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三菱マテリアルの「切削アカデミー」 2019年度下期開催スケジュールを公開

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=中村伸一氏)は、技術者育成を目的とした切削工具メーカーならではの体系的な研修「切削アカデミー」に、より直接ものづくりのノウハウを織り込むべくカリキュラムの見直しを行い、本年度より新しいカリキュラムの提供を開始した。 「切削アカデミー」は、2016年度に開講し2019年度で4年目を迎え、これまでに70回の研修を行い、800名と多くの技術者に利用され、好評を博している。 新カリキュラムでは、加工原理を学ぶ機械加工基礎コースと、旋盤・フライス盤作業ごとの具体的な加工方法を学ぶ、加工形態別コースの『ターニングコース』『ミーリングコース』『ドリリングコース』の構成になる。従来のトラブルシューティングコースを、加工形態ごとのコースに盛り込むことで、技術者育成に一層貢献できるものと同社では考えている。

切削アカデミー2019カリキュラム構成

○導入教育 ・新入社員導入教育向け:初心者コース○一般教育 ・旋盤加工技術者向け:機械加工基礎コース→ターニングコース ・M/C加工技術者向け:機械加工基礎コース→ミーリングコース ・穴加工技術者向け :機械加工基礎コース→ドリリングコース○専門教育 ・びびり振動コース ※「一般教育」は機械加工基礎コースを受講後に、加工形態別コースの『ターニングコース』『ミーリングコース』『ドリリングコース』を組み合わせて受講する。「専門教育」は、いずれかの加工形態別コース修了後に受講する。◎受講対象 切削工具ユーザーおよび機械系学生◎「切削アカデミー」開催スケジュール(2019年10月~2020年3月) ・機械加工基礎コース:[東日本TC]12月5日  [中 部TC]'20年1月16日、2月13日 ・ターニングコース :[中 部TC]12月19日 ・ミーリングコース :[東日本TC]11月21日  [中 部TC]20年1月30日 ・ドリリングコース :[東日本TC]20年2月27日 [中 部TC]20年3月19日 ・びびり振動コース :[中 部TC]10月 3日 ※東日本TC:東日本テクニカルセンター(埼玉県さいたま市) ※中 部TC:中部テクニカルセンター(岐阜県安八郡)

オークマがドイツで販売強化 ~子会社にドイツの販売代理店Hommle CNC Technik GmbH

 オークマ(社長=家城 淳氏)のドイツ連結子会社OKUMA Europe GmbH(以下OEG)は、欧州ドイツにおいて顧客に密着した販売とサービスを提供するため、ドイツの販売代理店であるHommle CNC Technik GmbH(以下HCT)を、OKUMA Deutschland GmbH(以下ODG)として、9月1日付けで、OEGの販売子会社にすることを発表した。 オークマではグループ全体の受注、売上げの海外比率を70%とする「グローバル70」を掲げており、成長戦略の一環として、今後5年を目処にドイツでの販売倍増を図っていく方針。

ダイジェット工業が「エクストリームダイメイト」リニューアル!

 ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)が、このほど好評を博しているインサート両面仕様・丸駒ラジアスカッタ「エクストリームダイメイト」を、新ブレーカ付きインサート「金型加工用PM ブレーカ」「耐熱合金用MM ブレーカ」の追加および本体鋼種の見直しにより、リニューアル発売をした。

 エネルギーや航空機産業などのタービンブレード加工をメインに使用されていた同製品に、金型加工用・耐熱合金用の2 種類のインサート追加とより最適な本体鋼種への見直しを図った。これにより、幅広い被削材に対応できる汎用性とコストダウンによる市場競争力を強化するのが狙い。炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、焼入れ鋼、鋳鉄、ステンレス鋼、チタン合金、耐熱合金などの平面加工、曲面加工、ポケット加工に威力を発揮する。

■特長
(1)インサートは両面8コーナ仕様の丸駒インサート、加えて黒皮級のため非常に経済的。
(2)独自のインサート回り止め機構を採用。インサート拘束面がクサビ形状のため、外周と座面が確実に本体に固定され、使用時のインサート動きや浮き上がりを防止し安定加工が可能。
(3)独自のヘリカル切れ刃により切れ味と刃先強度を兼ね備えた「耐熱合金用MMブレーカ」は、ステンレス鋼、チタン合金などの難削材加工において低抵抗、長寿命を実現する。コーティング材種「JC7518」「JC7550」を揃えた。ポケット掘り込み加工が可能な「金型加工用PMブレーカ」は、刃先強度を重視した全周ブレーカ形状で一般鋼からプリハードン鋼、焼入れ鋼まで幅広い被削材に対応。コーティング材種「JC8050」「JC8118」を揃えた。
(4)本体はク-ラント穴付きで確実に刃先を冷却。

