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2017年7月分工作機械受注総額は1,336.6億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2017年7月分の受注実績は以下の通り。 2017年7月分工作機械受注総額は、1,336.6億円(前月比△6.5% 前年同月比+28.0%)となった。受注総額は9カ月連続の1,000億円超。17年の1,300億円超えは4度目。内外需とも堅調に推移。 内需は552.2億円(前月比+1.0% 前年同月比+7.6%)で、5カ月連続の500億円超、2カ月連続で本年最高額を更新。国内需要は主要業種を中心に堅調に推移。外需は784.4億円(前月比△11.1% 前年同月比+47.7%)で、大口受注の剥落等により2カ月ぶりの800億円割れも。主要3極とも高水準の受注が継続。 国内外ともに市況の回復が続いているが、海外市場の回復の継続性や納期の長期化など今度を注視。

7月分内需

522.2億円(前月比+1.0% 前年同月比+7.6%)。・24カ月ぶりの550億円超で本年最高額。500億円超は5カ月連続。・前月比3カ月連続増加。前年同月比は6カ月連続増加。自動車や半導体関連を中心に主要業種は堅調に推移。① 一般機械  225.7億円(前月比△3.2% 前年同月比+9.6%)  うち金型   20.3億円(前月比△30.6% 前年同月比△33.9%)② 自動車   191.6億円(前月比△16.7% 前年同月比+15.8%)   うち部品   123.4億円(前月比+8.6% 前年同月比+4.7%)③ 電気・精密 53.0億円(前月比△3.0% 前年同月比+25.9%)④ 航空機・造船・搬送用機械 20.6億円(前月比△19.5% 前年同月比△7.5%) 

7月分外需

784.4億円(前月比△11.1% 前年同月比+47.7%)・5カ月連続の750億円超。・前月比2カ月ぶり減少、前年同月比8カ月連続増加。・主要3極で堅調持続。欧州はリーマンショック以降の最高額を2カ月連続で更新。①ア ジ ア:356.3億円(前月比△24.0% 前年同月比+68.7%)・東アジア:281.0億円(前月比△22.6% 前年同月比+82.2%)〈中 国〉224.4億円(前月比△27.5% 前年同月比+96.1%)・その他アジア:75.3億円(前月比△28.9% 前年同月比+32.2%)〈タ  イ〉17.4億円(前月比△2.5% 前年同月比+23.2%)〈イ ン ド〉33.9億円(前月比△42.9% 前年同月比+68.5%)②欧 州:183.3億円(前月比+1.9% 前年同月比+27.1%)〈ド イ ツ〉41.4億円(前月比+12.8% 前年同月比+27.4%)  〈イタリア〉32.2億円(前月比△7.9% 前年同月比+65.5%) ③北   米:221.8億円(前月比+0.9% 前年同月比+35.4%)〈アメリカ〉191.1億円(前月比+4.3% 前年同月比+42.3%)〈メキシコ〉 16.2億円(前月比△16.4% 前年同月比△26.6%)

マキノが初の大型5軸制御立形マシニングセンタを「V80S」を開発 ~これが最新マシンの全容だ!~

待望の「V80S」
待望の「V80S」
 牧野フライス製作所(社長=井上真一氏)が、このほど同社として初の大型5軸制御立形マシニングセンタ「V80S」を開発したと発表した。中大物金型加工における問題点といえば、切削仕上げ加工時間、放電加工時間、磨き時間が長いことだが、今回開発したマシンは、これらの問題点を解消するのが狙い。

 同社の販促課リーダーの長友林太郎氏は、「非常に大型1m~1.5mサイズの自動車用の樹脂の成形部品の金型製作を行う上で、仕上げ時間の短縮が求められているのが現状。高速で加工を行うだけでなく、広い加工面の面質も同時に向上しなければならない。最近、金型の製作工程が明確化、細分化されており、各工程で能率のよい機械が求められている」と開発の背景を説明している。

