静圧案内面で、砥石軸も油制圧仕様になっている。機上測定が可能な高精度タッチプローブも搭載。
「優位性のひとつに弊社の研削盤でしかできないと思われる砥石幅100mmをつけられます。よって能率よく加工できます」と同社の営業管理課の西上和宏氏。超精密研削の精度(真直度)は、1µm/2m(左右)、0.5µm/1m(前後)動的精度が6点ピース0.002mmを誇る。
なお、JIMTOFでは100µm研削実演をするとのこと。

(2)超精密平面研削盤「UPG63CA1」

 来年4月の発売になる機種として参考出展マシン。高剛性で定評のある汎用平面研削盤「CA1シリーズ」のテーブル左右駆動を静圧仕様にしたものを、驚くほど嬉しい価格帯でラインナップするという。CAの特徴でもある剛性構造のT型一体フレームとダブルシリンダー駆動方式を採用することで鏡面研削のような高精度研削に対応可能。
 「なぜ、嬉しい価格帯で市場投入できるのか」と質問をしたところ、「静圧など自社で型をイチからつくることができることによる」とのことだった。
 JIMTOFでも鏡面研削ワークのサイクルを行うとしている。

(3)CNC超精密成形研削盤「UPZ52Li」

 このマシンは、同時5軸制御を可能にする超精密成形研削盤。高能率・高剛性・リニアモータによる高速化と使いやすさを追求している。左右リニアモータ駆動により正確な位置決め研削・高速反転研削・マルチポジション研削・クラウニング研削等の様々な研削にも対応。タッチプローブやCCDカメラを搭載することで研削後の機上測定と自動補正にも対応する。注目したいのは、研削盤でも同時5軸制御が実現した、ということだろう。これにより、パソコンで使用するマウスのような丸い形状のものも研削できるようになった。
 「こうした形状のものを実際に研削したい、あるいはこうした形状のもので相談があれば、一緒に考えていきたいですね」(西上氏)
ワークを研削しない空走距離を短くすることでサイクルタイムに大きく貢献することもメリットである。

(4)CNC高精度成形研削盤「HPG500NC」

 同社の人気小型研削盤「HPG500」を、ユーザーの要望でNC化したマシン。小型の成形で同時2軸制御ができる。テーブルはモータ駆動で電気制御。したがってCO2の削減効果は抜群。油圧レスなのでエコでもあり、様々な税制に対応できるというメリットもある。特別仕様として、芯無研削装置「FRIND-スマート」を搭載して、小型センタレス研削盤と同様のサイクル運転を行う。本年9月、シカゴで開催されたIMTSではファナック社製のロボットを使用し、医療機器メーカーのワークを完全自動で披露した。

(5)CNC精密複合円筒研削盤「UGM3100NC」

取材中にヨーロッパで人気の「UGM3100NC」を拝見。NC制御で難しいとされている6角形の研削も複合研削盤で工程短縮! 新製品は長尺ワークも対応可能だ。
取材中にヨーロッパで人気の「UGM3100NC」を拝見。NC制御で難しいとされている6角形の研削も複合研削盤で工程短縮! 新製品は長尺ワークも対応可能だ。

 ヨーロッパで人気の外周・内面・端面研削を1機種で行う複合研削盤が、サイズアップし、加工長さを1,000mmまで伸ばすことにより長尺ワークも対応可能になった。複合検索の良いところは、段取りミスがなくなるのと、工程削減による作業時間の大幅短縮があげられる。また、今まで2台のマシンで加工をしていたところ、複合マシン1台にすることによって千湯面積も抑えることができる。1,000ミリを出すことによって、例えば、工作機械メーカーのスピンドルケースの研削等に貢献できる。操作画面もユニークで、文字を完全になくして、画で分かりやすく操作できるようにしている。機上測定装置も特徴のひとつで、ワークの端面を測定する装置と直接定寸装置がついている。研削後にワークを外さず、全てが終わるようにできているのだ。NC制御で六角のものを研削するのは難しいとされているが、「弊社は複合研削盤でできるというところをアピールしたい」と自信たっぷり。

(6)オペレータless&セットアップless研削盤「MUJIN」
 
このシステムは最も注目したい。なんと操作盤を研削盤からなくしたという。ひとつだけ付いているボタンを押せば加工が始まり、終了すると離れた作業者に自動でお知らせをするという、まさに近未来の全自動平面研削盤だ。(特許出願済)。会期中は研削実演をするというから、見逃せない!

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JIMTOF2024