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アマダホールディングスがIoT を活用したサポートサービスを富士通と構築することで合意

 アマダホールディングス(社長=磯部 任氏)と富士通(社長=田中達也氏)は、このほどアマダが提唱する近未来のモノづくり「V-factory」の一環として、IoT を活用した新たな顧客サポートサービスを構築するため、顧客とアマダをIoT でつなぐ機器「V-factory
Connecting Box」の開発とビッグデータ活用において協力することで合意した。

 「V-factory Connecting Box」は、マシンからのセンシングデータや稼働ログデータを、安全かつ安定したネットワークで取得する機器で、顧客とアマダをつなぐ重要な役割を担う。富士通の「FUJITSU Managed Infrastructure Service FENICSⅡ M2Mサービス」を用い、高いセキュリティーを確保したネットワークにより、モノづくりのあらゆる情報を提携させるプラットフォーム「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINAプラットフォーム」にてデータの蓄積や分析を行う。また、OPC-UAとMT Connectのデータ交換標準規格にも対応し、アマダとのつながり以外の、オープンな情報連携を可能にする機能を備えている。

 「V-factory」のサポートサービスにより、データ分析から予兆検知などを行うことで生産を止めないサポートを実現するほか、マシンの稼働状況を把握することで顧客の仕事の効率向上のための“気づき”を提供するなど、顧客のモノづくりを支えていく。

 アマダと富士通は、レーザ加工機とその周辺装置を対象としたリモート保守の仕組みにおいて以前より共同で取り組んでいたが、今回両社は、センシングデータや稼働ログデータの効果的な活用により、「V-factory」による、顧客への付加価値提供サポートの実現につながると考えている。

日本金型工業会東部支部が第5回定時総会を開く

あいさつする加藤東部支部長
あいさつする加藤東部支部長
 日本金型工業会東部支部(支部長=加藤忠郎 日進精機相談役)が5月19日、東京都内の上野精養軒で第5回定時総会を開催した。

 平成28年度事業報告、同決算報告並びに監査報告、平成29度事業計画案、同収支予算案を承認した。

 真田幸光 愛知淑徳大学 教授が「現行の世界秩序の変化と日本」をテーマに講演したあと、引き続き懇親会を開いた。

 あいさつに立った加藤支部長は、日頃の感謝を述べたあと、「機械統計の月次の生産額が昨年の5月から顕著に上昇し、10月以降、前年同月比が100%を超えている。こうした状態で推移して欲しい。私の持論では、モノのインターネットであるIoTや人工知能のAI等は、われわれ金型業界に直接関係ないと思われるが、あながち無視できないのではないか。先月はインターモールドが開催された。工業会の展示ブースでは2年前は71社だったが、今回は77社に増加した。かなり活況があった」と述べた。

蘆田 経産省素形材産業室長
蘆田 経産省素形材産業室長
 来賓を代表して、蘆田和也 経済産業省製造産業局素形材産業室 室長が、「足元の景況感は戦後3番目になる景気回復を続けているようだ。バラツキはあるようだが、堅調に推移しているといえるだろう。他方、将来に目を向けたときに第四次産業革命や今後の電気自動車化の動き等、仕事の質と量が大きく変化していくと思っている。ものづくりの基盤を支え続けられる産業であり続けられるように私どもも応援している」とあいさつした。

日本金型工業会 牧野会長
日本金型工業会 牧野会長
 牧野俊清 日本金型工業会 会長があいさつに立った。この中で牧野会長は、「成形関係のお客様が昨年暮れあたりから調子が良くなっているように感じている。乗用車の生産台数は3月は多いのだが昨年に対して7%も増加したらしい。そのために成形業界の方が関連して調子が良いようだ」と期待を込めた。

 新入会員の紹介のあと、 井上 真一牧野フライス製作所 社長が乾杯の発声を行った。

日本歯車工業会が第60回通常総会を開く

あいさつする栄野新会長
あいさつする栄野新会長
 日本歯車工業会が5月19日、東京港区の機械振興会館倶楽部にて「第60回通常総会」を開いた。 今年は改選期にあたり、新会長に栄野 隆・日立ニコトランスミッション顧問が選任された。