 従来と比較して従来機の80%以上も製作時間を短縮することに成功したこの「V80S」。仕上げ加工を短縮すると同時に高い面品位を実現することが最大のウリだ。非常に大きな金型をセッティングする場合、実際に加工するまでに段取り、位置決めなどで時間がかかる。大型機ゆえ、段取り性や作業性が要求されるのだ。これらを解決するため、この「V80S」は多様な機能を搭載している。

説明する長友氏
説明する長友氏
 この機械は、コンパクトな主軸と、回転軸・傾斜軸を採用することによって、高速・高面品位を実現している。5軸加工では主軸、ワークが傾けられるので、工具の突き出しが短くなる。これにより、切削振動、工具変形の低減が実現、面品位の向上が計れるという。

 実機を見学すると滑らかな同時5軸動作、一般的な主軸チルドタイプと異なり、スラント構造を有する機械になっている。こうしたマシンの場合、C軸と主軸が平行な位置関係にあるときに発生することがある、急に軸が真反対に回るなどの特異点が心配されるが、それを回避し、なめらかな動作を実現している。

 操作性についても、使いやすいよう、今回も広い開口幅を持つ正面扉の他に左右両側からも加工室内へアクセス可能となっているのも魅力だ。

金型の高能率加工を目指して開発

説明する井上氏
説明する井上氏
 「V80Sは金型の高能率加工を目指して開発した機械で、対象とするワークは自動車の射出成形部品、樹脂部品。具体的にはドアパネル、フロントグリル等、意匠性を要求されるハードルの高い難易度の高い部品を対象としている。サイズは1m~1.5mの金型。射出成形機の大きさとしては1300t前後がヒットする大きさとなる」と開発本部マネージャの井上憲司氏。井上氏は、「このマシンを開発するにあたり、国内外の顧客を訪問し、最近の金型製作のトレンドを教えて頂いた」と話す。

 そこで見えてきたのは、多くのユーザーが各工程に対して、それぞれ最善と思われる機械を使い分けて金型を製作しているということだった。特に中・大物の金型に関しての現状は、荒加工で機械が傷む、時間・チャージの問題で勿体ない、との理由から、古くなった機械が荒加工用に回され、またはギア駆動で、ゴリゴリ加工出来る機械が荒加工用ちすて活躍している。最近は海外から材料を購入された時点で、すでに荒加工がされているという場合もあるとのこと。

 問題は中仕上げ、仕上げ加工だ。ここの時間短縮、高能率加工に「V80S」は威力を発揮するためにつくられた。

進化した制御技術「Professional6」は加工精度を維持したまま高速加工を実現。
進化した制御技術「Professional6」は加工精度を維持したまま高速加工を実現。
 井上氏は加工の問題点について「3軸で加工すると、工具とワークの干渉が発生する。工具長も長く取らなければならない。しかも切削工具の力を発揮しない刃の先端部分で加工するので、面が荒れるという問題が起きる。面が荒れることを回避するために、アングルヘッドなどで傾きをつけると、面を分割するので、分割面に段差ができるといった問題も起きる。つまり、手間がかかるんですね。手間を取り除くために同時5軸で加工した場合でも、高速で送ると、食い込みが発生し、面が荒れて結局磨く時間が多くなってしまうんです」と述べたうえで、「このような現状を解決したのが、この“V80S”。スピードと後面品位を両立した金型5軸加工を実現しています。コンパクトスラントヘッド、高剛性キネマティクス、マキノ独自の高速高精度送り制御“Pro.6”。これらの技術を用いたマシンです」と盛り込んだ技術に自信たっぷり。

 「V80S」の従来機に比べて同じ工具を使用した際に得られる時間短縮効果だが、30.5hがかかっていたところが22.9h、つまり25%の時間短縮効果が得られたとのこと。しかも、このマシンは、首を振って工具を短くすることができるので、さらに小径工具が使えるという。

