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「i-Constructionで業界共通課題の解決に努めていく」日本建設機械工業会が賀詞交歓会を開く

 日本建設機械工業会(会長=辻本雄一氏)が1月11日、都内のグランドハイアット東京で賀詞交歓会を開催した。あいさつに立った辻本会長は、「昨年は様々な出来事があった。UKがEUから脱したり、米国では次期大統領が決まったりと、そのたびに為替が大きく振れた。まだまだ厳しい状態が続いているが、インド、中国、東南アジアでは回復の兆しが見られ、明かりが現時点では見えてきたのではないかと感じている。こうした中、昨年は国内外で多数の自然災害が発生し、各地で大きな被害が出た。被災地の復興においては、機械の供給や保守・メンテナンス等様々な役割が期待されている。われわれも社会基盤の維持や整備への貢献を最優先に対応していく。今年も米国の新政権の動向等先行き不透明な状況は続くと予想されているが、われわれ業界を取り巻く環境も変化していくものと考える。このような中、当工業会では持続可能な社会の実現に向け、環境、省エネルギー、安全といった社会的要請に積極的に取り組むとともに情報通信技術をはじめとする様々な最新技術の導入を推進し、より高品質で利便性の高い製品やサービスの提供につとめ、ひいては安心・安全な建設施工に貢献していく。特に昨年度からは国交省を中心として推進しているi-Construction(アイ コントラクション)に関して建設機械メーカーの立場から普及促進に際して業界共通課題の解決に努めていく所存である」と述べた。

 続いて来賓を代表して、糟谷敏秀 経済産業省製造産業局長が、「世界経済は緩やかに回復をしていくと考えており、住宅の着工やインフラ投資の増加を通じて建設機械の需要が上向いて欲しいと強く思っている。建設機械業界は担い手の高齢化や人口減少に伴う労働人口の不足が課題となっているが、そうした状況の中、生産性向上によってこうした課題を乗り越えていくということが大事である。建設機械業界においては従来からi-Construction等ITを活用した建設機械の高度化に取り組んでいただいている。昨年国交省で直轄の公共事業について自主方針を定められたことを受けてi-Constructionの市場拡大が今後さらに加速していくのではないか、と期待している」とあいさつをした。

「足元の経済状況は悪くない」NaITOが賀詞交歓会を開く

 NaITO(社長=坂井俊司氏)が1月6日、東京・京王プラザホテルで新春賀詞交歓会を開催した。

 新年のあいさつに立った坂井社長は、「今年のスタートは昨年末からの円安、株高の曲面で迎えることができた。昨年より少し明るい状況ではないかと思っている。1月20日の米国トランプ次期大統領就任後の外交や通商に不安はあるが少なくとも足元の経済状況は悪くない。米国国内の製造業を回帰させよう、産業構造を変えて雇用を創出する動きは米国の景気の上昇、ひいては世界経済に良い影響を与えるのではないか。こうした状況の中で弊社は中期経営計画“信鮮力2016”を終えようとしている。今年からは新たに2020年までの4年間の中期経営計画を策定中である。」とあいさつし、今後のビジネススタンスについてスライドを見せながら説明をした。

 それによると第三四半期の損益状況は、売上高前年同期比▲0.9%の324億2200万円、経常利益は▲14.4%の5億3400万円となった。通期業績予想は売上げ高431億円、経常利益6億9000万円としている。

 2014年度の活動報告の中で、坂井社長は、専門力の強化を挙げ、商品知識、レスポンス、対応面で独自の特長を持ち、取引先の信頼を得た。具体的には①専門販売員研修、商品知識研修の実施、②専門力発揮の場として商品セミナーを積極展開、③産業用多関節ロボットのデモ機を購入、得意先の展示会、ユーザーでの実演PRを実施した。また、地域密着、対面営業についても、市場に基づいた提案、きめ細やかなサービスを提供した。また、情報発信機能の強化についても“バリ新戦力(信鮮力)”未来のヒントはここにある”をテーマにJIMTOFへ出展したことを報告した。
海外展開については、海外岡谷鋼機メカトロ部との協業について、岡谷USAへ出張ベースでセールスを派遣した。(備はメカトロ部、消耗品はNaITOが受注)。海外拠点(インドネシア)への社員が出向し、インド・インドネシア地域では新規顧客の開拓に注力した。また、支店長の短期海外研修も行った。
 