 総会後の懇親会で、あいさつに立った栄野新会長は、「歯車工業会は来年で80周年になる。創立は昭和13年、まずは東京、その翌年に大阪で製造組合が発足した。一緒になったのは昭和33年、そこで日本歯車工業会となり、ここから60年、歯車工業会にとっても節目の年になると思う。当時、歯車工業会が発足したときは、高度成長経済の中の産業、拡大基調の産業だった。現在、会員企業の参加がここ数年で増加しているが、加工設備、切削工具、計測機器等、歯車を助けてくれる関連企業の皆様が加入して下さっている。創立の時の精神が一致団結をして、スクラムを組んで歯車工業を盛り立てよう、というものだった。歯車業界を助けてくださる皆様と一緒になって事業を行っていきたい」とあいさつした。

片岡 経産省 産業機械課長
片岡 経産省 産業機械課長
 続いて来賓を代表して片岡隆一 経済産業省製造産業局 産業機械課長が、「ギアカレッジで産学連携を取り組まれており、ISO標準活動等にも注力され、日本経済産業にとって重要かつ貴重な活動をされている。鋼材材料の中で異物のバラツキがある等の課題があるが、歯車用鋼材の安全性、信頼性を正確に測定することで皆様の優れた製品がさらに広く高い評価を得ている。JIS規格、ISOの国際標準獲得に向けて、われわれとしても尽力していく」と述べた。

 乾杯の発声は植田昌克副会長(植田鉄工所社長)が行った。

「売上増大と原価低減に注力」 ダイジェット工業2017年3月期決算

 ダイジェット工業(社長:生悦住歩氏)は、2017年3月期の決算(連結)を発表した。 当社グループは、世界経済の不確実性がますます高まり不透明な企業環境が続くなかで、金型高能率加工用工具「マックスマスター」や難削材加工用工具「エクストリームダイメイト」の開発商品を新発売し、さらに好評中の「タイラードリル」や刃先交換式の「TAタイラードリル」など穴あけ用工具の販売拡大に努めてきた。 その結果、連結売上高は前年同期比3.9%減の95億5百万円にとどまり、収益面では、連結営業利益は3億6千万円(前年同期比37.1%減)、経常利益は3億5千8百万円(前年同期比37.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億1千5百万円(前年同期比39.5%減)と減収減益となった。  製品別売上高は、焼肌チップが12億8千5百万円(前年同期比0.1%減)、切削工具は67憶9千万円(前年同期比3.7%減)、耐摩耗工具13億9千3は百万円(前年同期比8.6%減)となった。  輸出については、前年同期比7.2%減の40億2千5百万円となり、地域別では北米向けが9億3千1百万円(前年同期比5.0%減)、欧州向けが10億5千6百万円(前年同期比3.1%減)、アジア向けが19億8千5百万円(前年同期比8.3%減)、その他の地域が5千1百万円(49.3%減)で、輸出割合は前年同期に比べ1.5ポイント減少して42.4%となった。  今後の見通しは、国内外において売上増大に努めるとともに一層の原価低減を果たし、通期連結売上高は97億円、営業利益4億8千万円、当期純利益3億3千万円を見込んでいる。なお、次期の為替レートは、1米ドル105円、1ユーロ115円を想定している。

天青会新会長に野口賢太郎 野口金型製作所社長 

 日本金型工業会東部支部の若手経営者の会である天青会が5月12日、東京の上野精養軒で第5回定時総会を開催した。議事では平成28年度事業報告、同決算報告並びに監査報告、役員改選、新年度事業計画などについて審議が行われ、いずれも承認された。

 新会長に野口賢太郎 野口金型製作所社長が選任された。


あいさつする野口新会長
あいさつする野口新会長
 総会後の懇親会の中で野口会長は、「私が入会した当時は、下限年齢が25才だった。その後改正をし、下限年齢が撤廃されたので皆様の知り合いの後継者で若い方がいらっしゃったら入会していただき、この会で勉強していただきたい。今後の活動については、足を運んでその場の空気に触れる、人に会う等をしていきたい」とあいさつをした。