同時5軸加工動作が滑らか
同時5軸加工動作が滑らか
 「従来機ですとR2まででしたが、R0.2 まで追い込みました。増えた時間は2時間ですが、その分EDM(放電加工)の時間を80%も短縮することができました」と井上氏。

 これらの技術について、「金型の中仕上げ・仕上げ加工の加工パスとしては、曲面形状の塊になるんです。そうすると機械は加減速の連続になる。その加速度を早めることが全体の加工時間を短縮することに1番効果があるんです。加速度をあげて時間短縮を図るためには、移動物重量をいかに軽くコンパクトに設計するかがポイント。そこでこの機械は主軸をHSK-A63を採用しました。スリムでコンパクトな設計です」と説明、回転軸についても、「高トルクが必要ないので、ギア駆動ではなくDDモータを採用しています。DDモータによって割出分解能も上がりますし、同時5軸で加工したときにロスのない動きが得られる。また、主軸側の回転軸がA軸、付け根の回転軸がC軸になりますが、それぞれ、旋回制限を持っています。無限回転ではなく、有限回転で構成しているんですが、付け根の回転軸が斜めになったスナップ形状をしていますので、A、C、2軸複合で角度をつくっていく。±30°円錐内では無限回転の加工を行うことができます」とのこと。

正面扉の他に左右両側からも加工室内へアクセスできる。
正面扉の他に左右両側からも加工室内へアクセスできる。
 無限回転ができるというのは、「手でくるくる円をかくと、手首は360°回らないが円を描けるのと同じ原理」だという井上氏。特異点問題では、ひとつの位置をつくるのに、X、Y、A、Cの組合せが2つ以上でてくると、CAMがどっちを選択していいか迷い、無駄な動きをする場合があるが、こうした不穏な動きは、この機械では発生しづらいというから、頼もしい。

 チルト主軸の最大の長所は角度をとることで工具長を短くできることにある。井上氏も「例えば200mmの立ち壁を300mmの工具で加工していたところを25°傾けると、半分の150mmの工具で加工できます。工具を短くすると送り速度を上げられる、加工面の品位が向上する等より小径の工具も使えるので、工程時間が削減できる効果があります」と優位性を強調する。

美しい面品位と高加速への取り組み

ミニドアポケット。美しい面を誇る。
ミニドアポケット。美しい面を誇る。
 機械を動かしたときにオーバーハングになり揺られてしまう、加工面が乱れてしまうことを避けるため、今回はコラムを斜めにスラントにしていることも特長だ。さらに回転軸もスラントにして回転軸の駆動機構をコラムの後ろによりかかるような構造にしている。これによって、重心を後ろに寄せて、ほぼガイドをしている真上に重心をもってくることができたという。これにより、重心駆動に近いことができるので、より高速、高速加速で送れるとのことだ。

 「正面から見た目ですが、左のコラム、右のコラムを厚い壁で完全に結合してワンピース、一体のコラムにしました。この壁がコラム全体の剛性を挙げるのに非常に効果がある。ポイントはテーブルの配置にあります。テーブルを横配置にすることで可能になるんですが、これを縦配置にすると通過しなければならないので、壁がつくれないんです。これらの工夫が高加速を実現しています。また、付け根の回転軸を斜めにする目的、重心を後ろに下げると同時に同時5軸で加工したときにより、滑らかに動けるということになります」(井上氏)

 今回、マシンもさながら、加工精度を維持したまま高速加工を実現する進化した制御技術「Professional6」も搭載し、同社では最後に「“V80S”が金型メーカーのお役に立てることを切望しています」と述べた。

 なお、待望の最新のマシン「V80S」は、本年8月24日~25日の2日間、同社の名古屋支店(名古屋市守山区花咲台2-301)で発表会を行う。また、9月18日~23日までドイツの「EMO2017」にも出展予定だ。

「JIMTOF2018 第29回国際工作機械見本市」がいよいよ始動!

