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三菱マテリアルが「切削アカデミー」を中部テクニカルセンターで開催開始

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)は、切削加工技術者育成を目的とした研修「切削アカデミー」を2017年7月より中部テクニカルセンターで開催開始する。 「切削アカデミー」は切削工具メーカーならではの、切削加工技術の基礎知識や応用、専門的な知識を学ぶ体系的な研修として、参加者から高い評価を博している。 このほど新設される中部テクニカルセンター(岐阜県神戸町岐阜製作所内)では、7月20~21日開催の「切削アカデミー」『基礎コース』から、以降『応用ターニングコース』『応用ミーリング・ドリリングコース』など順次開催する。 同社では、「基礎コースは各種切削工具の種類、被削材と切削工具の基礎知識を学び、切削条件の計算式を習得する研修となり、切削加工技術を体系的に習得したい技術者のお申込みをお待ちしております」としている。▼申込受付は下記のWEBサイトへ▼http://carbide.mmc.co.jp/solution/purpose/education/training/academy

コースおよび開催日程

●初心者コース(1日)切削加工の種類、切削工具の呼称など、切削加工職場で使う言葉を学ぶ。・5月19日(加技C) ・5月26日(加技C)●基礎コース(2日)切削加工の種類、被削材と切削工具の基礎知識を学び、切削条件の計算式を習得する。・7月20、21日(中部TC) ・8月24、25日(加技C)●応用ターニングコース(1日)旋削加工の詳しい知識や工具選定について学ぶ。切削加工職場で適切に工具が使用されているか判断する能力、一般的な工具損傷の基礎知識とその対策を身に付ける。・9月8日(中部TC)●応用ミーリング・ドリリングコース(2日)転削加工の詳しい知識や工具選定について学ぶ。切削加工職場で適切に工具が使用されているか判断する能力、一般的な工具損傷の基礎知識とその対策を身に付ける。・6月8、9日(加技C)●ターニング トラブルシューティングコース(1日)旋削加工のトラブルシューティングを集中して学ぶ。・6月16日(加技C)●ミーリング トラブルシューティングコース(1日)転削加工のトラブルシューティングを集中して学ぶ。・7月28日(加技C)●ドリリング トラブルシューティングコース(1日)穴あけ加工のトラブルシューティングを集中して学ぶ。・9月22日(加技C)●難削材加工コース(1日)難削材加工の基本的な考え方と、実用的な加工を学ぶ。・8月4日(加技C)●切削抵抗解析コース(1日)切削抵抗測定と測定結果の理解、不安定切削の状態を学ぶ。・9月29日(加技C)●実験 バリコース(1日)バリ生成のメカニズム、バリと境界摩耗の関係を実験から学び、バリを意図的に発生させる実験を行う。・6月30日(加技C)(*加技C:加工技術センター、中部TC:中部テクニカルセンター)受講対象者:切削加工の実務者、生産技術者受 講 料:コースごとに設定↓申込みはこちら↓http://carbide.mmc.co.jp/solution/purpose/education/training/academy所在地加工技術センター :埼玉県さいたま市大宮区北袋町1丁目297番地中部テクニカルセンター :岐阜県安八郡神戸町横井1528-1(岐阜製作所内)

VDMA、在日ドイツ商工会議所内に日本代表事務所を開設

 ドイツ機械工業連盟(VDMA)が、このほど、在日ドイツ商工会議所内に日本代表事務所を開設した。在日ドイツ商工会議、DEinternational、シニアコンサルタントの長谷川平和氏が、1984年以来日本でVDMAの代表を務めてきたホルガー・ヴィッテヒよりバトンを受け継ぐ。 VDMA日本代表事務所は、日本の行政機関に対してドイツ機械産業を代表するとともに、日本の業界団体とのコンタクトを円滑におこなう役割を担っている。さらに、日本代表事務所は、在日VDMA会員企業の拠点として、産業界にとって重要な市場情報を調査、分析を行うだけでなく、日本企業や顧客とのコンタクトなどをサポートする。VDMA ドイツ機械工業連盟 日本代表事務所 〒102-0075 東京都千代田区三番町2-4 三番町KSビル5F在日ドイツ商工会議内Tel: 03 5276 6632Fax: 03 5276 2455