2017年4月分工作機械受注総額は1,337.0億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2017年4月分の受注実績は以下の通り。2017年4月分工作機械受注総額は、1,337.0億円(前月比△6.3% 前年同月比+34.7%)となった。受注総額は2カ月連続の1,300億円超。4月単月で過去2番目の高水準。市況の回復に加え、政策効果やスポット受注が寄与(4月最高額 15年:1346億円) 内需は504.6億円(前月比△3.8% 前年同月比+29.5%)で、2カ月連続の500億円超。リーマンショック以降初の4月での500億円超。ものづくり補助金の採択案件が受注を押し上げ。外需は832.4億円(前月比△7.8% 前年同月比+38.1%)で、2カ月連続の800億円超。4月の800億円超えは2年ぶり。(15年4月:861.6億円)アジアでのEMS関連受注や自動車のスポット受注が寄与。 国内外ともに市況の回復が窺えるが、政策効果やスポット受注による増加が主要因であり、今度の動向を注視。

4月分内需

504.6億円(前月比△3.8% 前年同月比+29.5%)。・2カ月連続の500億円超。・前月比3カ月ぶり減少。前年同月比は3カ月連続増加。・補助金効果により、期末である前月から小幅の減少にとどまる。① 一般機械  201.1億円(前月比△2.1% 前年同月比+32.0%)  うち金型   23.0億円(前月比△5.8% 前年同月比△7.7%)② 自動車   178.9億円(前月比△0.3% 前年同月比+32.2%)  うち部品   124.4億円(前月比△4.4% 前年同月比+52.6%)③ 電気・精密 48.8億円(前月比+6.4% 前年同月比+80.9%)④ 航空機・造船・搬送用機械 15.4億円(前月比△35.2% 前年同月比△29.1%) 

4月分外需

832.4億円(前月比△7.8% 前年同月比+38.1%)・2カ月連続の800億円超。・前月比6カ月ぶり減少、前年同月比5カ月連続増加。・スポット受注によりアジアで高水準の受注。欧州、北米も堅調持続。①ア ジ ア:461.9億円(前月比△8.4% 前年同月比+101.2%)・東アジア:369.3億円(前月比△12.2% 前年同月比+107.9%)〈韓 国〉31.6億円(前月比△5.7% 前年同月比+9.8%)〈中 国〉311.8億円(前月比△15.0% 前年同月比+140.5%)・その他アジア92.6億円(前月比+10.8% 前年同月比+78.2%)〈タ  イ〉14.5億円(前月比△39.0% 前年同月比△10.4%)〈イ ン ド〉54.3億円(前月比+135.0% 前年同月比+217.5%)②欧 州:156.3億円(前月比+0.5% 前年同月比△1.5%)〈ド イ ツ〉32.0億円(前月比△25.4% 前年同月比△32.4%)③北   米:206.8億円(前月比△7.6% 前年同月比△1.0%)〈アメリカ〉185.3億円(前月比△8.6% 前年同月比+9.2%)〈メキシコ〉 14.0億円(前月比+12.2% 前年同月比△54.9%)

【レポート】「INTERMOLD2017」でみた注目各社の製品&技術 まとめ

 去る4月19日(水)から22日(土)までの4日間、東京ビッグサイトで開催されたINTERMOLD2017/金型展2017」「金属プレス加工技術展2017」は、日本のものづくりを根底から支える工作機械・工具・周辺機器がズラリと並んだ。注目した企業の製品&技術をレポートする。
(アマダマシンツール、イワタツール、栄工舎、オーエスジー、岡本工作機械製作所、OKK、キタムラ機械、黒田精工、ジーベックテクノロジー、ソディック、ダイジェット工業、ナガセインテグレックス、日進工具、BIG DAISHOWA、不二越、ブルーム-ノボテスト、牧野フライス製作所、三井精機工業、三菱日立ツール、安田工業、碌々産業)

