【レポート第二弾】俺が見たJIMTOF2016!
JIMTOF熱が冷めないうちに――――。
今回の製造現場ドットコムは、「俺が見たJIMTOF2016」をテーマに、加工を商いとしているマルミツテクノ(福岡県柏屋郡須恵町旅石423-1)の花園智康社長に寄稿していただきました。
日夜、加工と向き合っているからこそ―――の視点で書かれたレポートは斬新です。
(文・写真=花園智康 マルミツテクノ社長)
初日は工具巡りからスタート!
11月17日(木)
さぁ、飛行機に乗って出発っ!
・・・のはずが、飛行機の搭乗検査で、カギに付けてた十得ナイフが引っかかり、「機内に持ち込めないので、ここで処分するか荷物として預けるか」と言われ預けることに。
出鼻をくじかれました。
空の旅の中で今回の展示会を回る上ですこし考えてみた。
初日、二日目はツールや刃物、JIG関係を。三日目は機械などなど。で、四日目は・・・まぁ三日間で見れなかったところなどかな。そんな私をのせ飛行機は羽田空港へ着きバスはビッグサイト到着。事前登録してあるのですんなりと会場の中に。あぁ、またここへ戻ってきたんだなぁ、と感慨深く見上げると「JIMTOF2016へようこそ!」・・あ、「へようこそ!」は書いてなかった。すみません。
自分の中のはやる気持ちを抑えつつ刃物関係をブラブラと。最初は弊社でもかなり使い込んでるタンガロイへ。「DOFEEDシリーズ」を見ました。これは私もよく使います。チップはネガなので重切削+高送りができるのが魅力。まぁ、機械それぞれなのですが、弊社の機械とかなり相性が良いです。
気になった刃物が、ツールドインタナショナルに展示してあったNINE9の「NCへリックスドリル」。これは、大径を下穴も開けずにヘリカルで切削が出来るチップ式のドリル。営業の方に少し意地悪な質問をしてみました。
「これ内部給油式の機械じゃないと役に立たないですよね?」
すると「いえ、こちらの溝付なら外部切削油でも大丈夫ですよ」との返事。なるほど、これはドリル溝みたいに切子が上がって抜けていくな。しかし本当にそうなるのか? 誰か人柱になってもらおうかな。いやいや自分で試してみるか! とりあえず候補。
そういえば三菱日立ツールで見たチップ交換式の異形工具シリーズGF1型とGP1LB型も気になった。形状的にはバレル工具が想像出来る。ブレード形状とか中仕上げには時間短縮になるだろうなと思えた。後はCAMによるNCデーター次第だろう。あっ、それとここではチョコを頂いたのだった。
チョコと工具は何の因果か解りませんが、とりあえず歩き回って疲れた体に栄養を!ってやつか? まぁ、おいしかったけど。しかし、刃物は書き出したら止まらない。初日は、ほんとに駆け足で回ったのでもっといろいろ回って突っ込んだ質問がしたいところでしたが、時間が来て「今日はここまで」となり、また明日から回るのが楽しみになると同時に両方の足がもってくれるのを祈るだけであった。 で、その夜は、機械商社の親睦を兼ねた屋形船での食事会。そりゃ景色も綺麗で食もお酒も進み、船なのか、お酒なのか、はたまた屋形船の女将さんの綺麗さに駆逐されたのかはわからないがいつもより酔ったような気がします。
とりあえず、東京初日は終了!
2日目は気になる段取り用品に精密特殊工具。とにかく歩き回る!
