DMG MORIが新アディティブマニュファクチャリング機 セレクティブレーザメルティング方式を採用した「LASERTEC 30 SLM」の受注を開始

 DMG MORIは、積層造形技術であるセレクティブレーザメルティング方式(以下、SLM)を用いた「LASERTEC 30 SLM」の受注を6月20日から開始した。「LASERTEC 30 SLM」は、6月20日から伊賀事業所で開催する「IGA INNOVATION DAYS 2017」に日本で初めて展示し、すでに来場者の注目を集めている。

 「LASERTEC 30 SLM」は、2月に子会社化したREALIZER社とのコラボレーションで生まれたアディティブマニュファクチャリング(Additive Manufacturing 以下、AM)機。材料を付加し3次元形状に造形するAM技術を搭載しており、部品点数の削減や製造工程の簡素化を実現する。同社は、AM分野におけるSLMとダイレクトエナジーデポジションの両技術を取り揃え、技術革新をより一層推進するとしている。

LASERTEC 30 SLMの特長

①SLM方式による積層造形

パウダーカートリッジの交換
パウダーカートリッジの交換
SLM方式は、材料粉末を一層ずつ敷き詰め、その後にレーザで照射して、任意の部分を溶融させる方式で、パウダーベッド方式とも呼ばれる。LASERTEC 30 SLMは、300×300×300 mmの積層容積、20~100μmの積層厚さにより、高精度な3D部品造形を実現。例えば工具が届かず、切削が難しいインペラや歯冠のような小物ワークの精密な造形が可能で、主に多品種少量部品や複雑形状部品に適している。

②省スペース
「LASERTEC 30 SLM」は、稼働軸が少なく、シンプルな機械構造となっている。コンパクトな機械設計が可能なため、クラス最小のフロアスペースを実現。

③作業性
 パウダ供給とパウダ回収機構をカートリッジ内におさめた材料粉末調整システムを搭載している。これによりパウダの再利用率を95 %-98 %に高めることができ、さらにカートリッジ方式のため、簡単にパウダを交換することができる。操作盤はタッチパネル式を採用しており、3次元シミュレーションや積層プログラムを、簡単なタッチ操作で行うことができる。

④生産プロセス
 「LASERTEC 30 SLM」 は、ワークの形状を高精密に造形するが、最後の仕上げ加工までを行うことはできないが、同社では、仕上げ加工までを含めたトータルソリューションをオプションでご提供可能。例えば、高精度高速5軸加工機HSC 20 linearなどを用いることで、最高の精度と面品位を実現した仕上げ加工が可能となり、同社の豊富な経験のCAD・CAMのデータベースから、「LASERTEC 30 SLM」による積層造形、5軸加工機による仕上げの加工までの生産プロセスチェーンを構築する。

⑤オープンな材料環境
 

加工の様子
加工の様子
豊富な知見により、顧客にパウダの供給および加工・実験・製造データ等のデータベースを提供すると同時に同社のガイドラインに従って、自由に日本および海外の高度な材料メーカーと顧客の直接の材料取引を行うことができる。同社では、今後もより多くの顧客のニーズに応えるよう、より高機能で信頼性が高く、投資価値のある製品を市場へ投入するとしている。

 このマシンは、受注生産であり、定価(税抜き)は69,500,000円から。(ドイツにて先行受注中。日本国内納入は2018年)。

主な機械仕様

(*¹シグナルタワー除く。*²仕様により異なる)

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