「自社の技術を大切にしながら仲間の力を借りる」日本金型工業会東部支部が賀詞交歓会を開く
2018年02月04日
日本金型工業会東部支部(支部長=加藤忠郎 日進精機 相談役)が、1月19日、上野精養軒で賀詞交歓会を開いた。
第一部の特別講演では、「ビッグデータとは何か、それをモノ作りに役に立てるためにどうすべきか?」をテーマに、佐藤敏明 リコー研究開発本部 技師長が講演した。
第二部の新年懇親会で、あいさつに立った加藤支部長は、「人工知能のAIやIoT等はわれわれの金型業界では直接関係ないので飛びつくのは考えものだ、もっと地に足をつけた経営をしよう、という話を数年前にしたのだが、最近はセンサーの発達でかなりIoTも身近になってきた。AIだけでなく、車の自動運転や様々な分野の展示会が併設されている。こうした展示会を見学するとITの進展の速さに今更ながら驚いている状態だ。今後は自分の会社にはない特長をもった会社と一緒に協業することが必要になるのではないか。自社の技術を大切にしながら仲間の力を借りてこの1年をぜひ乗りきっていこうではないか。」と活況あるあいさつをした。
来賓を代表して、岡本繁樹 経済産業省 製造産業局素形材産業室長が、「わが国の経済状態は安倍政権発足以降、名目GDPは56兆円の増加、企業収益は過去最高水準を記録するなど経済の好循環が着実に実現しつつある。一方で、中小企業、小規模事業者は少子高齢化に伴う人材不足や、大企業との生産性の格差など構造的ともいえる課題に直面しており、景気の実感は未だ十分ではないと認識している。さらにグローバル競争の激化や第四次産業革命の到来など大変革の時代に到来しており、安倍内閣では生産性革命を政策の柱の1つとして位置付けている。その実現に向けた鍵としてコネクテッドインダストリーズを打ち出している。」と述べ、新たな価値創出の重要性を話した。 続いて牧野俊清 日本金型工業会 会長(長津製作所 会長)が、「昨年は金型マイスター制度を発足した。それをさらに内容のあるものにしていく。昨年は60周年記念の年だった。ちょうど60年前の前の年、機械工業振興臨時措置法が出来て金型をはじめとした産業が高度化していったという歴史がある。その時、重要な役割を担う17の業種を定めた。工作機械や切削工具も入っており、金型も入っていた。いよいよ工業会も還暦を迎え、新たなスタートをきった、ともいえる。皆様の力を借りて金型業界がさらに高度化して世界に負けない金型産業したい。」と期待を込めた。 新入会員の紹介があったあと、乾杯の音頭を井上真一 牧野フライス製作所社長が行い、宴もたけなわの頃、散会した。