11月18日(金)
昨夜は飲むのを早めに切り上げたので体調は万全。ちょっと宿泊したホテルの窓から東京タワーが見えたので散歩がてらに行ってみることに。だいたいの方向は解る。方向音痴ではない。いや、解らなくなったら空を見上げれば良いか。そんな感じで早朝の東京の空気を感じてみようとホテルを出た。ビッグサイトに行く前に少し歩いておきたかったのもある。
今回トレッキングシューズで来たのは正解だった。足は全く痛くない。とまぁ、ここまでは良かったのですが、歩けど歩けど東京タワーには辿り着かない。高いところから見てみようと陸橋に上ったが、それも無駄。全然赤い塔なんて見えやしない。
・・・朝ごはんを食べに帰ろ。決断は早いわたくし。とまぁ、こんな感じで2日目の始まり。
商社が用意してくれたバスで揺られること約20分。逆三角形で無駄な空間の多いビッグサイトが見えてきた。今日は何を重点的に見るか。西館にするか東館にするか。今日までは西館にすることにした。
昨日、気になった段取り用品でも見て回ろうと「エローン」でおなじみ(?)のNABEYAに突撃。九州から弊社担当の営業の方が来ていて色々話を伺った。いや、別にこの場所で聞かなくても工場に戻って呼べばカタログを持ってきてくれるのですが、製品をみながらいじりながら、というのは、やっぱり展示会ならではですね。今使ってる5軸バイスの鬼爪の部分でよりよく使えるように、スタンプが登場。おお! やるじゃないですか! NABEYA。
これ欲しい!! 値段気になりますよね!!
で、おいくらですか?・・・・うむうむ。・・・さぁ、次!!
・・・お値段が気になる人はぜひ、NABEYAの営業の人に聞いてください。高いか安いかはあなたの考え次第!
ブラブラ色々見ながら歩いていると、ブースの人に目線があう。自然と「面白いツールはありますか?」と問いかけると以外にも「ありますよ!」なんて言ってくる。ほう。なんだろう。ここは、TOKO(東鋼)のブース。精密特殊工具を作っていて、旋盤系のバイトが得意だそうです。その技術を生かし現在医療機器の開発に取り組んでます。どんな製品なのか。それは、女性なら不安がつきまとう「乳がん」の手術の時間の短縮ができるそうです。うむ。胸の大きさでは自信がある私もそれは大変気になる(?)話でした。
それにしてもまだまだ、見てないところは沢山あり、これでもか! って言うくらい歩き回りました。色々な展示を見ている自分に「俗に言うこれが女子が好きなウィンドウショッピングと言うやつか!」と一人納得しながら歩いていると、加工でいつも相談乗ってもらってる兵庫のKさんから。「ついてるでぇ」と関西弁。いそいそと待ち合わせの場所へ向かう私。見つけました。その隣にはスーツ姿の若いおねぇさんが!
挨拶をすると同時にKさんの耳元で「どこの飲み屋のねぇちゃん連れてきたんですか?」というと、「馬鹿!娘ぞ!」・・・失礼しました(笑)
その後は、Kさんがお手伝いした製品が展示してあるKUKAロボティクスジャパンに行き展示を見学。ロボットがUSBコネクターを挿そうとしてるのですが中々入り口のころでもたもたしてる。おいおい、これは不味いだろ~、と思っていたところ、実はこれはロボット自体で少しずつ、ずらしながら入り口を探してるんだそうで「AI(人口知能)だな! いや、これこそAIでしょ!」と聞くとそうではないらしい。
ま、細かいことは私のIntelligence(知能)では理解不能なので、気になる方は問い合わせてください。
お次もKさんを引き連れて(?)いや、水〇の御老公一家みたいに向かった先は、私もKさんも使ってるCAD/CAMソフトOPENMIND社へ、ここにはKさんが削ったバレル工具のソリッドエンドミルの模型が展示してある。
エンドミルでエンドミルを加工する。なにか、可笑しい気がしますがとにかくKさんの作ったエンドミルを見ながら下に展示してある部品に目をやる。それを加工した人の名前を聞く。なんと5軸加工では有名なNさん。おぉ!このブースは東のNさん、西のKさんお二人のコラボってことなのか!なんと贅沢なブースだ!
とまぁ、こんな感じで、楽しみながらしゃべりながら、二日目終了!
明日は、機械を時間の限り見てみよう!と誓い、夜の街に消えるのであった。
その日の夜・・・久々に中華の美味い店に消えていく私であった(笑)
3日目は東館を重点的に!
11月19日(土)
昨夜の酒が少し残ってて頭が少し回ってない。が、今日は機械を重点的に見て回りたいと考えていたので朝一で到着。西館の上から下界を眺めてみる。
「ほほう、人がゴ〇のようだ」とアニメ映画で有名なセリフは吐くほどまだ込み合ってなく、このチャンスに色々回ってやる!と一人意気込んでみる。
東館を重点的に回るか。人が増える前にちょっと早めに移動することにした。
まず、弊社が持ってるマシンのキタムラ機械に行きました。ブースに入ると、以前、担当だった人から声を掛けられる。「ちょいと小耳に挟んだんですけど、マシンのコントロールがかわったらしいですね」と資料を頂けた。「Arumatik-Mi」・・・反対から読んだらkitamura(キタムラ)になるんですね!! これはすごい! 捻ってる!
