「成長と分配の好循環のため第4次産業革命に対応した設備への転換を」日本産業機械工業会が賀詞交歓会を開く
2018年01月18日
日本産業機械工業会(会長=佃 和夫 三菱重工業 相談役)が、1月10日、都内のホテルオークラ東京で賀詞交歓会を開いた。
あいさつに立った佃会長は、「正月早々株価が連日上がっている。消費、設備投資等も昨年後半から順調に伸び、良い新年を迎えられたと思う。昨年を振り返ると経済面では、わが国のGDPが7月から9月に7四半期連続のプラス成長となるなど、海外経済の拡大を背景に輸出や生産が伸び緩やかな景気回復が続いた。今年もこの傾向が続くといわれている。通商面ではEUとのEPA交渉が合意する、TPP11の大筋合意ということで大きな前進がみられた年だと思う。」と昨年を振り返り、不安要素として、北朝鮮をはじめイランとサウジアラビアの中東問題、保護主義的な動きやスペインの独立運動などを挙げた。
産業機械業界の2017年度上半期の受注について、「内需・外需とも増加し、上半期としては3年振りにプラスへ転じた。機種によって差はあるが総じて見れば明るさが増している。」と述べ、今年については、「わが国の成長力を底上げし、多くの人たちがその成長を享受できるという成長と分配の好循環を確立していく必要があると思われる。そのためには多くの産業が第4次産業革命に対応した設備への転換を心がけ、人工知能、ロボット、IoTなどを活用したイノベーションの実現に取り組み、生産革命と人づくり革命の推進により、少子高齢化や人口減少で縮小が懸念される国内市場の消費や投資の機会を広げ、新たな需要の創出、拡大に繋げていくことが重要だと考えている。」とした。
続いて来賓を代表して、多田明弘 経済産業省製造産業局長が、「日本経済は明るさを取り戻している状況と思われる。こうした中、生産性革命、人づくり革命を柱として民間をサポートする考えである。2018年は将来を見据えた次の一手をしっかりと行動に移していくという年にしていただきたいと願っている。経済産業省としてはコネクテドインダストリーズといったコンセプトを打ち出しているが、予算、税制といった様々な政策支援のメニューを予算・税制改正案に盛り込んでいる。今年はTPP11、EPAは実質可決ということになっている。2018年は大きな変革に向けての動きをつくる年になっていただけたら、と思っている。」とあいさつした。