 アマダマシンツールで、特に目立っていたのは、オプティカルプロファイル研削盤「GLS-800PL」。同社ではなかなか珍しいタイプのマシン。これはLED光源を搭載した従来のタイプに数々の新機能を付加して、さらに使いやすくなって新登場。加工品質、精度の向上とともに高効率、高生産性を追求して大幅に進化した。デモ加工では、CCDカメラによる微細形状確認や、オンマシンCAMによる軽快な操作を来場者にアピールしていた。他にも1枚の砥石に2形状を成形するデモを披露していた高精密成形研削盤「MEISTER-G3」も注目を集めていた。

 イワタツールといえば、「トグロンシリーズ」が有名だ。今回は金型製作工程短縮の提案を「トグロンⓇハードロングドリル」で行っていた。この提案は、ワイヤーカット等の工法に代わるもので、径、真円度、円筒度、曲がり等の精度が必要となるので、高精度なマシニングセンタ等で適切な加工条件とともにこの商品を使えば、高精度な穴加工がドリルのみで行えるという。しかも、この商品は、焼入れ鋼に20D以上の貫通穴加工を世界で初めて実現しているとのことだ。工程削減により納期の短縮が期待できる。なお、50Dまでの規格品に加え、それ以上の不可穴用ドリルも製作可能。

 マニアックな工具を製作している栄工舎のロングセラーといえば、「超硬ソリッド球面カッター」。ユニークな形状のこの商品は、①最大280°の球面の切れ刃でボールエンドミルではできなかった加工に対応、②5軸加工機による複雑な形状も可能になる、③バリ取り加工が容易に出来る、④R0.5~R10までのサイズ。2枚刃及び4枚刃でレギュラーサイズ、ロングサイズも標準化をしている――の特長を持つ。同社といえば、タップが折れてしまった時の絶望感から開放してくれる、破損タップ除去専用超硬ソリッドドリル「タップリムーバー Plus」も長きにわたり大好評!

 オーエスジーは、新たなミーリングスタンダードとして「AE-VMS」にラジアスタイプが追加されていた。切削抵抗を低減するポジすくい角、良好な切りくず排出性を生む新溝フォームが特長だ。剛性も高いので加工精度もアップする。他にも加工現場から評価が高く、売れに売れている「Aブランドシリーズ」も展示されていた。今後は、「Aブランドのエンドミルを広げていく」とのこと。また、焼ばめ装置「OSG-HAIMER POWER CLAMP NANO」は横向きとなって新登場していた。

 重切削、高剛性の100年品質といえばOKK。今回は、精密部品や金型加工に貢献するコンパクト立形マシニングセンタ「VB53」が展示されていたが、このマシンは、切屑の排出を機械左側とし、クーラントタンクをスプラッシュガード下のデッドスペースに配置したことで実現した“コンパクトさ”が特長。主軸は、2面拘束・主軸回転速度20,000min-¹を標準装備。冷却油の強制循環で軸受けの発熱を抑えるとともにモータにはエア冷却を施し、主軸の熱変位を制御している。また加工目的に合わせた主軸の選択が可能となっていた。

 昨年、彗星のごとく現れた岡本工作機械製作所の近未来自動研削システム「MUJIN」。ボタンがひとつしかない最新の研削システムを実現させたマシンに来場者も興味津々。このシステムの特長は、研削加工のセットアップ工程・データ入力を自動化し、より効率の研削方法を計算することで、作業時間の大幅な削減と研削ノウハウの単純化を実現していることだろう。センサー技術を活用することで、従来不可能だった部分の「視える化」にも貢献している。他にもNC機と汎用機のメリットを併せ持つ、CNC高精度成形研削盤「HPG500NC」も注目が集まっていた。

 加工の本質を追究しているキタムラ機械は、難削材の重切削加工から、高速・高精度加工まで長年の使用にも耐え、長寿命で高剛性、高精度を保証する、というマシンの数々を世に送り出し、ユーザーの信頼を集めているが、今回はガイダンス通りに従うだけで稼動ができるという簡単操作が特長のCNC装置「Arumatik-Mi」を搭載した次世代型同時5軸制御立形マシニングセンタ「Mytrunnion-4G」と、ハイコストパーフォーマンス横形マシニングセンタ「Mycenter-HX250iG」の2機種を出展した。高精度・高剛性・高生産性のマシニングセンタの市場最安値に挑戦し、来場者を魅了していた。