■サイズ・価格
① サイズ:フェースミルタイプφ50~φ66(計5 形番)、モジュラーヘッドタイプφ32、φ40(計2 形番)
標準価格:34,800 円~64,600 円(税抜き)

② インサート形番:RNMU1205MOE-MM(インサート材種:JC7518、JC7550)、RNMU1205MOE-PM(インサート材種:JC8050、JC8118)
標準価格 1,170 円(税抜き)

三菱マテリアルが溝入れ用バイト“GYシリーズ”にアルミニウム合金加工用インサートを追加

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=中村伸一氏)が、このほど、溝入れ用バイト“GYシリーズ”にアルミニウム合金加工用インサートを追加し、販売を開始した。

 溝入れ用バイト“GYシリーズ”は多彩なホルダ、インサートの組み合わせにより、外径、内径、端面への溝入れ加工に対応可能な旋削工具。今回、アルミニウム合金加工用インサートを追加することで、使用用途がさらに拡大する。

■特長
 ① ブレーカ幅をせまく設定し、小さな切りくずカール半径を実現。
 ② 強すくい角設計により、低抵抗を実現。
 ③ 刃先をシャープエッジとし、優れた耐溶着性を実現。

■標準価格
 ・GY2G0200D005N-GL RT9010:1,960円
 ・GY2G0250E005N-GL RT9010:2,060円
 ・GY2G0300F005N-GL RT9010:2,150円
 (いずれも税抜価格)

タンガロイが4コーナ溝入れ工具TetraForce-Cut(テトラ・フォース・カット)低抵抗加工用ブレーカ「TCL27形」を発売

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)が4コーナ溝入れ加工用工具「TetraForce-Cut(テトラ・フォース・カット)」に、高能率加工用ブレーカ「TCL27形」を拡充し、このほど発売を開始した。

 4コーナ溝入れ加工用工具シリーズ「TetraForce-Cut(テトラ・フォース・カット)」は、最大溝深さ6.4mmまで可能かつ、4コーナ仕様で経済性に優れることが特長。独自のインサートクランプシステムを採用し、優れた繰り返し刃先位置精度が得られ、加工精度と安定した工具寿命を実現するシリーズである。

 「TCL27形」は、深いディンプル形状を備えた特長的なブレーカにより、低抵抗で優れた切りくず処理性が得られる。また、汎用性に優れるAH725は、安定した加工および高能率加工を実現する。

 同社では、「既に、ご好評を頂いているTCS/TCM27形と合わせ、豊富なインサートのラインナップにより一般旋削加工から小型旋盤加工まで幅広い切削領域をカバーし、お客様の生産性向上に貢献します。」としている。

主な特長
(1)切りくず処理性に優れた新ブレーカ『TCL27形』により、低抵抗で安定した切りくず処理を実現。
(2)深いディンプル形状により切りくずの溝残りやワークの絡み付きを低減。
(3)適用被削材は炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼から耐熱鋼まで幅広くカバー。

主な型番と標準価格
・TCL27-150-015 AH725 :3,880円
・TCL27-200-020 AH725 :3,880円
・TCL27-250-020 AH725 :3,990円
・TCL27-300-020 AH725 :3,990円
(いずれも税抜価格)

リンクスがIIoTの国内・海外の最新事例を紹介する「Industrialインダストリアル IoT Meetingミーティング」を開催

 IIoT(Industrial IoT)分野における最先端技術の技術商社のリンクス(社長=村上 慶氏)は、2019年8月2日(金)、東京・大手町フィナンシャルシティ カンファレンスセンターにおいて、IIoTに関する最新事例を紹介するプライベートセミナー「Industrial IoT Meeting」を開催するにあたり、「Industrial IoT Meeting」の参加申込みを受付けている。入場料は無料。 「Industrial IoT Meeting」は、自動車、製薬、食品・飲料、各産業のトップメーカーの「現場」の事例を紹介するセミナー。現場の担当者ならではのIoT活用法や課題の発見、新たな気付き、また、実際にIoT化した場合に実現できることなどについて、リンクス製品を導入しているトヨタ自動車をはじめ、パートナーの日本マイクロソフト、オムロン各社のIIoT担当者から、最新事例や業界動向を紹介する。 また、リンクスの村上社長が、国内・海外の現状や課題に触れつつ、現在、本当に必要とされるIIoTとは何かを題材に講演。その他、同社が日本国内で展開しているIIoTソフトウェアプラットフォーム「zenon」及びソフトウェアPLC「CODESYS」の展示を行う。