 日本工作機械工業会(会長=飯村幸生氏)、東京ビッグサイト(社長=石原清次氏)は、2018年11月1日(木)から6日(火)の6日間、東京ビッグサイトで「JIMTOF2018 第29回日本国際工作機械見本市」を開催するにあたり、7月27日に都内のメルパルク東京で記者発表を開催した。世界最大の国際技術ショーであるこの展示会は、最先端の製品・技術の出展が期待され、今回のJIMTOFは「つなぐ」をキーワードとした取り組みに注力する。

 主催者の取り組みとして、IoTを活用したSMARTマシンをはじめとする注目度の高い製品・技術の出展奨励に務めると共に、来場者と出展者をつなぐ、マッチングシステムの有効活用を推進するなど、第四次産業革命時代の到来に備えた新たなビジネスチャンスの創出に寄与する。また、約10万㎡に相当する国内最大の展示面積を活かして、海外メーカーの参加を承知する。国内外の有力エーカーから出展されるハイエンドマシンや先端テクノロジーと、約70以上の国・地域から来場する世界の製造業関係者をつなぎ、製造業の未来を拓くスマートものづくりの潮流を展開する。また、日本のものづくりを支える製造業界の社会的認知度向上を視野に入れ、企画・イベントを盛り込み“人材発掘・育成”にもつなげていくとしている。

キーワードは「つなぐ」

日本工作機械工業会 石丸専務理事
日本工作機械工業会 石丸専務理事
 石丸雍二 日本工作機械工業会 専務理事は会見上で、「工作機械の受注額は順調であり、6月の前年同月比で31.1%増の1430億円を記録した。今年の上半期は6カ月間の累計は前年同期比で21.1%増の7642億円となった」と、好調な受注の背景を述べ、「現在、第四次産業革命時代への対応が本格化している中でどのような展示がなされるか大変見所である。JIMTOFは従来から世界最先端の技術ショーであり、特にIoTやコネクテッド・インダストリーズがらみの新製品の展示が行われる」と期待を示した。

 また、具体的な取り組みとして、最新鋭の工作機械関連製品の拡充、国際性の拡充、会場の利便性の向上、工作機械や関連産業に関する理解や感心を深める――ことを挙げた。

東京ビッグサイト 及川常務(7月27日現在)
東京ビッグサイト 及川常務(7月27日現在)
 及川繁巳 東京ビッグサイト常務(7月27日現在)は、「前回のJIMTOFでは2016年10月に竣工した東展示棟を活用し、過去最高の5518小間、969社が出展した。日本を取り巻く社会情勢は大きく変化をしており、最近ではアジア各国の経済発展が目覚ましく併せて多くの工作機械産業展が開催をされている。このような環境の中で主催者としては、JIMTOFを最新の技術や製品を展示、発表する場として最先端の技術を競う質の高い見本市としてより一層世界にその存在感を示していくことが重要である」と述べた。

 また、東京ビッグサイトは、現在、東新展示棟に加え、2019年の完成に向け、南展示棟の建設に着手している。来年のJIMTOF2018の規模は前回と同様、展示面積は約49,500㎡、小間数は約約5500小間の予定。

JIMTOF2018の特長 ~6つの“つなぐ”~
 ①先端技術と来場者をつなぐ ~国際技術ショーとしての魅力向上~
 ②来場者と出展者をつなぐ ~商談サポート強化~
 ③技術体験と来場者とつなぐ ~魅力溢れる併催イベント・企画展示~
 ④日本と世界をつなぐ ~海外出展者・来場者の誘致活動の強化~
 ⑤学生と未来をつなぐ ~有為な人材確保・育成にも資する企画の強化~
 ⑥快適な空間と日とをつなぐ ~充実した来場者サービスの提供~