 黒田精工は、超精密技術を結集した精密平面度測定装置「SF-640M」を展示していた。より精密に測ることは信頼の証しを得るのと同じこと。世界最高水準の平面度測定を可能にしたのは、同社の超精密加工技術による高精度エアスライダ、リニアサーボモータ等の採用で高精度な運動機構を実現しているからである。ミクロの世界は測るにも技術が必要だが、この製品は簡単な操作でOK。自社開発した多様な表示・解析ソフトを用意していることも魅力だ。同社ならではの考え抜かれた構造設計は大きな魅力だった。

 「研磨コンテスト」で来場者を熱くさせたといえば、バリ取りの自動化を推奨しているジーベックテクノロジーだ。多くの挑戦者が同社のブースでピカピカに金属を磨きあげていた。同社が展示しているセラミックブラシは、独自のセラミックファイバーを研磨材に使用しているところが特長。1本の線材に1000個の切れ刃を持っている。これがバリ取り・研磨の自動化を実現しているのだ。写真にあるのは「表面用」。バリ取りだけでなく、カッターマークの除去や、達成面祖度Ra0.1µm程度の研磨にも使用できる。

 多くの来場者で溢れていたソディック。来場者が足を止めていたのは、リニアモータ駆動の精密金属3Dプリンタ「OPM350L」だ。新加工方式のパラレルモードにより造形速度が大幅に向上している。同社が新たに提案している全自動加工方法として提案しているのが、「ワンプロセスミーリング」。金属粉末にレーザ光を照射することで溶融し、その後ミーリング仕上げ加工まで連続して行える。また、パラレルモードで1台のレーザを高速に制御することで複数箇所を同時に造形が可能になった。自社開発の材料自動排出自動供給装置により連続自動運転を実現している。

 ダイジェット工業は、高い経済効果を生み出す工具群を展示。中でも、“高能率・コスト削減、効果MAX!”というキャッチコピーにもあるとおりの、高能率荒加工用工具「マックスマスター」に注目したい。この工具は、刃先形状の最適化により、刃先強度を保ちながら切屑厚みを薄くかつ安定させ、1刃あたりの送りアップが可能になった。チップ厚みは4mm! 断面強度は従来比20%もアップした。チップは両面使用可能で4コーナと経済的だ。ランピングやヘリカル加工にも優れ、高能率名ポケット加工も可能だ。

 ナガセインテグレックスは、同社でも「最高傑作」と太鼓判を押すほどの超精密成形平面研削盤「SGC-630α」を展示。このマシンは、サブミクロンの形状精度で、中~準大型ワークの兆平面・平行加工が可能であり、ナノマシン並のNC指令値追従性能を実現している。同社独自の油静圧案内構造とリニアモータ駆動技術の融合で世界最高レベルの超形状創成加工が可能になった。0.01℃単位で油温・研削音を精密制御。温度変化に強いマシンだ。非接触構造により長時間使っていても高い精度を維持し、SUS素材のカバーで美しい外観を保ってくれるのも嬉しい。

 最近、ブランディングに力を入れている日進工具は、高硬度材直彫り加工に最適な無限コーティングプレミアム高硬度用ロングネックラジアスエンドミル「MHRH230R」と「MHRH430」が規格拡大。最小コーナ半径R0.02 からラインナップし、微細精密切削のニーズに対応していた。画期的だったのは、cBN工具を使用したことが無いユーザーのために、工具、NCプログラム、加工用ワークがセットになった「お試しキット」を提案していたことだ。機械でどこまで磨けるか? を突き詰めて考える同社らしい企画内容だった。