「Industorial IoT Meeting」開催概要

日 時: 2019 年8 月2 日(金) 13:00~18:00会 場: 大手町フィナンシャルシティ カンファレンスセンター ホール1+2入場料: 無料◎登壇予定者■日本マイクロソフトコンシューマー&デバイス事業本部 デバイスパートナー営業統括本部IoT デバイス本部 Azure 担当部長村林 智 氏■オムロンインダストリアルオートメーションビジネスカンパニー商品事業本部コントローラ事業部 コントローラPMG 経営基幹職夏井 敏樹 氏■トヨタ自動車「トヨタが目指すIndustrial IoT に不可欠な現場の取り組みと構想 ~zenon を活用した現状と今後~」Mid-size Vehicle Company MS 車体生技部 ボデー技術統括室 汎用技術開発グループ長 林 哲史 氏Mid-size Vehicle Company MS 車体生技部 ボデー技術統括室 汎用技術開発グループ 主任 下西 隼人 氏↓申込みは下記サイトへ↓https://linx.jp/event/seminar/iiot_mtg/register.php

三菱マテリアル 中部テクニカルセンターが「オープンハウス2019」を開く ~次世代の切削工具総合ソリューションを初公開~

セミナーの様子
セミナーの様子
 三菱マテリアルが6月7日(金)~8日(土)の2日間、同社中部テクニカルセンター(岐阜県安郡神戸町)で、「オープンハウス2019」を開き、次世代の切削工具総合ソリューションを初公開した。IoT化技術や最新の工法に加え、切削実演を通じて、来場者に加工の課題解決に向けた提案を行った。

 今回のイベントは、①ユーザー向けトータルソリューションの紹介、②技術相談コーナー、③外部講師によるセミナー(大学・研究機関、アーバ―メーカー、CAMメーカー)、④各種セミナー(切削アカデミー開催、航空宇宙、自動車分野)、⑤DIAEDGE新製品による切削実演、⑥産業別展示&市場別(自動車、航空宇宙、医療)取り組み紹介、⑦来場者参加型ワークショップ&体感コーナーなど、加工に役立つ情報が満載。筆者が取材を行った2日目は、「最新切削ソリューション」の取り組みをテーマに講演が行われ、内容も豊富だった。

 また、技術相談コーナーも盛況で期間中20件の相談が寄せられた。多くの来場者は、「来て良かった。」、「親身な技術意見交換ができた。」など満足した様子。特に昨今のトレンドでもあるデジタルソリューション、FAソリューション、IoT取り組みの紹介に興味を持ったようだ。来場者の中には「東日本テクニカルセンターでも開催して欲しい。」との要望もあがっていた。オープンハウス2019をレポートする。

BT50マシニングセンタによる模擬金型加工

 最初に高送り加工用両面インサート式ラジアスカッタ「WJX」による荒加工、高能率化紅葉多機能カッタ「VPX」による中仕上げ加工を見学。使用するマシンはOKK「VM660R」。
 「WJX」では、平面加工、円周外径荒加工、円周内径ヘリカル加工(彫り込み)、「VPX」では円周内径仕上げ加工、円周外径仕上げ加工を行った。「WJX」の特長は独自の複雑逃げ面形状により両面インサート式でありながらランピング加工に対応しているところ。インサート厚み増加で強度もアップした。一方「PVX」は屈強な加工に負けないあらゆる加工に対応する縦刃ショルダエンドミル。いずれも高い経済性をもたらすことがメリットだ。

小型自動旋盤による自動車部品加工

 「近年の自動旋盤はターニングのみならず、ミーリングも多用する複合加工機として進化している。」と同社。ここでは自動車部品加工のデモを行った。仕様マシンはCITIZEN「L20」だ。「DIAEDGE」では、ターニング工具やドリル、エンドミルといったミーリング工具も豊富に取り揃え、フルツーリングが可能だという。ここでは穴位置精度向上と、高品位面取加工を兼ね備えるリーディングドリル「DLE」、様々な加工形態に対応するフラットドリル「MFE」、難削材の難削材の切り屑処理性に優れた新ブレーカ「LS」による加工と新材種「MP9015」に注目。さらには注目の新製品、切り屑処理性に優れたモールデッドブレーカ「SMB」で後挽き加工を行った。