開催概要
[会  期]2018年11月1日(木)~11月6日(火)
[会  場]東京ビッグサイト 
[主  催]一般社団法人日本工作機械工業会/株式会社東京ビッグサイト
[出展対象]工作機械/鍛圧機会/工作機器/特殊鋼工具/超硬工具/ダイヤモンド・CBN工具/研削砥石/歯車・歯車装置/油圧・空気圧・水圧機器/精密測定機器/光学測定機器/試験機器/制御装置および関連ソフトウェア(CAD、CAM等)/その他工作機械に関する環境対応機器装置・機器・資材・製品・技術および情報

■出展申込について■
 「JIMTOF2018」より、出展申込は『Web申込』に一元化している。Webサイトからの手続きをもって申込完了となる。

問合せ先
●日本工作機械工業会
TEL:03-3434-3961
E-mail:jimtof@jmtba.or.jp

●東京ビッグサイトJIMTOF事務局
TEL:03-5530-1333
E-mail:jimtof@tokyo-bigsight.co.jp

DMG森精機 好調推移! ~2017年上半期(1月~6月)連結決算~

説明をする森社長
説明をする森社長
 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)は、2017年上半期(1月~6月)の連結決算を発表した。

 当上半期における業績は、売上収益1980億81百万円、営業利益90億19百万円、税引前利益69億68百万円、親会社の所有者に帰属する利益35億70万円となった。

 同社の上半期の受注は、前年同期比16%増と好調に推移した。四半期ベースでは、第1四半期(1月~3月)の伸び率が9%増で、第2四半期(4月~6月)には伸び率が24%増に加速した。グローバル市場において、半導体製造装置関連、航空機関連、一般機械関連、SMEs向け工作機械の需要が好調であった。また、自動車向け需要も堅調に推移しているほか、建設機械業界向け需要も回復を強めつつある。上半期の地域別受注は、日本が前年同期比5%増、アメリカは同16%増、ヨーロッパは同19%増と好調であったほか、中国、アジア諸国も回復の足取りが確かである。9月には、ドイツハノーバーで世界最大の展示会が開催され、世界初披露機であるワールドプレミア8機種に加え、デジタル化、自動化などソリューションの提供を強化し、さらなる受注獲得に努めるとしている。

 また、生産環境をネットワークでつなぐIoTやコネクテッドインダストリーズ/インダストリー4.0を推進し、革新的な商品とサービスで顧客の面倒を一手に引き受けるため、「Smart Machine、Smart Factory、Smart Company」の提案をしている。オペレーションシステムや自動化システムの活用は、加工時間の短縮だけでなく工場全体での生産工程の省人化も可能にする。さらにマイクロソフトのシステムを用いて工場と工場をつなぎ、世界中の機械の稼働率を管理することができる。こうしたソリューションを一括で提案するためにテクノロジーサイクルを拡充させているほか、顧客への提案から納入・保守を行っている。これらにより、世界中の技術や経験を自由自在に組み合わせ、生産性の高いトータルソリューションを提供することを目指すという。

 一方、同社は働き方改革にも取組み、在宅勤務の拡充、コアタイム制の導入、残業ゼロに向けた意識改革などを推進している。2018年4月から国内全事業所に社内託児所を常設しており“よく遊び、よく学び、よく働く”をモットーに、全社を挙げて社員のワークライフバランスの充実、更なる生産性の向上を図っている。

三菱マテリアルが難削材加工用マルチクーラントホール付き制振エンドミル“CoolStarシリーズ”を発売

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)は、このほど、難削材加工用マルチクーラントホール付き制振エンドミル “CoolStarシリーズ”の販売を開始した。

 航空機部品などに多く用いられるステンレス鋼やチタン合金などの加工用として、飛躍的な高能率化・長寿命化を実現するとして、同社の“スマートミラクルコーティング”は、多くのユーザーより高い評価を博していることから、優れた冷却効果を発揮するマルチクーラントホール付き制振エンドミル「VQ6MHVCH」と「VQ6MHVRBCH」の“CoolStarシリーズ”を新たに販売することとなった。