 2017年度方針として、①専門力強化、②地域密着、対面営業、③情報発信機能の強化、④積極的な海外展開を挙げた。

 石井 健 京セラ 取締役機械工具事業本部長が乾杯の発声を行い、宴もたけなわの頃、散会した。

DMG森精機が創業地・本店所在地の奈良大和郡山市で「DMG MORIやまと郡山城ホールのオープニングセレモニー」を開催

 DMG森精機(社長=森雅彦氏)が、ネーミングライツを取得した「やまと郡山城ホール」が、本年1月1日より「DMG MORIやまと郡山城ホール」として名称が新しくなったことを記念し、1月5日にオープニングセレモニーに出席した。

 玉井宏明DMG森精機 副社長と佐藤壽雄 同常勤監査役、上田清 大和郡山市長、遊田直秋 大和郡山市議会議長の4名によるテープカットが行われた。

 上田市長は、「市民一人一人が舞台に立てるホールとして、今後もパートナーであるDMG森精機と協力し、上質な文化を発信していきたい。また、提言を受けている美しい街づくりについても推進したい」とあいさつをした。郡山南幼稚園の園児によるお祝いの演奏が披露されるなど、地域の方に親しまれているホールであることを象徴するオープニングセレモニーとなった。

 同社では、「今回のネーミングライツ取得により、DMG MORIやまと郡山城ホール設備の維持・向上の一助となり、さらに地域の方に愛され、さまざまな文化が発信されることを期待しております。今後もDMG森精機は、地域社会への貢献および連携を継続してまいります」としている。

◆ネーミングライツ概要

愛称 : DMG MORI やまと郡山城ホール
金額 : 合計100,000,000円 (年額 10,000,000円)
期間 : 2017年1月 1日から10年間
経緯 : DMG森精機は1948年(当時:株式会社森精機製作所)に、大和郡山市に創業。奈良第1工場やグローバルパーツセンタなどの重要拠点を配置し、約600名で事業を行う。奈良県及び大和郡山市で、地域との連携を深め貢献していきたいとの考えから、今回のネーミングライツ取得に至る。

不二越新社長に薄田賢二氏が内定

 不二越(社長=本間博夫氏)が、このほど開催した取締役会で薄田賢二常務の社長昇任を内定した。2月22日開催の定時株主総会後の取締役会で正式に決定する予定。

薄田賢二(すすきだけんじ)氏

 昭和30年1月生まれ。
 同52年4月 不二越入社、平成17年7月 経営企画部長、同22年2月取締役経営企画部長、同26年2月 常務取締役経営企画部長 コンプライアンス推進担当 法務担当。

タンガロイが超多刃PCDフライスカッタ「TungSpeed-Mill」(タングスピード・ミル)を新発売

 タンガロイ(社長=木下聡氏)は、このほど、多結晶焼結体ダイヤモンド(PCD)インサートを使用した超多刃フライスカッタ、“TungSpeed-Mill”(タングスピード・ミル)の発売を開始した。

 縦置きインサートを採用した超多刃PCDフライスカッタ「TungSpeed-Mill」は、超多刃のカッタである。インサートは、カッタの径方向からネジによってクランプされる設計であり、従来の仕様に比べインサート座がコンパクトとなることから、カッタの超多刃化を可能にした。そのため、非常に高いテーブル送り速度で加工が可能であり、同社が提唱する、「倍速切削」を実現する工具の一つである。