BT30マシニングセンタによるアルミ合金加工

 ここでは、かねてから好評を博していたアルミ合金超高能率加工用フライスカッタ「FMAX」に小型主軸機に最適化された軽量カッタが登場! 使用するマシンはFANUC「ROBODRILL」だ。「FMAX」の特長について説明員は超高能率切削を挙げた。φ125,Vf:20,000mm/min以上の高能率切削を実現するための超多刃設計でありながら、最大切り屑排出量5,000ml/minを実現した切り屑排出システムを装備している。ダブテイル拘束(逆テーパ溝形状)で、インサートの遠心力方向への飛び出しを防止し、ディンプル部のクランプでインサートと着座の安定性を保持しているから高速回転にも安心だ。特殊合金製スチールボディの採用し、また、アルミニウム合金との組合せで軽量化を実現している。セットも簡単なのが嬉しい。

航空機部品加工におけるチタン合金の加工トレンド

 5軸加工機によるブリスクの模擬ワーク加工を見学。マシンは、HERMLE「C42UMT」。注目の工具は1発溝加工が可能な高能率加工用ラジアスエンドミル「VQT5MVRB」を使って荒加工を行い、翼面仕上げ加工にはバレルエンドミル「VQT6UR」を使用して高能率加工を行った。この「VQT6UR」は、大Rを持つ外周刃形状によって、大ピックフィードで従来のボールエンドミルに比べて大幅な能率アップが可能だという。

イスカルジャパンが「2019UTS(ユーザーテクニカルセミナー)」を開催 ~高生産性によるコストダウンと成功事例を紹介~

 イスカルジャパン(社長=岡田一成氏)が6月7日、同社神戸テクニカルセンター(神戸市中央区港島南町)で、「2019UTS(ユーザーテクニカルセミナー)」を開いた。

 同社は毎年、高能率加工が実現できる新製品を開発して顧客に紹介をしており、好評を博しているが、今回は6年ぶりにテーマを“LOGUQ(ロジック”に一新。昨年開催されたJIMTOF2018では、さらに高能率、高生産性により加工のコストダウンを実現するイスカル最新工具シリーズとして大々的に発表している。今回のUTSでは、大注目の“LOGIQシリーズ”を中心として、最新イスカル工具と特殊複合ツールの紹介とデモンストレーション並びにユーザーのユーザーによるイスカル製品の具体的な成功事例を紹介した。同社では、「コストダウンと生産性向上を通して、生産性、収益アップのヒントに繋がるものと確信している。」としている。

ユーザーが発表することでより信憑性の高い豊富な事例が特長

 岡田社長はあいさつの中で、UTSセミナーの目的を「イスカル工具を通じての情報交換の場としてユーザー自身で成功事例を発表していただくことにしている。通常メーカーのセミナーというと、商品や事例の紹介が一方通行になりがちだが、ユーザーに発表していただくことにより、このセミナーの事例が加工に皆様の参考になるものと確信している。」と述べたあと、イスカル社と同社の拠点があるイスラエルとイスカルジャパンについて説明した。

 岡田社長は、「イスラエルは中東の国で、石油も出ない資源も少ない人口800万人ほどの小さな国。イスラエルの言葉に“神はアラブに石油を、ユダヤに知恵を与えた”とある。このように小さな国イスラエルの資源は、なにか――というと、知恵。つまり独創的なアイデア。イスラエルDNAは現状を良し、としない発想と技術、製品の開発力だといわれており、労働人口1人当たりのエンジニア数は、1万労働人口当たり140人を超え、米国の80人レベルを遙かに上回り、世界1位となっている。今日ではIT分野、AI、サイバーセキュリティ、コンピュータサイエンス、バイオテクノロジー、製薬、農業技術などにおける技術革新をもたらし、米国のシリコンバレーにちなんで、中東のシリコンワディと呼ばれるに至っている。イスラエル発のテクノロジー、製品としては、CTスキャナー、USBメモリースティック、フラッシュメモリー、内視鏡カプセル、データセキュリティのファイアーフォール、最近では国産自動車メーカーも採用している自動運転画像認識のモービルアイ社もイスラエル発の技術となる。」と、イスラエルの現状について語った。