コマツが オフロード法2014年基準適合、国土交通省「i-Construction」に対応したICT油圧ショベル「PC300i/PC300LCi-11」を販売開始

 コマツ(社長:大橋徹二)は、最新技術を随所に織り込み、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」の2014年基準に適合したICT油圧ショベル「PC300i/PC300LCi-11」を、スマートコンストラクションサポート契約とともにこのほど販売を開始した。

 同社は、建設現場のあらゆる情報をICTで繋ぎ、安全で生産性の高い「未来の現場」を実現するソリューション事業「スマートコンストラクション」の販売での導入を昨年4月より開始している。コマツのスマートコンストラクションは、国土交通省の「i-Construction」に対応するもの。

 この建機はコマツ製ICT油圧ショベルの20トン、12トンに続く、30トンクラスへの系列拡大商品。PC300/PC300LC-11同様、特定特殊自動車排出ガス2014年基準の排出ガス規制をクリアした新世代エンジン、KomVision(機械周囲カメラシステム)、オートアイドルストップ機能、ロックレバー自動ロック機能などを標準搭載した最新鋭の油圧ショベル。

 また、コマツICT油圧ショベルはNETISの有用な新技術(活用促進技術)にも指定されている。

セコ・ツールズ 使用済み刃先検出機能を備えた安定性の高い TP3501 新材種が加わる

 セコ・ツールズの Duratomic 技術ベース TP 材種シリーズに、最適の安全性を 実現する TP3501材種 が加わった。この新材種は、激しい断続や、低い加工安定性、小さい径の内径加工または部品サイズや形状のため、設定が不安定な鋼の旋削用途に最適。

 従来の TP2501、TP1501、TP0501 に TP3501 が加わり、鋼旋削用の充実した材種ラインアップが完成した。この材種には最新の Duratomic 技術ベースのコーティングが採用されており、安定して優れた性能を発揮する。2007 年に同社が導入した際、この技術は業界で初めて集合組織化を採用した a ベースの Al2O3 コーティングだった。Duratomic 技術はコーティング成分を原子レベルで操作して、機械的特性と熱特性を改善する。また、靭性と硬度を巧みなバランスで達成し、性能をさらに高めることができる。

 この新しい TP 材種には、セコ・ツールズの使用済み刃先検出機能が採用され、高性能チップに関する広範な経験とあらゆる切れ刃に関する知識が集約されている。クロム使用済み刃先検出機能により、使用済みの刃先を瞬時に識別するため、潜在的な無駄を低減する。包括的な TP3501 シリーズには、幅広く適用できる M6 をはじめ、様々な形状のチップを約 400 種取り揃えている。

極東マシンツールが最新型の工具折損検出装置「FEM-CLS/EHS」の発売を開始

 工作機械・切削工具・チャッキングツール・測定器類の輸出入及び製造販売を行っている極東マシーンツールが、このほど最新型の「工具折損検出装置」を発売した。
ステッピングモータ、ギア・カップリングレス構造を採用することで、装置の長寿命化を実現し、生産性の向上を図る。センシングヘッドの交換スパンが長くなり、製造部品の生産効率向上、センシングヘッドの購入費用軽減による、コスト削減効果が期待できる。

 特長は、①サイズが小さい、②コントロールユニットの簡易設定、③物理的な接触検出、④シンプルな制御回路、⑤角度・速度の設定を任意に設定可能でコストの削減、⑥ギア・カップリングレス構造、⑦防水シール交換可能。