 インサートは、1コーナタイプ、2コーナタイプ、長切れ刃タイプの3種類を標準設定し、非鉄金属の粗加工から仕上げまで幅広く対応する。

 ボディには、正面振れ調整機構が組み込まれており、優れた加工面を実現する。工具径の標準ラインナップは、シャンクタイプがφ25mmとφ32mm、ボアタイプがφ50~φ125mmが設定されている。また、アーバ一体型等の特殊形状カッタも製作可能である。

特長
① 超多刃仕様のPCDカッタで、非鉄金属の高能率加工に最適。
② ボディには軸方向の振れ調整機構が組み込まれており、仕上げ加工にも対応。
③ 多様なインサート形状を標準設定しており、多様な用途に対応。
④ アルミと鋼のハイブリット設計でボディの軽量化を実現。

主な形番と標準価格
■ボディ
・TPYP12M063B22.0R1071,000円(税込み76,680円)
・TPYP12J100B31.7R16154,600円(税込み166,968円)

■インサート
・YPEB12X3-1A01R-DDX1608,030円(税込み8,673円)
・YPEB12X3-2A01R-DDX16013,200円(税込み14,256円)
・YPEB12X3-FP02R-DDX16011,800円(税込み12,744円)
 全アイテム:ボディ10形番インサート11形番

【年頭所感】「グローバルな競争力向上を目指す」 日本歯車工業会 会長 澤田 豊

 平成29年の新春を迎え、謹んでお喜びを申し上げます。
最近の景気動向ですが、世界経済の好転を想定した株高・円安が進み、また、原油価格の上昇に伴う歯車需要も見込まれ、穏やかな景気回復基調は当面続くものと思われます。 
一方、中長期的には、グローバルリズムの大きな流れの変化の中で、自国優先政策へどの様に対応して行くかが重要になってくるものと思います。当工業会としましては、グローバルな競争力向上を目指し、次の3点をキーに事業展開して行きたいと考えます。

 まず最初に、新しい技術の創出と応用です。技術的に完成していると見られていた歯車分野ですが、今、大きな変化点を迎えています。それは、加工法の進化により汎用機で歯車加工が可能になったこと。また、高速3次元計測により、出来栄えが速く正確に解る様になった事が契機です。これらにより、従来加工できなかった歯車が加工できるだけでなく、生産性、品質の画期的向上が図れ、生産ラインの姿が変わっていくものと思います。

 次に、現場力の向上です。歯車加工は現場のノウハウで成り立っています。データ化すべき所は上記で進めますが、商品を差別化するノウハウは競争力そのものです。これらノウハウの蓄積とレベルアップを「困り事相談」として支援して参ります。

 三つ目は人材育成です。当工業会は、ギヤカレッジと言うトップレベルの講師陣と豊富な実習を有する他に類を見ない教育システムを九州大学より受け継いでおります。これを永続させ発展させることが、将来に渡り競争力を高める根幹と考え、力を注いでまいります。

 機械工業の要素部品である歯車は、今後も、商品の信頼性と出来栄えを制する重要部品でありつづけると思います。当工業会はグローバルに競争力のある歯車を提供していく、と同時に、会員企業にとって魅力を実感できる工業会にしていきたい。関係各位のご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。おわりに、皆様にとって良い年になりますよう祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。

2016年12月分工作機械受注総額は1,118.8億円 日工会 

日本工作機械工業会がこのほどまとめた2016年12月分の受注実績は以下の通り。2016年12月分工作機械受注総額は、1,118.8億円(前月比+3.7% 前年同月比+4.4%)となった。受注総額は9カ月ぶりの1,100億円超。JIMTOFのフォローアップや、年末の欧米地域の受注増が寄与し、17カ月ぶりの前年同月比増加。内需は459.8億円(前月比+2.3% 前年同月比+8.0%)で、3カ月ブリの450億円超。JIMTOFのフォローアップ効果もあり、11カ月ぶりの前年同月比増加。外需は659.0億円(前月比+4.7% 前年同月比+2.0%)で、主要3極はすべて前月比増加し、7カ月ぶりの650億円超。前年同月比は19カ月ぶりの増加。海外経済の先行き懸念により国内外ともに慎重な動きが継続。12月は増加するも、為替動向や各種政策に関連する動きを注視。

