ヤマザキマザックが主力工場を大規模スマートファクトリー化 ~美濃加茂市の2つの生産拠点をデジタル統合し、生産性1.5倍へ~

山崎社長は発表の席で、「私どものMazak iSMART Factoryは、IoTやインダストリー4.0といった製造業のデジタル革命に対応する弊社の次世代のものづくりの取り組みである。iSMART Factoryは常に進化し続ける工場をスローガンに、2014年にケンタッキー工場をパイロット工場として最初に取り組みを開始した。先日公開した本社工場は現時点では最も進化した最新のiSMART Factoryとなっているが、この本社工場で開発・実証したiSMART Factoryの新しい技術とノウハウは今後、私どもの国内外10箇所の生産拠点に水平展開する」との計画を示したあと、「美濃加茂市にある2つの主力工場を同時に再編しデジタル統合し、2工場を1つの工場として運用することでより効率的なiSMART Factoryを実現する」旨の説明をした。

山崎社長は、「検討を重ねた結果、本社工場のiSMART Factory化で運用を始めた最新のIoT技術と新しいERP基幹システムを活用して2つの工場を一体化して運用したほうが、より高い生産性を実現できると見通しがついた」と計画を実行するに至った経緯を述べた。
現在2つの工場にはそれぞれ組立機能と機械加工機能を有しているが、今回の新たな計画では両工場の同時iSMART Factory化に伴って、工場の組立機能を第一製作所に集約し、機械加工を第二製作所に集約するという大規模な再編を行う。iSMART Factory化で従来の設備や管理体制の重複をなくしながら、生産性効率を大幅に高めることも特長のひとつだ。
山崎社長は、「1+1=2ではなく、1+1=3にする計画」としている。
総投資金額は、約130億円、延床面積は本社工場の5倍規模の約198,000㎡。この大規模iSMART Factoryの完了は同社の創業100周年にあたる2019年を予定している。
主力工場を大規模スマートファクトリー化

これらの取り組みを通じて、「新しい美濃加茂製作所では、本社工場のiSMART Factory化の数値目標として掲げている製造リードタイムの30%を短縮、仕掛り在庫30%削減、管理工数の50%削減に留まらず、高度なマス・カスタマイゼーションを実現して多品種少量生産を維持しながら、生産性を一気に1.5倍に引き上げる」と山崎社長。

■美濃加茂製作所「MAZAK iSMART Factory」概要
敷 地 面 積 :約592,000㎡
延 床 面 積 :約198,000㎡
生 産 内 容 :複合加工機・タレット旋盤・立形マシニングセンタ
統合完了予定:2019年6月
投 資 総 額 :130億円