 難削材加工用マルチクーラントホール付き制振エンドミル “CoolStarシリーズ”の主な特長は、以下の通り。

 ① 各切れ刃に複数のクーラント供給穴を配置し、穴位置を最適化したことにより、優れた冷却効果を発揮し、高能率加工を実現。
 ② (Al,Cr)N系“スマートミラクルコーティング”は、熱の膨張と収縮に強く、ステンレス鋼やチタン合金などの加工時において耐摩耗性が大幅に向上。
 ③ 独自の表面処理技術“ZERO-μサーフェース”は、平滑面とシャープな切れ刃を両立させることにより、切削抵抗の低減と切りくず排出性を大幅に向上。

■標準価格
・VQ6MHVCHD1000:32,300円
(代表型番) ・VQ6MHVCHD2000:100,000円
     ・VQ6MHVRBCHD1000R050:42,000円
     ・VQ6MHVRBCHD2000R400:125,000円
(いずれも税抜価格)

アマダミヤチが微細な電子部品のはんだ付けに最適なダイレクト・ダイオード・レーザ溶接機「ML-5020AW」を新発売

「ML-5020AW」本体
「ML-5020AW」本体
 アマダミヤチ(社長=辻岡寿康氏)は、このほどスマートフォンやタブレットなどの微細な電子部品のはんだ付けに最適なダイレクト・ダイオード・レーザ溶接機「ML-5020AW」 の発売を開始した。

 この製品は、近年増加傾向にある小型基板のはんだ付け用途に特化したダイレクト・ダイオード・レーザ(DDL)溶接機。レーザによる電子部品のはんだ付けは、従来の「こて」を用いた場合と比較し、基板に接触せずにはんだ付けができるため、基板へのダメージが少ないことが特長。

 熱量をリアルタイムに検出し、熱量が一定となるようにレーザ出力を制御する新機能「アクティブヒートコントロール」の搭載とφ0.1mm の小径ファイバーの採用により、スマートフォンやタブレット、家電、デジタル機器などの狭小部品や狭ピッチエリアの微細な電子部品の加工に適している。

 さらに、最大出力20W のレーザ光を2 チャンネル同時出力が可能なため、生産性が飛躍的に向上する。

「ML-5020AW」の 主な特長

ML-5020AW専用 アクティブヒートコントロール射出ユニット
ML-5020AW専用 アクティブヒートコントロール射出ユニット

1. 高い発振効率
ダイレクト・ダイオード・レーザ(DDL)は、電気から光への変換効率が45%と非常に
高いため、設備の省エネルギー化に大きく貢献する。また、励起媒質や複雑な光学系が不要で構造がシンプルなため、メンテナンスフリーを実現。ランニングコストを低減。

2. 2チャンネル同時出力
 最大出力20Wのレーザ発振器が標準で2チャンネル仕様のため、2点同時加工が可能。単一仕様に比べ、2倍の生産性の向上を実現する。また、必要に応じてどちらか片側のみ出力することも可能である。

3. アクティブヒートコントロール機能を導入

アクティブヒートコントロールを設定したはんだ付け例
アクティブヒートコントロールを設定したはんだ付け例
 専用のアクティブヒートコントロール対応の出射ユニット(オプション)と組み合わせることで、2つのチャンネル別にアクティブヒートコントロール機能を設定することが可能。それぞれのワークの違いや加工部で発生する熱量の違いをリアルタイムで検出し、熱量が一定となるようにレーザ出力を制御する機能が備わっています。これにより、安定したはんだ付けが可能となり、加工不良を抑制する。