 BIGの愛称で親しまれているBIG DAISHOWAのブースは今回も見所が満載だった。中でも小型工作機械における小径精密加工に特化した「ハイドロチャック・スーパースリムUP」は、精度で定評のあるハイドロチャックのさらに精度を極めたタイプのもので、4D先端1µm以下の振れ精度を実現している。また、従来品以上のビビリを抑えた防振効果が得られる防振機構内蔵の「スマートダンパーSWボーリングヘッド」も人気を博していた。

 材料から製品までの一貫した生産体制を有している不二越は、特殊鋼の製造技術や塑性加工技術、表面解析技術で多彩な製品を送り出しているが、今回注目されたのは、精密型用鋼「DUROシリーズ」。この製品は、ハイス、マトリックスハイス、熱感ダイス鋼を含んだ金型用鋼で靱性と耐摩耗性のバランスを多様化させた全8鋼種から成る。同社独自の溶解・精錬技術で破壊の原因となる非金属介在物や偏析を低減しており、金型の寿命向上と安定によりコストダウンに貢献する。

 ブルーム-ノボテストのブースでは、機上計測に貢献するデジログによる「表面粗さゲージ」に注目が集まった。摩耗した工具での加工によって生じる面粗さの検知ができることにより、加工後のワークを従来の設定中に新品工具で仕上げることが可能になる。このお陰で、表面粗さによる不合格品は減少するので、メリットも大きい。他にも、加工後ワークの機上3次元測定を実現する「フォームコントロール」等が展示されていた。同社が提案する品質モニタリングの統合は、機上計測を躍進させている。

 豊富なマシン群で来場者を魅了した牧野フライス製作所。今回特に注目されたのは、高精度NC放電加工機「EDAF3」。精密電子部品の量産化に対応するため、高剛性の機械構造と徹底した熱対策により高い精度の多数個取り金型加工を可能としている。最も注目したいのは、扱いが難しく敬遠されていたベリリウム銅の加工効率を大幅に向上したことだ。この技術の確立により金型製造の常識が変わる予感を感じた。他にもスタンピング、コネクター、リードフレームなどの小径かつスタート穴が多い加工に最適な「W53FB」も人気だった。

 三井精機工業が来場者を魅了したのは、ジグボーラーの高精度位置決めと、高精度形状加工を実現する「PJ812」だ。熱変形を考慮した門形シンメトリー構造で、新摺動機構で0.1µm送りに追従している。また、新開発の主軸熱変位補正でZ軸の変位量は従来の約1/3に改善している点や、主軸中心とZ軸駆動部の距離を最小化し、Z軸静剛性が従来機に比べ6倍以上に向上しているところも見逃せない。また、省エネ回路の採用で非稼働時の電力は90%も削減している。

 華やかなブース展開と加工トレンドがひと目で分かる展示内容が大人気だったのは三菱日立ツールだ。今回、注目されたのは高能率仕上げ加工用異形工具シリーズ第5弾「GS4TN形」。タケノコにも似ているこの工具は、「段差ゼロ5軸加工への架け橋」として貢献する新世代工具。工具軸を傾斜し加工することでバレルR部を使用し、勾配面がピッチを大きく加工。さらに先端R部を使用することで加工段差の少ない切削ができる。

 安田工業は、新製品「YMC650」を展示会仕様のパープル色で展示。このマシンは、同社のベストセラーマシン「YMC430」の特長を引き継ぎながらストロークを拡張、ワイドレンジに高精度、後面品位を実現できる最新鋭のハイエンドマシン。全軸がリニアモータ駆動で、長時間の稼働でも安定した高精度加工を実現する“熱変位対策”を惜しみなく投入している。また、直感操作や自己診断、解析を分かりやすくした新「OpeNe」も搭載していた。新しい領域の微細加工を実現してくれると期待が高まるマシンであった。

 加工サンプルも見所満載だった碌々産業は、“実加工精度±1µ以下の追求”をコンセプトに開発された「Android」を高速加工条件下でも熱変位を極限まで抑えて改良、ユーザーの要望に対応して更なる進化を遂げた「AndroidⅡ」が展示。主軸および各軸リニアモータ廻りの喚起効率を強化することでY軸方向熱変位を低減させたことと、発熱源であるガイド部の冷却により長時間の高精度維持を実現させたことに、徹底した熱変位対策をみることができた。