12月分内需

459.8億円(前月比+2.3% 前年同月比+8.0%)。・3カ月ぶりの450億円超。7カ月連続の400億円超。・前月比2カ月連続増加。前年同月比は11カ月ぶり増加。・JIMTOFのフォローアップや、年度内(3月末)納入に向けた受注増が寄与。① 一般機械  173.2億円(前月比+4.2% 前年同月比+15.4%)  うち金型   27.3億円(前月比+30.1% 前年同月比+39.5%)② 自動車   160.9億円(前月比△3.4% 前年同月比+6.7%)  うち部品   107.3億円(前月比△0.1% 前年同月比△0.6%)③ 電気・精密 53.3億円(前月比+38.8% 前年同月比+49.5%)④ 航空機・造船・搬送用機械 13.5億円(前月比△37.1% 前年同月比△40.4%) 

12月分外需

659.0億円(前月比+4.7% 前年同月比+2.0%)・2カ月連続の600億円超及び7カ月ぶりの650億円超で本年最高額。・前月比2カ月連続増加、前年同月比19カ月ぶり増加。・前月のブラジルのスポット受注が剥落したものの、外需総額は前月比増加。①ア ジ ア:269.3億円(前月比+17.0% 前年同月比+2.0%)・東アジア:210.1億円(前月比+9.7% 前年同月比△3.1%)〈中 国〉153.3億円(前月比△0.6% 前年同月比△5.9%)・その他アジア59.2億円(前月比+53.1% 前年同月比+25.4%)〈タ  イ〉23.9億円(前月比+153.9% 前年同月比+141.6%)〈イ ン ド〉13.9億円(前月比+44.6% 前年同月比Δ40.8%)②欧 州:179.0億円(前月比+12.9% 前年同月比+22.7%)〈ド イ ツ〉34.6億円(前月比△25.2% 前年同月比△4.5%)  〈フランス〉27.3億円(前月比+18.4% 前年同月比+57.2)③北   米:199.7億円(前月比+14.8% 前年同月比△10.2%)〈アメリカ〉176.5億円(前月比+14.9% 前年同月比△10.0%)〈メキシコ〉 14.9億円(前月比+75.7% 前年同月比△1.5%)

〈年頭所感〉経済産業省製造産業局産業機械課/日本産業機械工業会

日本経済の未来を切り開く重要な鍵は「第4次産業革命」
●経済産業省 製造産業局 産業機械課長 片岡隆一

 平成29年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 安倍政権発足以来、4年間にわたるアベノミクスにより日本経済は着実な回復を遂げております。回り始めた経済の好循環を持続的な経済成長に結びつけ、「戦後最大の名目GDP600兆円」の実現を目指すべく、政府は昨年6月に、「日本再興戦略2016」を決定いたしました。本戦略では、①新たな「有望成長市場」の戦略的創出、②人口減少に伴う供給制約や人手不足を克服する「生産性革命」、③新たな産業構造を支える「人材強化」の3つの課題に向けて、更なる改革に取り組んでいくことを宣言しております。
 
 上記課題へ対応し、日本経済の未来を切り開く重要な鍵となるのが、「第4次産業革命」と呼ばれる革新的技術の創出とその活用です。ロボット、IoT、人工知能、ビッグデータなどの革新的技術を活用することにより、様々な分野で新しいビジネスモデルが登場し、これまで想像もつかなかったような商品やサービスが生み出されます。「第4次産業革命」においては、こうした新たな価値の提供が拡大することに加え、人手不足や環境といった社会的課題への対応も進展することで、潜在需要が飛躍的に開花します。さらに、革新的技術を最大限に活用することにより、人口減少社会での供給制約を克服する「生産性革命」の実現が期待されます。
 