日工会が「CIMT 2017」(中国・北京)概況報告

 日本工作機械工業会がこのほど、4月17日~22日までの6日間に開催された「CIMT 2017」(The 15Th China International Machine Tool Show、第15 回中国国際工作機械展覧会、主催=CMTBA[中国工作機械工具工業協会])の概況をまとめた。



展示会概況

中国メーカーの出展機
中国メーカーの出展機
(1)出展機動向
 ① 中国からは、ロボット及びローダを使用した自動化に関する出展が多々見られ、5 軸制御MC やコンパクトなMC の出展も増加した印象。
 ② IoT 関連や切削加工と積層造形との融合機は、一部メーカーを除き殆ど見られず。
 ③ 欧米メーカーは、西館にパビリオンを設け、5 軸加工機など各国の先端的技術を前面にアピール。

(2)業界関係者ヒヤリング
 ① 内陸部に雇用が創出され、出稼ぎ労働者が減少したため、製造現場では労働力不足が深刻化。品質確保とも相まって、自動化・無人化のニーズが高まり、ロボット導入の機運が非常に活発。
 ② 中期ビジョン「中国製造2025」(2015 年5 月に国務院通達)の下、国を挙げて製造業の自動化を推進中。一例として、中国政府は、自動化を進める製造業者に対し、中国ブランド(SIASUN 等)であることを条件に、ロボット導入費の半額を補助。
 ③ ロボット需要の高まりを受けて、減速機などロボットの部品加工向けの工作機械投資も活発化。KUKA の上海工場も生産能力を拡張する計画の由。
 ④ シャオミー等現地スマートフォンメーカーの設備投資が旺盛。加工方法は、台湾系先発メーカーが確立した小型MC による削り出しをそっくり導入しており、同タイプのMC 需要が大幅に拡大。
 ⑤ 中国製工作機械のデザイン性が向上。この背景には、カバーのデザインを専門とする外注会社(今回のCIMT にも出展)の存在が大きい。
 ⑥ 欧州メーカーによる5 軸機の中国生産が活発化。あるドイツメーカーは今回のCIMT で堂々と5 軸機の現地生産を進めると表明。

中国工作機械・工具産業の業況と見通し概要(参考:CMTBA)

 (1)2016 年後半、特に第4 四半期以降、中国の工作機械消費市場と経済状況は安定と回復の兆し。工作機械需要は安定基調、同生産は回復中、景気指数は持ち直し。
 (2)2016 年の工作機械消費額(切削+成形)は、前年と同程度の275 億ドル(国内使用200 億ドル+輸入75 億ドル)。このうち切削型は同▲4.1%の164億ドル(国内使用103 億ドル+輸入61 億ドル)、成形型は同+6.7%の111 億ドル(国内使用97 億ドル+輸入14 億ドル)。
 (3)2016 年の各主要景気指数は総じて50.0 超と、前年を上回った。生産分野では、切削型工作機械は53.9、成形型工作機械は61.8。
 (4)2017 年第1 四半期における製造業のマーケットと経済状況は、前年の第4 四半期からの上昇基調を継続。春節後、市場の取引状況は明らかに活発化。企業経営も回復調子。2017 年の製造業のマーケットと経済見通しについては慎重ながらも楽観的(Cautiously optimistic)。
 (5)中国経済は、2017 年第1 四半期のGDP 成長率が前年同期比+6.9%と、回復中。2017 年3 月における中国製造業の「購買担当者景気指数」(PMI)が2 カ月連続増加の51.8%となるなど、産業部門の回復が特に目覚ましい。グローバル経済も回復兆候を強めている。欧米経済は昨年よりも力強い。供給サイドの抜本的な構造改革に取り組んだ中国では、根深い構造的不均衡の解消が目に見え始めてきた。市場の期待も引き続き向上。今後も実体経済の回復が続く模様。なお、中国の2017 年第1 四半期の工業生産額(付加価値ベース)は前年同期比+6.8%、固定資産投資(都市部)は同+9.2%。

