「今年はダブル記念年」日本歯車工業会が賀詞交歓会を開く

第一部の新春特別記念講演会は、1921年に姫路市で創業し、2020年に100周年を迎える本田商店の四代目蔵元の本田眞一郎 本田商店 社長が、「ものづくりの精神」をテーマに講演をしたあと、会場をうつして第二部の賀詞交歓会が開かれた。
あいさつに立った栄野会長は、「当歯車協会は今年度創立80周年の節目を迎えることになった。昭和13年に創立して80年、その後昭和33年に現在の名称の日本歯車工業会として社団法人化されて60年、ダブルで記念すべき年となった。11月に記念式典を開催する企画をしている。この会は長年当工業会のことを支えて頂いた会員各位に対する感謝の会であるとの趣旨で開催したい。」と述べたあと、今年度の展望と今後について説明した。それによると、「昨年の工業会の生産状況は内外需とも用途業種により若干の差はあるが2年振りに前年比プラスに推移した。今年度を通してもこの傾向は継続するだろうと見込まれている。時代は変化のスピードも速く、IoT、ロボット、自動化設備等がわれわれのものづくり現場に必須の時代となっている。当会はこれにも目を向け、タイミングを失うことなく、3つの原則で進みたい。」とした。具体的には、(1)歯車に関するJIS、ISOの制定と改定に深く関与していく。(2)新技術を踏まえた調査・研究、紹介。(3)生産活動を支える人造り――と3つの点を挙げた。
栄野会長は、「技術についていうと、会員各社が使っている歯車用鋼材の品質評価装置を国からの補助事業を頂戴し2年間進めてきた。このコンセプトは自ら容易に高速で高度な品質評価ができることがキーワードである。着実に成果をあげており、世界にもまだ殆ど例のない世界初の装置になるのではないかと期待している。さらに今年以降、実用化を目指し、この装置で培われた評価法を工業標準の規格化に繋げていきたい。従来、技、眼力といった暗黙知をデーター化することができ、これにより信頼性の向上に繋げていくことができる。また、人づくりについては、当会が継続的に主催しているJGMA(ジグマ)ギヤカレッジで、歯車技術を将来にわたって担う技術者を対象に大学レベルの講座を開設・継続しているが、受講者は現在500名を超え、会員各社はもとより一般企業にも解放し取り組みとして評価を頂いている。」とした。


新規入会企業の紹介のあと、乾杯の発声を植田昌克 副会長(植田鉄工所 社長)が行った。宴もたけなわの頃、松波俊宣 副会長(岐阜ギヤー 会長)の中締めで散会した。