画期的なイスカル製品がズラリと並ぶ
画期的なイスカル製品がズラリと並ぶ
 「イスカル社は1952年にイスラエル北部の町ナハリヤで創業した小さな工具メーカーだったが、1978年にユニークなアイデア工具として世界初の自己拘束式突切工具セルフグリップの開発成功以来、毎年ユニークな新製品を多数、金属加工業界にお届けして現在、世界第2位の超硬切削工具メーカーに急成長してきた。」と岡田社長。この急成長の背景については、「我々の製品に対するお客様のご理解とご採用による成長及び機械加工業界におけるさらなる生産性アップのビジネスポテンシャルが高く評価され、2008年にはイスカル社は創業以来の一族経営から、世界トップの著名な投資家ウォレンバフェット率いる米国バークシャーハサウェイの傘下に入り、2013年には完全子会社化された。バークシャーハサウェイ社の強力な財政支援を受け、今後も工具メーカーとして思いきった製品開発を推奨し、成長を目指せる経営環境が整った。」と話し、1994年に開設されたイスカルジャパンが本年創立25周年を迎えることができたと報告し、感謝の意を表した。

 イスカル製品の基本コンセプトは、「イスラエル発のDNAであるユニークなアイデア生かしての“Fast Metal Removal(高能率加工)”」という岡田社長。具体的には、加工時間の短縮と機械の稼働率のアップにより大幅な生産コストの削減を実現することだ。生産コスト削減の実現のため、昨年10月に6年振りの新製品LOGIQシリーズ工具の発売を発表してから、継続した高能率加工工具を提案している。

 今回のセミナーでは、コストダウンと生産性向上を目的としたLOGIQシリーズを始めとする高能率加工をユーザーと担当者が詳しく事例を説明したあと、デモ加工を行った。

来場者も興味津々のデモ加工

日本工作機械販売協会 新会長に依田氏

依田新会長
依田新会長
 日本工作機械販売協会(以下日工販)が6月4日、都内の第一ホテル東京で第50回通常総会を開いた。今年は役員改選期であり、新会長に依田智樹 三菱商事テクノス社長が選任された。

 総会後に開かれた懇親会の席であいさつに立った依田新会長は、「元号が改まり令和という時代が始まった。日工販は昭和45年の創立であり、来年はいよいよ50周年を迎える時。日本のものづくりと共に歩んでいる長い歴史を持っており、その会長職という大役を拝命し、非常に身の引き締まる思いがしている。」とあいさつをした。

 また、工作機械業界をとりまく背景について、「昨年は受注額1兆8,000億円超、史上最高を記録するほど活況だったが、秋ごろから潮目が変わり、米中の貿易摩擦や中国の景気後退もあり、先行きがかなり不透明な状況になっている。一方、市場環境は非常に速いスピードで変化している。デジタル化、電動化、あるいは省人化、アディティブマニュファクチャリング、AI、IoTを使ったスマートマニュファクチャリング等々、ものづくりからコトづくりに変わってきており、ニーズが付加されていることが言えるのではないか。それに伴い、われわれのビジネスモデルも変えていく必要に迫られている。」との見方を示した。

 日工販の活動については、「会員各社の皆さまをはじめ他業界の方々とも綿密に連携を取り、新時代の新しい姿を目指していきたい。これまでも会員各社の販売力強化のための教育事業や製品の勉強会、工場見学等実施し、実績を積み重ねてきたが、加えて何か新しい施策もぜひ実行していきたいと考えている。会員数も現在81社だが、これをぜひ100社を超えるレベルにまで持っていき、組織力を強化していきたい。広報活動に注力し、さらにステータスを高める活動もしていく。」と意気込みを示した。

経産省 山下 産業機械課長補佐
経産省 山下 産業機械課長補佐
 来賓を代表して、松本 崇 経済産業省 製造産業局 産業機械課課長補佐が、「平成の時代はバブルの崩壊以降、長いデフレに苦しんだ時代だったが、令和に入り経済成長も堅調に推移している。日本が世界をけん引する気持ちで官民が協力をして連携を進めていければと思っている。ものづくり製造業が日本の根幹、源なので、世界の製造業の中で日本が果たす役割も大きいと感じている。また、製造業全体では第4次産業革命など、大きなうねりが来ているところであり、単にものを売る、ものをつくるだけではなく、いかに高付加価値をつけていくかということが鍵となる。」とあいさつをした。