2017年3月分工作機械受注総額は1,427.0億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2017年3月分の受注実績は以下の通り。2017年3月分工作機械受注総額は、1427.0億円(前月比+28.3% 前年同月比+22.8%)となった。受注総額は24カ月連続の1,400億円超。過去3番目の高水準。期末効果とアジアのスポット受注が増加に寄与(過去最高額15年3月:1,473.8億円)。 内需は524.6億円(前月比+29.4% 前年同月比+2.3%)で、8カ月ぶりの500億円超。リーマンショック以降で5番目の高水準。期末効果とものづくり補助金採択後の動きにより増加(リーマンショック以降の最高額15年6月:603.0億円)。 外需は902.4億円(前月比27.7% 前年同月比+39.0%)で、24カ月ぶりの900億円超。過去4番目の高水準(過去最高額14年12月:961.0億円)。主要3極はすべて前月比増加で、特にアジアの増加幅が拡大。 国内外ともに慎重さが見られるが、回復に向けた動きが継続。今後のEMS特需の動向や各種政策に関連する動きを注視。

3月分内需

524.6億円(前月比+29.4% 前年同月比+2.3%)。・8カ月ぶりの500億円超。・前月比2カ月連続増加。前年同月比は2カ月連続増加。・主要4業種で前年同月比増加は自動車のみ。依然慎重な動きが継続。① 一般機械  205.3億円(前月比+20.7% 前年同月比△1.6%)   うち金型   24.5億円(前月比+4.5% 前年同月比△28.7%)② 自動車   179.5億円(前月比+61.4% 前年同月比+17.6%)   うち部品   130.1億円(前月比+53.5% 前年同月比+27.5%)③ 電気・精密 45.8億円(前月比+15.6% 前年同月比△10.3%)④ 航空機・造船・搬送用機械 23.7億円(前月比+30.5% 前年同月比△15.9%) 

3月分外需

902.4億円(前月比+27.7% 前年同月比+39.0%)・24カ月ぶりの900億円超。・前月比5カ月連続増加、前年同月比4カ月連続増加。・主要3極はすべて前月比増加。特に中国の増加が寄与。①ア ジ ア:504.4億円(前月比+50.7% 前年同月比+98.9%)・東アジア:420.8億円(前月比+50.5% 前年同月比+121.6%)〈韓国〉33.5億円(前月比+14.5% 前年同月比△2.6%)〈中 国〉367.0億円(前月比+54.6% 前年同月比+170.8%)・その他アジア83.6億円(前月比+52.0% 前年同月比+31.2%)〈タ  イ〉23.8億円(前月比+55.0% 前年同月比+21.5%)〈イ ン ド〉23.1億円(前月比+37.4% 前年同月比+24.0%)②欧 州:155.5億円(前月比+1.0% 前年同月比△2.2%)〈ド イ ツ〉42.9億円(前月比+3.0% 前年同月比+13.9%)③北   米:223.8億円(前月比+7.8% 前年同月比△2.4%)〈アメリカ〉202.8億円(前月比+12.3% 前年同月比+1.3%)〈メキシコ〉 12.5億円(前月比△21.1% 前年同月比△28.2%)

ロボット統計受注・生産・出荷実績(2017年1~3月期)