4. コンパクト設計

 コンパクトな19インチのラックサイズを採用することにより、オリジナルの装置や標準ラックへの組み込みにも柔軟に対応する。

ヤマザキマザックが さらに生産性を向上させた対向2スピンドル2タレットCNC旋盤「DUALTURN200」の販売を開始

 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)は、このほど、最新型CNC装置を搭載した中小型部品の加工に最適な対向2スピンドル2タレットCNC旋盤「DUAL TURN200」の販売を開始した。

 DUAL TURN シリーズは同一能力のスピンドルとタレットを左右対称に配置した構造により、1台で同クラスの機械2台分の加工能力を持つCNC旋盤。左右のスピンドルでのワーク自動受渡しによる連続加工や異なるワークの左右同時加工により、中小型部品加工の工程集約を小フロアスペースで実現、さらにはバーフィーダーやガントリーローダーなど自動化システムとの組み合わせにより、バー材からの多数個取りなど量産部品の長時間連続加工を実現している。

 今回発表した「DUAL TURN200」は、最新型CNC装置「MAZATROL SmoothC」を新たに搭載したことによる高速制御と高い操作性のほか、熱変位制御機能「サーマルシールド」による高精度加工、メンテナンス機器の集中配置による高い保守性を実現するなど、生産性をさらに向上させている。

 同社では、「高精度な連続加工を実現するDUAL TURN 200は、世界的に需要の高まる自動車用部品など、中小型部品の量産加工における高効率化に貢献する」としている。

「DUAL TURN200」」の特長

1.1台で同クラスのCNC旋盤2台分の加工能力


 加工ワークの自動受渡しによる連続加工のほか、異なる加工ワークの左右同時加工が可能。

2.高品位で安定した連続加工
 切粉の排出性が良好なタレット構造と熱変位制御機能「サーマルシールド」搭載により、高品質で安定した連続加工を実現。

3. 多様な自動化システムに対応
 バーフィーダーやガントリーローダーとの組み合わせによる自動化対応など、顧客のニーズに合わせたさまざまなシステム展開が可能。

4.最新型CNC装置「MAZATROLSmoothC」の搭載とエルゴノミクスデザインの採用により、生産性がさらに向上
 最新型CNC装置「MAZATROL SmoothC」搭載による高速制御と高い操作性を実現。また、CNC操作盤への高い接近性による加工プログラミング時の負担軽減や、油圧・エア・潤滑ユニットの集中配置によるメンテナンス作業の工数削減など、エルゴノミクス(人間工学)に基づいた機械デザインにより生産性がさらに向上。

DMG森精機が先端技術研究センターの施設を開所

先端技術センター内部
先端技術センター内部
 DMG森精機(社長=森雅彦氏)が本年1月に内に設立した先端技術研究センターの施設が完成し、7月24日に開所した。

 同社では、「IoT、インダストリー4.0、人工知能ロボット、COP22による脱炭素、電気自動車(EV)、自動運転、フィンテック(ブロックチェーン)、シェアーエコノミーと、“既に起きている未来”は、2020年以降の世界では社会や産業に当たり前のように、広く実装され、デジタル革命は新たなステージに到達することが予想される。研究センターは、上記の変革を主導する人材を集積し、DMG MORIがその時代に求められる顧客価値と社会的価値を創成し、顧客に提供する人材の育成の場として設立した。この研究センターは、“企業内大学院”の創設も意味している」としており、研究センターでは、機械学習のプログラミング、IoT、ネットワーク、クラウド、英語TOEIC900点のすべてが頭に入っている人間を育成する。個別の専門家を集めたチームとは次元が違う技術陣を創るのが狙い。

研究生の様子
研究生の様子
 
 研究センターのセンター長には、(元)東京大学工学系研究科・技術経営戦略学専攻教授の松島 克守 東京大学名誉教授が就任し、東京大学・大学院の教育水準の研究指導で先端技術の分野に卓越した高度専門技術社員を育成する。