アマダホールディングス 代表取締役会長兼CEO 岡本 満夫氏「旭日中綬章」を受章 ~経営革新と積極的な事業展開、産業界の発展に寄与 ~

 アマダホールディングス(神奈川県伊勢原市) の代表取締役会長兼CEO 岡本 満夫氏が、このほど2017 年春の叙勲において、「旭日中綬章」を受章した。2003 年、アマダ代表取締役社長就任以来、製販統合やオーナー経営から組織経営に経営革新する一方、販売・開発・生産体制の強化、海外展開の拡充、レーザを核とする新たな技術・製品開発の推進などに取り組み、同社の発展に貢献した。さらに、2015 年4 月には持株会社制に移行し、アマダホールディングスを誕生させ、グループとしてより機動的に経営・執行業務が行える体制に整えた。

 また、2009 年5 月から2015 年12 月まで、職業訓練法人アマダスクール理事長を務め、中小・零細企業の多い板金加工業者のために、板金加工の技術革新に対応した技能教育、人材教育に注力し、産業界の発展に貢献した。さらに2015 年からは、公益財団法人天田財団代表理事理事長に就任し、金属等の加工に関する学術の振興と新しい科学技術の創出を図り、わが国の産業および経済の健全な発展に寄与している。

 岡本会長兼CEOは、「このたびは、はからずも旭日中綬章の栄に浴し身に余る光栄でございます。これもひとえにお客さま、諸先輩をはじめ、関係業界の皆さまからの長年にわたるご指導、ご鞭撻の賜物と心より感謝申し上げます。また、常に支えてくれた社員の皆々にも深く感謝しております。会社の業容拡大と金属加工業界の発展にわずかながらでも貢献できましたことをご評価いただき、大変うれしく思っております。今後とも、この栄誉を励みとして産業、社会のお役に立てるよう微力を尽くす所存です」と慶びをコメントしている。

(主要経歴)
1972 年 株式会社アマダ 入社
2000 年 株式会社アマダマシニックス 代表取締役社長
2003 年 株式会社アマダ 代表取締役社長
2015 年 株式会社アマダホールディングス 代表取締役会長兼CEO(現在)

(民間団体歴)
2009 年 一般社団法人日本鍛圧機械工業会 理事副会長
2009 年 職業訓練法人アマダスクール 理事長
2014 年 一般社団法人日本経済団体連合会 常任幹事(現在)
2014 年 公益社団法人発明協会 理事(現在)
2015 年 公益財団法人天田財団 代表理事理事長(現在)

(賞罰)
2014 年 フランス国レジオン・ドヌール勲章受章(フランスでの事業展開の功績)

三菱マテリアルが続々と新商品をリリース! ~MS plusエンドミルシリーズ、DFエンドミルシリーズ、「FMAX」にカッタ用インサートがそれぞれ追加~

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)が、続々と新商品をリリースしている。
 ①超硬エンドミル“MS plusエンドミルシリーズ”スクエアエンドミル「MPMHV」にスリムシャンクのサイズを追加、②グラファイト加工用ダイヤモンドコーティングエンドミル“DFエンドミルシリーズ”2枚刃ロングネックボールエンドミル「DF2XLB」にサイズを追加、③高能率アルミニウム合金仕上げ正面削りカッタ「FMAX」にカッタ用インサートを追加――した。

超硬エンドミル“MS plusエンドミルシリーズ”を拡大

 一般鋼から50HRC程度までの高硬度鋼の金型材や部品加工の幅広い範囲で、安定した寿命を発揮する超硬エンドミル“MS plusエンドミルシリーズ”スクエアエンドミル「MPMHV」に、突き出し長さを自由に調整できるスリムシャンクのサイズを拡大し、シリーズの拡充を図る。
 主な特長は、以下の通り。