 ロボット工業会がまとめた2017年1~3月期のロボット統計受注・生産・出荷実績は次のとおり。受注 受注台数は、対前年同期⽐+29.3%の49,178 台となり、6四半期連続でプラス成⻑。また、前期をさらに更新し、四半期ベースで過去最⾼値となった。受注額は、同+32.6%の1,762 億円と3四半期連続でプラス成⻑となった。生産 ⽣産台数は、対前年同期⽐+28.5%の47,438 台となり、15四半期連続でプラス成⻑。また、前期をさらに更新して、四半期ベースの過去最⾼値となった。 ⽣産額では、同+13.7%の1,580億円となり、3四半期連続でプラス成⻑となった。 昨年2016 年(会員+⾮会員)の年間⽣産額(出荷額)は、引き続き国内での需要増に加え、⽶国での更なる景気拡⼤と製造業回帰による堅調な伸び、中国での減速経済の中にあっても⾼い⾃動化投資意欲、さらに欧⽶におけるインダストリー4.0 などIoT を通じた産業⽤ロボットへの関⼼の⾼まりなどがあり、対前年⽐3%増の7,000 億円超となる⾒込みである。 また、2017年は、2017 年は、対前年⽐7%増の7,500 億円と過去最⾼値を目標に見据えている。現状のように為替が安定すれば、世界的な設備投資増加と⼈⼿不⾜の解消にロボット導⼊が不可⽋である状況からロボット需要は益々⾼まると⾒られる。出荷 国内は年間を通じて好調で、2015年2月以降は100 億円を下回る出荷⽉はなく、26 ヶ⽉連続で100 億円を上回っている。⾃動⾞産業向けの下支えだけでなく、今年は電気機械産業向けも伸長している。海外市場は、欧州向けで伸び悩みが⾒られたが、中国向けは回復した。 総出荷台数は、対前年同期⽐+26.7%の46,952台と、15四半期連続のプラス成⻑となった。また、前期をさらに更新して過去最⾼値となった。 総出荷額では、同+16.2%の1,605億円となり、3四半期連続でプラス成⻑となった。 国内出荷台数は、同△0.4%の10,289台、2013(平成25)年7~9月期以来となる14四半期ぶりにマイナスとなった。 国内出荷額は、同+0.9%の485億円となり、14四半期連続のプラス成長となった。 輸出台数は、同+37.2%の36,663台となり、15四半期連続でプラス成⻑になるとともに、前期を超えて過去最⾼値となった。 輸出額では、同+35.1%の1,121 億円となり、2四半期連続でプラス成長となり、2007(平成19)年4~6月期を超え、過去最高値となった。国内出荷内訳 ⾃動⾞産業向けは、対前年同期⽐△10.8%の3,698台となり、6四半期ぶりにマイナスに転じた。出荷額は、同△9.3%の159億円となり、7四半期ぶりにマイナスに転じた。 電気機械産業向けは、対前年同期⽐で、+18.4%の2,897台となり、出荷額は、同+11.2%の140億円で、ともに2四半期ぶりにプラスに転じた。半導体⽤(ウェハ搬送)が伸びている。輸出内訳 溶接⽤は、対前年同期⽐で+11.3%の8,966台となり、6四半期ぶりにプラスに転じた。出荷額は、同+10.1%の230億円となり、5四半期ぶりにプラスに転じた。欧米向けが伸び悩む中、中国向けが回復した。 電⼦部品実装⽤は、同+27.1%の2,363台となり、3四半期連続でプラス成長となった。出荷額は、同+23.1%の366 億円となり、2四半期連続でプラス成長となった。電機向けの主要⽤途である電⼦部品実装⽤は、中国向けの回復によって需要は増加した。これは来期以降も好調を維持すると見込まれる。

日本マイクロソフトが小柳建設と「Holostruction」の推進で連携 建設業の施工検査の効率化を目指す


(写真左=平野拓也 日本マイクロソフト社長、右=小柳卓蔵 小柳建設社長)

 日本マイクロソフト(社長=平野拓也氏、本社:東京都港区)と小柳建設(社長=小柳卓蔵氏、本社:新潟県三条市)は、4月20日、Windows 10 を搭載した世界初の自己完結型ホログラフィック コンピューター「Microsoft HoloLens(マイクロソフト ホロレンズ)」を活用したプロジェクト「Holostruction(ホロストラクション)」の推進において連携すると発表した。