 我が国経済を支える製造業においても、多くの企業、とりわけ中堅・中小企業が、少子高齢化に伴う働き手不足や、投資の伸び悩み等の課題に直面しております。「第4次産業革命」によりそれら課題に対応し、技術革新による果実を我が国全体に拡げていくため、経済産業省としても、現場のニーズを把握し、企業におけるITやロボット導入の動きを最大限にサポートすべく施策を実施しております。例えば、ロボット分野では、汎用的な用途に活用できるプラットフォームロボットの開発や、企業に働きかけ最適な生産ラインの設計及びロボット導入を提案するロボットシステムインテグレータの育成等の事業により、中堅・中小企業を含むあらゆる企業が、より容易にロボットを導入できるようにしていきます。

 産業機械産業は日本の製造産業の根幹を支えるものであり、我が国経済及び国民生活を広く支えております。まさに我が国産業の重要な土台とも言うべき産業機械産業に様々な形で関与され、それぞれの業種、産業における最新の技術動向を持ち寄り、情報共有やさらなる技術革新に向けた議論をなさっているという点で、皆様はユニークかつ大変貴重な   
存在であると実感しております。「第4次産業革命」の最中、既存の組織や伝統的な業種の枠を越えたビジネスモデルの創出が目指されるところ、皆様の御活動の中から新たなアイディアやイノベーションが産み出されることを期待しております。

 産業機械課としても、これからも皆様の生の声を聞き、それを政策に反映させていきたいと考えておりますので、ご提案やお困り事ございましたら、是非とも気軽にお声を掛けてください。

 最後になりましたが、本年が皆様方にとってさらなる飛躍の年となりますように祈念いたしまして、新年の挨拶と代えさせていただきます。

「豊かで活力あふれる経済社会に向けて」
●日本産業機械工業会 会長 佃 和夫

 2017年を迎えるに当たり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 皆様には、気持も新たに新年を迎えられたことと思います。
 
 昨年を振り返りますと、国内景気については7~9月期のGDPが3期連続のプラス成長となるなど緩やかな回復が続いたものの、消費や投資の拡大には及ばず、力強さを取り戻すまでには至りませんでした。
 
 世界を見ますと、英国のEU離脱の選択、中国の鉄鋼過剰生産、資源価格の低迷等経済の不安定要因が拡大し、ブラジル大統領選の罷免、韓国大統領の弾劾訴追、イタリア首相の交代、トランプ米次期大統領の選出等主要国リーダーの交代等不確実性を高めるような出来事が多かったように思えます。
 
 こうした中、我々産業機械業界の2016年度上半期の受注は、国内外ともに前年同期を下回り、上半期としては2年連続でマイナスとなりました。内需は官公需が下支えしたものの民需が振るわず、外需は4年ぶりに8,000億円を下回るなど、厳しい受注環境が続きました。

 今年は、わが国が一層の景気回復と経済再生を実現し、デフレ脱却に向け大きな一歩を踏み出すための、極めて重要な1年になると思われます。あらゆる政策や手立てを総動員することにより、経済成長の原動力である企業と個人の力をさらに高め、これを最大限に発揮させていく必要があります。

 また、第四次産業革命に的確に対応しながら、日本の「ものづくり」をさらに進化させ、企業の技術力や生産性を抜本的に高めていくとともに、少子高齢化による人口減少がもたらす労働力不足の問題など、様々な社会的課題やエネルギー・環境問題等の解決にもつなげるなど、国民一人ひとりが将来への希望と自信を持つことができる豊かで活力あふれる経済社会の実現を目指していくことが重要であると考えます。

 我々産業機械業界としては、自らの構造改革を一段と進め、競争力を高めていくとともに、産学連携や企業間連携を推し進め、イノベーションを生み出すスピードを加速していくなど、高品質で信頼のおける製品と高い技術力の提供に取り組み、民需主導の持続的な成長を目指した「未来への投資」の拡大に貢献していきたいと考えます。

 同時に、世界に誇るエネルギー・環境分野に関する技術やサービスにさらに磨きをかけ、世界各国のエネルギー効率の改善や低炭素化・省資源化などへの取り組みに積極的に協力していくことで、地球規模での温暖化防止と循環型社会の構築に貢献していきます。