 ① 「MS+(エムエスプラス)コーティング」を採用することで、炭素鋼から50HRC程度の高硬度鋼まで幅広い被削材で優れた耐摩耗性を発揮。
 ② エンドミル外径の2.5倍の刃長と従来品より長い全長設定とすることで、使用範囲が拡大。
 ③ 不等リード形状により、従来品と比較しびびり振動を抑制。

・型  番   : エンドミル外径Φ7.0mm~Φ22.0mm 5型番を追加(全10型番)
・標準価格   : 14,200円~71,000円(全型番)
(代表型番)MPMHVD0700S06:14,300円
 MPMHVD1400S12:34,900円
 MPMHVD1800S16:52,000円
 MPMHVD2200S20:71,000円
(いずれも税抜価格)

グラファイト加工用ダイヤモンドコーティングエンドミル“DFエンドミルシリーズ”を拡大

 グラファイト加工用ダイヤモンドコーティングエンドミル“DFエンドミルシリーズ”は、高信頼性かつ長寿命と高R精度を実現することから、ユーザーより高い評価を博していることを受け、2枚刃ロングネックボールエンドミル「DF2XLB」のサイズを追加し、使用範囲の拡大を図る。
 主な特長は、以下の通り。

 ① 天然ダイヤモンドに匹敵する結晶成分を有し、グラファイト加工において抜群の耐摩耗性を実現。
 ② 高精度シームレス刃形の採用により、良好な仕上げ面を実現。
 ③ グラファイトから銅合金、CFRPやマシナブルセラミックなど幅広い被削材に対応。

・型  番   : エンドミル外径Φ0.2mm~Φ6.0mm 2型番を追加(全54型番)
・標準価格   : 21,800円~26,600円(全型番)
DF2XLBR0050N160:22,100円
DF2XLBR0075N200:22,400円
(いずれも税抜価格)

高能率アルミニウム合金仕上げ正面削りカッタ「FMAX」にカッタ用インサートを追加

 高能率アルミニウム合金仕上げ正面削りカッタ「FMAX」は軽量化と高剛性を両立させ、従来品以上の多刃設計でアルミニウム合金などの非鉄金属を工具径125mm24枚刃でテーブル送り速度毎分20m以上の高能率で加工することを可能にし、自動車部品などの加工の高能率化を実現する正面削りカッタ。今回、カッタ用インサートのコーナRを追加することにより適応範囲が広がった。
 主な特長は、以下の通り。

 ① インサートのすくい面上に設けたボディプロテクタと切れ刃に向かうクーラント効果により、理想的な切りくずの排出性を実現し、カッタボディへの擦過損傷を抑制。
 ② カッタ径Φ80mm以上のカッタボディは、アルミニウム合金と特殊スチール合金の組み合わせで、軽量化と高剛性を両立させ、ダブテイル拘束(逆テーパ溝形状)構造とすることにより、高速回転時にインサートの飛び出しを防止。
 ③ インサートの振れ精度調整機能により、複数回の再研磨に対応した調整量を確保し、高精度なセッティングを容易に行うことが可能。

・型  番 : ダイヤモンド焼結体材種「MD2030」コーナR0.4mm
・標準価格 : GOER1404PXFR2 MD2030:7,500円(税抜価格)

OSG-HAIMER 焼ばめ装置「Power Clampキャンペーン」実施中

Power Clamp Nano
Power Clamp Nano
 オーエスジー(社長=石川則男氏)が2017年4月3日~2018年3月30日まで、焼ばめ装置「Power Clampキャンペーン」を実施している。

 焼ばめ装置「Power Clamp」は、①短時間での加熱、冷却が可能、②ハイス工具の焼ばめが可能、③高熱部分に触れることが少ない設計で高い安全性である、④シュリンクコード入力で加熱パラメータを簡単設定、⑤メンテナンス不要といったメリットがある。

 早い、簡単、と好評発売中のこの製品に今ならホルダが無償でついてくる。


 ■キャンペーンの内容
(1)「Power Clamp Standardパッケージ」 BASIC LINEホルダ10本無料!
(2)「Power Clamp Nanoパッケージ」 BASIC LINEホルダ5本無料!