 現在、建設業界は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックや、2027年開業予定のリニアモーターカーなどによる需要の高まりと、高齢化に伴う労働力人口の減少から、技能労働者の不足が深刻化し、生産性の向上が課題とされており、政府主導による「i-Construction」が推進されるなど、建設事業者にとって、様々な課題や新しい規格などへの対応が求められている。

 日本マイクロソフトが本年1月から国内の法人と開発者向けに提供開始した「HoloLens」は、目の前の現実世界の中に、3Dの仮想物体であるホログラフィックを重ねて表示させることで、現実世界と仮想世界を複合させ、それぞれの長所を活かした「Mixed Reality」(複合現実)を実現する新しいデバイス。

 小柳建設は、1945年の創業以来、土木事業、建築事業、自社開発の浚渫事業を軸に、総合建設業として地域社会の成長発展に貢献してきた企業。今回、日本マイクロソフトと連携し、建設業における計画・工事・検査の効率化、および、アフターメンテナンスのトレーサビリティを可視化するコンセプトモデルを開発したが、今後も継続的に開発を行い、将来的な実用化に向けて取り組んでいく。なお、業務生産性とトレーサビリティの向上を目指して「HoloLens」を活用するのは、建設事業者としては国内初となる。

 VR(Virtual Reality)デバイスと異なり、現実世界が見えている状態のまま、ホログラフィックも見えて操作でき、音声やビデオを使って遠隔地の同僚と、同じ複合現実の世界を共有しながらオンライン会議もできることから、小柳建設では、国内での発売前から、「HoloLens」を活用することで、建設事業者の様々な課題の解消や軽減を実現できるものと考え、マイクロソフトがグローバルで提供する 「HoloLens」 の開発プログラムをマイクロソフト コーポレーション(本社:米国ワシントン州レドモンド)と締結することで、マイクロソフト コーポレーション、および、日本マイクロソフトのコンサルティングサービスと連携してコンセプトモデルを開発してきた。

 平野 日本マイクロソフト社長は会見の席上で、「HoloLensは現在日本を含む9カ国で提供されており、多くの開発者の支持を得ている。すでにWindowsストアにおいては、150を超えるアプリケーションがダウンロードできる状態。特に日本においては今年の1月に開発者、並びに法人向けに販売を開始した。すでにHoloLensを着用した数十名の開発者が集まって連日勉強会をしてみたり、幅広い業種の方がビジネスでどのように活用できるのかと検討されたり、われわれの想像を超えるような反響と盛り上がりを見せている」と述べた。

HoloLensを活用した小柳建設コンセプトモデルについて

参考画像
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 業務トレーサビリティを確保する仕組みを開発し、計画、工事、検査、アフターメンテナンスの全てを表現するツールとしての活用と、政府が推進するi-Constructionを後押しできることを目指している。建設現場では、検査員の不足や負担が喫緊の課題とされており、小柳建設では、BIM/CIMデータを活用した、直感的な新しい検査基準の検討、検査文書の作成負担を軽減する試行策に取り組んでいる。今回のコンセプトモデルでは、設計図を3Dで可視化しつつ、検査に必要なデータや文書も一緒に格納し、必要な時にすぐ表示できる仕組みを開発している。

 建設現場では、物理的に行き来が難しい場所や危険な場所もあるが、「HoloLens」を活用することで、場所にとらわれずに現場の状況を確認したり、遠隔地の人と視界を共有することができるため、工事の安全やコミュニケーションの迅速化にも貢献する。今回のコンセプトモデルでは、3Dグラフィックで「HoloLens」に映し出される図面や現場視界を共有する機能、実物大の1/1スケールで実際にその場にいるかのような体験、建設重機や作業員の配置を計画段階からシミュレーションする機能も開発している。

三菱マテリアルが2商品を新発売

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)は、このほどハイスミーリングシャンクドリルの「バイオレット高精度ドリルシリーズ」として「VAPDJ」と、複合材加工用超硬ソリッドドリル 「MCシリーズ」の販売を開始した。