 政府におかれましては、成長分野を育成する規制改革に引き続き取り組まれますとともに、AI・IoT等の活用やイノベーションを支える技術開発・設備投資を活発化させる等、民間企業の価値創造を後押しする各種支援のさらなる充実を図っていただきたいと思います。
 
 また、経済のグローバル化への批判や保護主義的な動きの強まりなどが懸念される中、世界の貿易自由化の旗振り役として、開かれた経済の実現を目指すため、高いレベルの貿易と投資のルール作りに粘り強く取り組まれますことを期待しております。

 年頭にあたり考えるところを述べさせていただきましたが、関係各位におかれましては一層のご指導、ご協力をお願いしますとともに、皆様のご多幸を心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

〈年頭所感〉日本工作機械工業会/日本機械工具工業会/日本工作機器工業会

「世界各国が大きな変革期」
●日本工作機械工業会 会長 花木義麿

 2017年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年は、年初からの原油価格の暴落、また6月の英国のEU離脱決定により金融市場が大きく動揺し、円高が急激に進行しました。11月の米国大統領選挙でトランプ氏が当選し、その後、為替が急激に円安に転じるなど、社会、経済が激しく動いた一年でありました。

 世界各国において、IoT技術を高度に活用し、新たな生産体制を構築する取り組みが進み、第4次産業革命と言われる大きな変革期を迎えています。

 当工業会会員各社は、昨年11月に開催した第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF・Tokyo 2016)において最新鋭の工作機械、最先端の技術を世界に向けて提案いたしました。人口知能(AI)を搭載したスマートマシン、切削加工と積層造形加工を融合したハイブリットマシン、IoTを活用して工場全体の生産を最適化するスマートファクトリーなど、日本の高度なソリューションが大きな注目を集めました。来場者数は国内外ともに過去最高を記録し、「世界最高レベルの技術ショー」、「国際ショー」として、JIMTOFの存在感を示すことが出来ました。

 昨年の工作機械市況を振り返りますと、内需はものづくり補助金等による設備投資の後押しもあり、堅調に推移しました。外需を見ますと、中国は経済の停滞により設備投資が減速し、また、その他アジア市場も低迷しました。欧州市場は比較的底堅く推移しました。しかし、米国は前年比減少でありました。

 この結果、2016年の工作機械受注額は1兆2,000億円台半ばとなり、昨年8月に修正した受注見通し1兆3,000億円を幾分下回りましたが6年連続して1兆円を上回りました。

 円高が進行するなど厳しい経営環境の中ではありましたが、一定の成果を残すことが出来たと思います。

 2017年は世界中で生産革新の動きが加速し、高付加価値の工作機械、高度なソリューションへのニーズが更に高まっていくと期待されます。製造業の基盤を担う日本の工作機械産業は、生産革新を牽引し、ものづくりの発展に貢献していきたいと強く思っております。

 当工業界と致しましては、我が国工作機械の競争力強化に向けて設立した「加工システム研究開発機構」を中心にして、世界最先端の工作機械技術の開発、国際標準化、研究者・技術者の育成等を推進し、業界の技術基盤、経営基盤の強化に努めて参ります。関係各位には当工業会の事業に対するご理解とご協力をお願い申し上げます。

 本年が皆様にとって更なる飛躍の年となるよう祈念致しまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。

「絶え間ない技術革新により世界市場で通用する商品を打ち出していく」
●日本機械工具工業会 会長 本間博夫

 平成29年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。平素から、関係各位のご支援、ご協力に対し、心から感謝申し上げます。

 昨年を振り返りますと、改めて日本は、地震大国であると認識した一年でありました。熊本、島根、また、記憶にも新しい福島県沖地震と、大きな災害が日本各地で発生いたしました。当工業会でも、被災した会員がいましたが、全社挙げての復旧により、現在では通常通りに生産・販売活動をしており安心しております。