日工会 飯村会長
日工会 飯村会長
 業界を代表して、飯村幸生 日本工作機械工業会会長が、「工作機械業界を見ると平成の30年で非常に進歩したと思う。以前は月1,000億、1兆円あれば御の字という業界であった。そこから去年は1兆8,000億超えということで、非常に大きなジャンプをした。工作機械の競争軸は、従来の高精度、高剛性、高速といったことから変わってきている。“ものからコトへ”ということが挙げられるが、どうやってものとコトを融合させて、お客様に訴求をしていくか。AI、IoTを使った内容はもとより、ユーザビリティーや工程集約など、少々軸の違うところで戦っていきましょうという議論がある。ここが、われわれ日本の工業界の非常に得意なところだろう。この令和の時代には年間2兆円を達成するということができるだろうと確信をしている。そのためには、やはり変わるということが重要であり、皆様と一緒に変わっていきたい。これから海図のないような海に出港していかなきゃいけないようなことも出てくるかと思う。様々な仕組みが変わって、製造拠点が変わり、調達インフラも変わるなど、現在、非常に予見不可能な状態の中にわれわれは突っ込んでいかなければならない。われわれは、同じ船に乗って、これを踏破していくという意味で、一丸となって市場を開いて世界に対するプレゼンスを上げていきたい。」と声援を送った。

 乾杯の発声を中川貴夫 日本工作機械輸入協会会長が行った。宴もたけなわの頃、散会した。

日本光学測定機工業会が創立60周年記念祝賀会を開く

あいさつする浜田会長
あいさつする浜田会長
 日本光学測定機工業会(会長=浜田智秀 ニコン常務)が、6月5日、都内の東京プリンスホテルで創立60周年記念祝賀会を開いた。

 あいさつに立った浜田会長は、日頃の感謝の意を表したあと、「当工業会は60年前の1959年11月に現在の日本光学工業協会の部会から発足している。その時、わが国における光学・測定・画像機器工業の健全な進歩、発展と、業界の繁栄に寄与することを目的として独立したという。創立当時は会員8社の非常に少ない会社でスタートしている。現在ではその3倍近くになる23社という会員の皆さまと一体感を持って運営している。」と工業会の歴史について触れた。

 業界を取り巻く環境については、「近年のものづくりは、ガソリンエンジンからEV車へのシフトが続いており、最近は自動運転へのシフトへの開発が進んでいるという状況。他方でVRやAR、さらにはAIを搭載したロボットなども、実用化が加速してきた。非常に技術的には進化が著しい時期に入ってきたという印象を持っている。」との感想を述べ、「それらをつなげるIoTも日々身近なものになってきており、IoTを支える電子機器の需要は今後ますます増える方向へ進んでいくというのは間違いないと確信している。これらの電子部品やデバイス分野の高度な技術や品質を支えるため、われわれの光学測定技術は核となり、これらの重要性が今後も確実に高まっていくと考えている。」との見方を示した。

 工業会についても触れ、「工業会の姿はさらに大きく変容していくと考えている。世の中が所有するから必要な時期に利用するというパラダイムシフトを伴いながら、バリューチェーンも大きく変わってきている。これまでの開発、生産、販売で価値を生み出していた現在のビジネスモデル自体が根底から変わっていく可能性も秘めている時代に突入した。ちまたでは5Gを含むデジタルトランスフォーメーションという言葉が非常に氾濫してきたなと考えているが、ものづくりによる具現化なくして、この改革は進まない。われわれはこれまで以上に関係各位の皆さまとの連携を深め、ものづくり、コトづくりの発展へ寄与できるように取り組んでいく。」と意気込みを述べた。

経産省 山下 産業機械課長補佐
経産省 山下 産業機械課長補佐
 来賓を代表して、山下龍夫 経済産業省 製造産業局 産業機械課課長補佐が、「工業会が設立した昭和34年を振り返ってみると、その2年前に発生しました鍋底不況、ここから立ち上がりつつ、当時の産業政策としては、電子や航空機、自動車産業の振興が今後の産業構造の高度化に資するとされ、日本経済をいかに自立的な軌道に乗せるかが当時の課題であったと経済産業政策史に記載されている。それから60年が経過し、令和という新しい元号の時代が始まった。平成の時代は、バブル崩壊後の長いデフレに苦しんだ時代ともいえるのではないかと思う。安倍政権が発足して名目GDPは57兆円増加し、この間10%以上の成長を達成している状況であり、令和の時代は、この勢いを生かして日本が世界の経済をけん引する時代になることを期待したいと思っている。」とあいさつをした。

 乾杯の発声は、中川 徹副会長(ミツトヨ会長)が行った。宴もたけなわの頃、散会した。