ハイスミーリングシャンクドリル「VAPDJ」

 ハイスミーリングシャンクドリル「バイオレット高精度ドリルシリーズ」は安定した穴径が得られるとして高い評価を博しているが、新たに発売する「VAPDJ」は、剛性と切りくず排出性を両立させる独自溝形状を採用し、深穴の高精度加工と寿命を向上させたドリル。
主な特長は、以下の通り。

 ① 独自の高剛性溝断面形状を採用することで心厚を最適化し、さらに溝後端部のチップポケットを大きくすることで、工具剛性と切りくず排出性の両立を実現。
 ② 溝部を平滑化することで切りくず排出性を向上させ、ドリル直径の10倍の穴深さもノンステップで加工が可能。
 ③ TiNコーティング品と比較し2~3倍程度の長寿命を実現するバイオレットコーティングを採用。

型  番:ドリル直径Φ1.0mm~Φ10.0mm 66型番
標準価格: 2,200円~17,000円
・(代表型番)VAPDJD0100:2,500円
・VAPDJD0200:2,200円
・VAPDJD0960:17,000円
・VAPDJD1000:12,500円
(いずれも税抜価格)

複合材加工用超硬ソリッドドリル“MCシリーズ”を発売

 航空機産業、自動車産業で需要が急増しているCFRP(炭素繊維強化プラスチック)は炭素繊維と樹脂の複合材であり、特に航空機産業ではCFRPとアルミニウム合金やチタン合金を重ねた被削材の切削加工において、安定的かつ効率的な加工が要求されるうえ、CNC工作機械やハンドツールなど、ユーザーの使用機械に合わせたドリルが必要となっている。

 こうしたこととを受け、同社ではCFRPのさまざまな加工に対応する複合材加工用超硬ソリッドドリル “MCシリーズ”6種類を同時に発売するに至った。
主な特長は、以下の通り。

 ①  CFRP単体専用の「MCC」は先端角を90°にし切削抵抗を低減することで、加工残しの無い良好な穴品質を実現。
 ②  CFRPとアルミニウム合金を重ねた被削材専用の「MCA」は、切りくずを包み込むような専用溝設計により、切りくずが穴壁面に接触することを防止し穴加工の隙間や段差を抑制。
 ③ CFRPとチタン合金を重ねた被削材専用の「MCT」は、切削熱を抑制するシャープな切れ刃にすることで切れ味が向上し高品質な穴加工を実現。
 ④ 高精度穴加工専用の「MCW」は切れ刃にV字の溝を持つ独自設計により、外周で生成される切りくずをコントロールし、加工穴径の隙間や段差の抑制と加工穴出口のバリを抑制。
 ⑤ CFRP単体専用「MCCH」は、ハンドツールに対応すべく靭性を高めた専用超硬材種の採用により突発的な折損を防止し、切れ刃の切削抵抗を低減することで信頼性の高い穴加工を実現。
 ⑥ CFRPとアルミニウム合金を重ねた被削材専用の「MCAH」は、ハンドツールに対応すべく靭性を高めた専用超硬材種の採用により突発的な折損を防止し、溝形状を最適化することで切りくず分断性と排出性を両立。

型  番:「MCC」5型番、「MCA」2型番、「MCT」2型番、「MCW」4型番、「MCCH」6型番、「MCAH」6型番

標準価格:17,500円~83,000円
・(代表型番)MCC0638X03S080 DD2105:52,000円
・MCA0638X05S070 DD2110 :54,000円
・MCT0638X05S070 TF15:18,000円
・MCW0638X05S070 DD2110:56,000円
・MCW0638X05S070 HTi10:22,000円
・MCCH0638X03S070 DT2030:37,000円
・MCAH0638X05S070 DT2030:21,000円
(いずれも税抜価格)