 さて、昨年秋には当工業会にとりまして、統合後初めてのJIMTOFが開催されました。会員、特に開発部門の方々が、苦労してきた成果を発表する場でありますが、多くのお客様にとっても、困り事を解決できる工具が見つけられる機会だったのではないかと思います。

 工具ブースでは、自動車の脱エンジン化の流れを反映してか、航空機向けの工具の展示が、以前よりも増えたように見受けられました。航空機の部品点数は300万点を超え、産業としての裾野は広いと言われております。

 その中には、CFRPやインコネル材などの難削材も多く、会員各社には、是非とも、技術革新を進め、航空機産業の厳しい品質要求に応えられる工具を開発し、国内だけではなく、欧米の航空機メーカーにも大いに拡販して欲しいと思っております。
一方、工作機械ブースにおきましては、IoTを含めた、スマートファクトリーをテーマとする工作機械メーカーが殆どで、ロボットを組み合わせた自動化・無人化を提案する動きが、今回は特に目を引きました。

 これら工作機械に搭載される工具としては、これまでの高速・高能率化だけではなく、突発的な欠けや折損等のトラブルの無い、より安定した工具の提供も、我々、工具メーカーの重要な務めになってまいります。

 私は、昨年春の総会パーティーで、当工業会の当面の生産額目標を5,000億円と申し上げました。今年度は、残念ながら国内自動車生産の減産、新興国市場での景気減退などにより、4,467億円の見込みであります。

 しかしながら、今後も絶え間ない技術革新により、世界市場で通用する商品を打ち出していくことで、5,000億円の目標は必ず達成できると思っております。

 最後になりましたが、今年の十二支は酉です。『酉は取り込む』に繋がると言われ、そこから運気もお客も取りこみ、商売繁盛に繋がる年と考えられております。読者の皆様にとりまして、一層の飛躍の年になりますよう祈念し、年初のご挨拶とさせていただきます。

「大きな変化に怯むことなく成長の好機と捉えたい」
●日本工作機器工業会 会長 寺町彰博

 あけましておめでとうございます。
 年頭に際し、所見を述べさせていただきます。

 昨年の世界経済は、中国をはじめとする新興国、および先進国の一部に弱さが見られたものの、全体としては緩やかな回復が続きました。

 そのような中、英国のEUからの離脱決定、米国のトランプ大統領誕生が象徴するように、保護主義への傾斜が見られ、これまで進展してきたグローバル化が大きな分岐点を迎え、世界経済の先行きが不透明となった1年でした。

 日本に目を向けますと、為替の円高を背景に企業収益が伸び悩む中、個人消費が低迷し、経済は低調に推移しました。一方で、リオデジャネイロ五輪において日本が史上最多のメダルを獲得し、多くの希望と勇気がもたらされるとともに、準備が本格化している2020年の東京五輪開催に向けて大きな弾みがつきました。

 世界経済の先行きには不透明感が高まる一方、AI、IoTなどの高度情報技術による繋がりやロボットを活用した仕組みが進展し、「インダストリ4.0」に代表される製造業の革新に向けた取り組みが進んでいます。さらに、このような取り組みが本格化していく中、時代を先取りして企業間で様々な業務提携が行われ、新たなグループ形成の動きが出てきています。

 このように私たち日本の製造業を取り巻く環境は大きく変化しています。しかしながら、このような大きな変化に怯むことなく成長の好機と捉え、これらの新しい技術や仕組みを、私たち日本の製造業の「強み」である高付加価値な製品やサービスへと、知恵を絞り積極的に取り入れ付加することにより、その強みをさらに高めていくことが重要であると考えます。

 これらを実現できれば、必ずや私たちはグローバル競争の中で打ち勝ち、世界の製造業を引き続き牽引していくことができるものと考えております。
従いまして、当工業会といたしましても、会員の皆様と強い信念を共有するとともに、これまで以上に連携を深め、日本の製造業の発展に寄与できますよう、積極的な活動を展開してまいる所存です。
 
 最後になりましたが、会員企業様の益々のご発展と皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、年頭の挨拶とさせていただきます。

