ヤマザキマザックが航空機部品などの高速・高精度加工を実現する同時5 軸横形マシニングセンタ 「HCR-5000S」をリリース
ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)がこのほど航空機部品などの高速・高精度加工を実現する同時5 軸横形マシニングセンタ「HCR-5000S」をリリースした。
「HCR-5000S」 は、同社が長年培ってきた横形マシニングセンタと同時5 軸加工機のノウハウを盛り込み、高速・高精度加工を実現する機械として開発したマシン。同時5 軸加工で求められる複雑な軸移動に対し、高い応答性で駆動できる剛性を確保することで、サイクルタイムの大幅短縮を実現する。また、片持ちタイプのチルトロータリーテーブルの採用で加工領域直下に幅広いセンタートラフを配置する機械構造とした。クーラントタンクは大容量800L を標準搭載し、大量のクーラントを吐出することで切屑を機内に滞留させることなくスムースに機外へ排出する。
主軸は標準の12000 min-1 仕様から、航空機部品に代表されるアルミニウム素材の高速加工に最適な、高速・高出力の30000 min-1・80kW 仕様まで4種類をラインアップ、加工ニーズに合わせた仕様の選択が可能。直線軸のボールねじには軸心冷却を標準採用、主軸にも冷却機構を搭載し、さらに構造体であるベースを完全にカバーで覆うことで、クーラントなどによる急激な温度変化を抑え、高精度加工を長時間安定して行うことができる。
また、加工部品装脱着時のテーブルへの接近性や大型窓による機内視認性、保守ユニットの集中配置など、作業性や保守性にも配慮した機械設計となっている。
特長
(1) 同時5 軸加工で高速加工を実現する構造の採用
同時5 軸加工で求められる応答性の高い駆動系を実現すべく、剛性の高い機械構造を採用。複雑な動きが必要な軸移動において加速度の変化に追従する剛性を確保することで、高い生産性を実現する。
【早送り速度】 60m/min(X,Y,Z 軸) 30 min-1(A 軸) 50 min-1(C 軸)
【軸送り加減速度】 1.0G(X,Y 軸) 0.8G(Z 軸)
(2) 切屑排出性を考慮した基本構造を採用
切屑の排出性の高い横形マシニングセンタ構造に加え、新開発の片持ちタイプのチルトロータリーテーブルの採用と加工領域直下に幅の広いセンタートラフを配置したことにより、切屑を機内に滞留させることなくスムースな機外への排出が可能。クーラントタンクは800L の大容量のものを採用し、大量のクーラントを吐出する。
(3) ビルトインモータ構造採用した主軸を搭載、高速・高出力タイプなど4種類をラインナップ
駆動用ギアを排除することで振動を最小限に抑えたビルトインモータ構造の主軸を搭載し、12000 min-1(標準)から18000 min-1, 25000 min-1, 30000 min-1(高速・高出力80kW タイプ)まで各仕様をラインナップした。さまざまな加工ニーズに合わせた選択が可能である。
(4) 各種の熱対策により熱変位を抑制、長時間の高精度加工を実現
直線軸のボールねじは軸心冷却を標準採用、主軸にも冷却機構を搭載。またベースをカバーで覆うことで、熱源となる切屑やクーラントが直接構造体に当たることを防ぎ、熱変位を抑制、さらにサーマルシールド機能で制御的にも熱変位を最小化する。
(5) 作業性や保守性に配慮した機械デザイン
接近性を良くしたチルトテーブルにより、作業しやすい水平方向でワーク段取りを行い、加工時は切屑が落ちやすい垂直方向で加工が可能。大型窓による機内視認性、保守ユニットの集中配置など作業性や保守性に配慮した機械デザイン。
主な仕様