これは誰が考えたんだ?
たぶん、酒の席とかで今度のコントロールは名前何にするか? という問いかけにこれなんてどうですか? と軽く振った言葉がそのまま「えぇ通っちゃったの!?」みたいになったんだろうな・・・というのは全くの推測です、すみません。さて、そのイカすコントロールの名前のようになかなかナイスなネームもですが、機能もかなり充実してます。
内容は、口下手な私が言うと伝わりづらいので、メーカーの営業の方かホームページにて確認してください。・・まぁ、文章もそんなに上手く書けませんけど(笑)
さてさて、お次も弊社が使ってる牧野フライス製作所にお邪魔しました。ここでは、新製品の機械「D200Z」がお披露目との事で一目見ようと。この機械の特徴は、先に発売されている「D800Z」の回転テーブルと同じでB軸が斜めになっている。その方が片持ちではあるが、重力に対して強度が出るそうです。が、ちょっと気になったので技術の方に質問をしました。
「これトラニオン方式と違ってテーブルを90度にするには簡単ではないですよね?」
「そうです。トラニオンだと、90度にゆりかごが動くだけでよいのですが、これは少し計算が違います」
質問しておいてなんなんですけど、難しすぎてわかりませんでした。
これからちょっと勉強してみます。とりあえず、思ったのがCAM泣かせかな、と(笑)
そうそう、それと牧野フライス製作所で登録すると頂いたカタログ入れの袋。これは中々のおしゃれでした。デニム生地に持ちやすい大きさ。たぶん、製造業のお父さんたちは奥さんなどに手土産(?)として持って帰ったことでしょう。
しかし、西館に比べ東館は広い。3日目そろそろ、足の方もガタが来はじめましたが、明日は尾登最終日。頑張って回ることにしよう。と、この日の夜もお酒を嗜む私でありました。
4日目は疲れた身体に鞭打って測定機を見学
11月20日(日)
お陰様で4日間、天気にも恵まれ・・・いや、雨が降った日もあったか。
本日は、九州に帰る予定にしていましたが、甘い考えでした。航空券を取ってなくてキャンセル待ち。もし、取れなければ一夜を橋の下で過ごすことになるのかなぁと考えながら、ビックサイトに到着。今日はあまり長く歩けないなぁ、と疲れた体に鞭うって、測定器等々を見学しました。
RENISHAWのブースで弊社でも購入して使ってるボールバーシステムのデモがあったので見学。これまでは、3軸の測定(X、Y、Z軸)の精度測定をしてました。
デモでは、それプラス回転軸の測定が出来るみたいです。「出来るみたいです」と曖昧な表現にしたのは、まだ研究段階らしいですが、近い将来、同時5軸迄の測定をこれで出来るようになるのではないだろうか? と私は考えている。
▼参考動画はコチラ▼
https://youtu.be/r3fBD9xwQ8c
RENISHAWのブースを後にする頃、航空機会社に掛け日頃の行いが良いのか、羽田発福岡空港の最終便のキャンセルがでて、私は無事に福岡に帰ることが出来ました。
駆け足4日間でしたが今回は充実した見学が出来ました。前回のJIMTOFでは滞在時間3時間でその後家族で夢の国に行ったことはもう遠い昔。これで晴れて堂々と見学をしたと福岡に戻って話せることだろう。今回、お会いした皆様、大変お世話になりました。
追伸・・・色々な場所を見て回ったのですが、とあるブースで横にいた外国の営業マンに(ベトナム?フィリピン?系)現地の言葉で一生懸命話しかけてくるのですが、私は日本人で日本語しか話せませんって。まぁ、怪しい恰好ではありましたが・・・(笑)
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●株式会社マルミツテクノ 代表取締役 花園智康
博多の5軸使い。「できないとは言わない」がモットー。
難易度の高い様々な加工を手掛け、腕の良さには定評がある。
最新のマシンを使いこなし、日々貪欲に加工を追求している。
家族思いの良きパパでもある。