〈年頭所感〉日本精密機械工業会/日本工作機械輸入協会

「超精密へのあくなき挑戦」
●日本精密機械工業会 会長 稲葉弘幸

 平成29年を迎え、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。
 旧年中は当工業会の活動に格別のご支援、ご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 さて、当工業会は「超精密へのあくなき挑戦」を共通のテーマに掲げております。
 量産分野は海外へ、一方、多品種少量分野は国内で。
細かなニーズに応えるためには多様化した製造になれていくしかない。
そのためには、作業効率と経済効果の高い製造現場の構築に貢献できる技術力を持つ必要がある。

 「超精密へのあくなき挑戦」は、工業立国である日本の技術力を示し続けなければならない、工業界挙げての意気込みを表しております。そして、「超精密へのあくなき挑戦」を続ける企業様に、その技術力を示す場としてJIMTOF2016では「日本人の匠技・モノづくりコンテスト」を企画、入賞作品は工業会入賞作品ブースにて展示を行いました。

 また、日本国内で「モノづくり」をしている集団として「日本製」をサラにアピールする重いから「JAPAN MADE」認証制度を設立しております。日本製の精密機械を「JAPAN MADE」として認証し、ブランド力・信頼性・情報発信力を強め、新しい需要の創出を喚起したい、そんな狙いがあります。

 「超精密への飽くなき挑戦」が当工業会の共通テーマであるならば、その共通テーマ達成のために工業会会則に掲げられているのが「会員企業相互の親睦」であります。

 グローバル競争下でも個性を発揮し、精密機械業界が継続的な発展をするためにも、会員相互の親密度の高い工業会であることを基本路線に挙げております。

 当工業会は今年設立60周年の節目を迎えることになります。現在は、正会員37社、賛助会員56社、特別会員2名の企業様並びに個人様にご参加いただいております。

「アットホームで会員相互の親密度の高い工業会」として60周年の節目には会員数100社を目指しております。

 今後も「日本のモノづくり」に貢献出来るよう務めてまいりますので、引き続きお引き立ての程よろしくお願い申しあげます。

 最後に、関係各位のご支援、ご協力をお願い申しあげますと友に、皆様にとって最良の年になりますよう祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

「初心にもどって日本を学ぶ研鑽を」
●日本工作機械輸入協会 会長 中川貴夫

 2017 年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は当協会の事業活動にご支援ご協力を賜りまして、誠にありがとうございました。

 輸入工作機械は日本の近代化や工業化の基盤を成すものであり、当協会はその発展と推進において貢献してまいりました。今後も、グローバル時代における「日本人のものづくり」を支えるため、一層の努力をしていく所存です。

 2016 年の工作機械の輸入通関実績は、約930億円(予想)となり、昨年の1100億円から約16%減となり、2014 年度のレベルとなりました。為替が円高に振れたことで大手輸出型の企業が設備投資を躊躇したことが主たる理由かと推測されます。

 昨年11 月に開催されたJIMTOF 2016 は、14 万7 千名を超える来場者を迎え、特に海外出展社用として増床されたこと、さらに海外からも多くの来場者があったことで、JIMTOF 史上最もグローバル化された展示会となりました。今後は、各社このフォローを足掛かりとした営業活動に邁進されることと期待します。

 さて、今年は、9月18日(月)から23日(土)までの6 日間、ドイツ・ハノーバーにてEMO が開催されます。激動の国際政治情勢の中、予測がつかない年となりそうですが、好転することを期待して、当協会では、恒例の視察ミッションを予定しております。

 当協会会員すべてにいえることですが、輸入商にとって、海外パートナーとの関係においてもっとも重要なことは、「日本を知る」ということです。日本のことを知らない輸入商は海外パートナーからみて何の魅力もありません。そういった意味で、当協会では初心にもどって「日本を学ぶ」研鑽をしてみたいと年頭に思うところです。

 最後に、皆様にとりまして、本年が最良の年となりますよう祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。