 <先端技術研究センター概要>
所在地 : 東京都江東区潮見2-3-23 (DMG森精機 東京グローバルヘッドクォータ内)
設立 : 2017年1月1日
センター長 : 松島 克守 (東京大学名誉教授)
研究員 : 社内6名 (今後人材獲得により増強する)
技術アドバイザー :蒲地 輝尚 氏 (元NEC,ソニー株式会社)
連携研究機関   :東京大学工学系研究科 システム創成学専攻 白山晋研究室

ゼネテックが3D CAD/CAM システム「Mastercam」の最新バージョンをリリース

 ゼネテック(社長=上野憲二氏)は、このほど「Mastercam(マスターキャム)」の最新バージョンとなる「Mastercam 2018」の日本語版をリリースした。

 最新バージョン「Mastercam2018」では、リボンスタイルのユーザーインターフェース(各コマンドがタブでグループ化された形式)が強化され、使い勝手がさらに向上している。また、CAD関連ではソリッドモデリング機能におけるスウィープ機能とフィーチャー管理機能を強化。CAM関連では図面上の公差情報にもとづき、加工部位ごとに残し代が設定可能となったほか、荒取りや仕上げ動作でのアプローチ動作に新機能が搭載された。

 シミュレーション機能では、切削シミュレーションと機械シミュレーションが統合され、シームレスな検証機能が可能となった。インターフェイスからCAD・CAM・シミュレーションに至る全般的な機能強化により、ツールパス作成の大幅な効率化を支援する。
 
 主な新機能は以下の通り。

●ソリッドモデリングの強化
 スウィーブ機能が強化された。複数ガイドをはじめとする、複数断面、平行/法線、ツイストオプションの搭載により、モデリングの自由度が大幅に向上。

●CAM 機能の強化
 3D Highspeed ツールパスにおいて、図面上の公差情報をもとに加工部位ごとに残し代を設定・色分け表示することが可能。仕上げ加工時の取り代の設定や中間公差などを反映させることができ、詳細なツールパスの作り込みが可能となった。また、旋盤機能では長尺のワーク加工や1回あたりの旋削距離が長い場合に有効な区切り旋削機能が追加された。Mastercam 独自のダイナミックモーションテクノロジーにより、ツールパス作成時に刃先チップの非切削領域を指定することで工具負荷を大幅に軽減する。

シミュミレーション機能の強化
 Mastercam シミュレーションとマシンシミュレーションが統合され、シームレスな検証が可能となった。新機能の「ブックマーク」により、ブックマーク位置でのワーク形状の確認や再検証が可能となり、検証作業の大幅な効率化を実現する。

日立建機が 中型油圧ショベルZAXIS-6シリーズ3機種を発売

 日立建機(社長=平野耕太郎氏)は、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(以下、オフロード法)」2014年基準に適合した新型油圧ショベルZAXIS-6シリーズのZX120-6(標準バケット容量0.5m3、運転質量12.7t)、後方超小旋回機ZX135US-6(同0.5m3、同13.7t)、ZX160LC-6(同0.6m3、同17.2t)を日本国内向けに2017年9月1日より発売する。

 この製品は、従来機の「スムーズな複合動作」や、「作業量と燃費のバランスの良さ」などの性能を踏襲しながら、最新油圧システム「HIOSIV(ハイオスフォー)」システムや、「オートアイドリングストップ機能」の採用などにより、低燃費と高い作業性能を実現している。

 また、車体点検時の転落リスクを低減するため、車体上部にハンドレールを新設し、メンテナンス作業時の安全性の向上を図っている。さらに、国土交通省が推進するi-ConstructionをはじめとしたICT施工に対応するため、「マシンガイダンス仕様機」を同クラスで当社製品として初めてオプション設定するとともに、計測機器の取り付けを容易にする「マシンガイダンス対応マルチブラケット」をオプション設定し、他のクラスと合せて高まる市場ニーズへ柔軟に対応する。

 販売目標は、国内向けに3機種合計で年間2,000台を見込んでいる。