【レポート】「ありとあらゆる加工に対応する」 これが三菱マテリアル 中部テクニカルセンターだ!
三菱マテリアル(社長=竹内 章氏)の 加工事業カンパニー(三菱マテリアル常務:カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)は、切削加工ユーザーの技術サポートを目的に、CAM/CAE解析・シミュレーション、切削試験、切削工具の選定とその利用技術の支援、教育研修といった切削工具の総合的なソリューションを提供するとともに、オープンラボとしての機能を併せ持つ「中部テクニカルセンター」を約15億円の総投資額をかけて岐阜製作所内に新設し、6月13日に稼動を開始した。
充実した設備や先端機器に豊富なデータ、そして加工のノウハウ――。高度な技術を持つスペシャリストを集結し、切削工具の総合的なソリューション提供力を強化する姿勢を前面に押し出した同社の中部テクニカルセンターをレポートする。
皆様とともに“ワクワク”しながら密接な触れ合いができる場

鶴巻カンパニープレジデントは結びに、「今回、中部テクニカルセンターを新設したのはその表れであり、ご利用いただけるのは機械そのものではなく、人。わたしどもの営業、開発なり、様々な形でご提案させていただきたい。また、逆に、こんなことできるの? やっていくれるの? といった投げかけをお客様からどんどん頂けるとありがたい。こうしたキャッチボールをしながら交流を深め、互いに技術や品質を高め合って発展させていきたい」と思いを述べた。
最新設備がズラリと並ぶ! 最適なソリューションを提供

この中部テクニカルセンターの新設に合わせて、加工技術センターのソリューション提供部門を「東日本テクニカルセンター」とした。また海外でもアメリカ、スペイン、中国、タイにそれぞれテクニカルセンターを展開している。
東日本テクニカルセンターでは、最新の工作機械や各種分析評価機器、CAM/CAEソフトウェアを駆使して、ソリューションを提供してきた。

中部テクニカルセンターは、高剛性、高出力の横形マシニングセンタ、MQL機能付き横形マシニングセンタ、フル5軸制御立形マシニングセンタ、CFRP加工専用マシニングセンタ、両頭旋削軸装備複合加工機、振動切削機能付自動盤などそれぞれ仕様の異なる14台の最新鋭の工作機群がズラリと並ぶ。

近年、様々な産業分野で活用が拡大しているCFRP(炭素繊維強化プラスチック)。この時流を背景に、複合材料加工専用の設備の導入した同社。より高度化・専門家するユーザーの要望に対応する意気込みの表れでもある。
また、標準工具だけでは解決困難な加工や、よりユーザーニーズに適した加工を行うための工具開発・ツーリング支援も合わせて実施するとのこと。これが最適かつタイムリーに製品・サービスを提供することに繋がるのだ。 山田加工技術センター長は、「オープンラボとしての機能を併せ持つ東日本テクニカルセンターと中部テクニカルセンターを基点に、ユーザー視点に立った製品・サービスを提供するため、切削加工ユーザーとのオープンイノベーションを推進し、数年先を見据えた加工技術開発を進める」と説明した。
切削加工ユーザーとともに歩む

テクニカルセンターでは、顧客の現場と変わらない条件で実際に切削試験を行うことができる強みがある。高速度カメラ、マイクロスコープ等で肉眼では捉えきれない現象を観察し、目に見えない切削抵抗や振動分析も数値解析で可視化することで、ユーザーが抱える加工の問題点と改善ポイントを明らかにするのだ。顧客の実ワークを持ち込んでのテストカットは、新しい被削材や形状など、経験のない加工の場合は特に有効だという。

と、いったユーザーの要望に応えた顧客専用の工具や、新しい加工方法の共同開発にも果敢に取り組んでいる同社だが、東日本テクニカルセンターでは、昨年より切削理論の基礎から応用、工具損傷改善、トラブルシューティング、各種装置使用によるライン改善など幅広い分野での技術伝承を目的とした「切削アカデミー」を開催している。中部テクニカルセンターでも、この「切削アカデミー」を展開し、最先端の技術、技能、ノウハウを切削工具ユーザーの技術者に伝承する人材育成の場も提供するとしている。
記念撮影