ニュース

ユキワ精工が“機械のスペースを最大限に活かす薄型のCNC円テーブル”「TNC200」を発売

 ユキワ精工(社長=酒巻和男氏)は、このほど、機械のスペースを最大限に活かす薄型のCNC円テーブルTNC200を発売した。

 CNC円テーブルは、専用コントローラや搭載機械のNC装置の制御によりワークの角度割出を行う機器だが、昨今の金型部品・機械部品・自動車部品の加工ラインでは、BT30マシンの設置が飛躍的に増加し、省スペース・省エネの小型マシニングセンタで量産加工を行うケースが増えている。そこで同社では、活躍の場が増えている小型マシニングセンタの機内スペースを最大限に活かす薄型のCNC円テーブルのニーズを受け、「TNC200」の開発に至った。

薄型CNC円テーブル「TNC200」の特長

1.世界最高クラスのコンパクト設計
 胴厚97mmと世界最高クラスのコンパクト設計。省スペースな工作機械に搭載しても、治具エリアを広く取ることが可能。

2.薄型サイドテーブルとセットで、さらにスペースを有効に
 CNC円テーブル TNC200と同時開発の薄型のサイドテーブル STT160をセットで使用する事により、機械スペースを最大限に活用出来る治具設計が可能。

3.抜群の防水性
 同社の特許でもあるオートエアパージを標準装備しているので、切削水に対して抜群の防水性を誇る。クランプ用エアを接続するだけで円テーブル内部の圧力が上がり、且つ内圧を一定に保つことで外部からの切削液などの浸入を防ぐ。

製品仕様

ダイジェット工業がブレードチッパー5Rタイプを追加発売!

 ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)が、近年需要が拡大するエネルギー産業などのブレード加工で使用される丸駒カッタで、既に発売済みの6Rチップを使用するタイプに加え、中~小型のタービンブレード用に5Rチップを使用した小径タイプをラインナップした。
ステンレス鋼などの平面削り、ポケット加工、曲面加工、ヘリカル加工に威力を発揮する。
 特長は、以下の通り。

・タービンブレード加工に適した、切れ味と刃先強度を兼ね備えた丸駒チップを使用。
・加工状況に応じて2種類のチップを使い分け可能。
<ブレーカ形状>
MM4…快削タイプ。
MH4…刃先強化タイプ。過酷な状況下での加工に使用。
・加工時のびびりを防止するため、刃先諸元は不等分割を採用(3枚刃を除く)。
・チップ材種は耐欠損性に優れ耐熱衝撃性に優れた新PVDコーティング材種「JC7560」
をさらに進化させた「JC7560P」を採用。

サイズ
【本体】
ボアタイプフライス:φ40、φ42の2型番。
シャンクタイプフライス:φ25、φ32の2型番
モジュラーヘッドタイプ:φ25、φ32の2型番

【チップ】
RPMT10T3MOE-MM4/MH4の2型番。

販売価格は本体φ25:33,000円~φ42:52,900円、チップ780円。

三菱マテリアルが高能率仕上げ切削用正面削りカッタ「FMAX」に小径サイズを追加発売すると共に、「MS plusエンドミルシリーズ」を拡大!

 三菱マテリアル 加工事業カンパニ-(カンパニ-プレジデント=鶴巻二三男氏)は、このほど高能率仕上げ切削用正面削りカッタ「FMAX」に加工径Φ50mmとΦ63mmを販売開始するとともに、超硬エンドミル「MSplusエンドミルシリーズ」にラジアス形状を追加し、販売開始した。

高能率仕上げ切削用正面削りカッタ「FMAX」

 高能率仕上げ切削用正面削りカッタ「FMAX」は、軽量化と高剛性を両立させ、従来品以上の多刃設計により、アルミ合金などの非鉄金属を、工具径125mm、24枚刃において、テーブル送り速度毎分20m以上の高能率で加工することが可能となった。自動車部品などの加工の高能率化を実現できる正面削りカッタである。加工径Φ50mmとΦ63mmの小径サイズを追加することにより適応範囲が広がった。
 高能率仕上げ切削用正面削りカッタ「FMAX」の主な特長は、以下の通り。

 ① インサートのすくい面上に設けたボディプロテクタと切れ刃に向かうクーラント効果により、理想的な切りくずを生成し、カッタボディへの擦過損傷を抑制。

 ② アルミ合金と特殊スチール合金の組み合わせにより、カッタボディの軽量化と高剛性を両立させ、ダブテイル拘束(逆テーパ溝形状)構造とすることで、高速回転時のインサートの飛び出しを防止。

 ③ インサートの振れ精度調整機能により、複数回の再研磨に対応した調整量を確保し、高精度なセッティングを容易に行うことが可能。

■標準価格
・FMAX-050A08R 133,000円(税込価格 143,640円)
・FMAX-050A10R   153,000円(税込価格 165,240円)
・FMAX-063A10R   155,000円(税込価格 167,400円)
・FMAX-063A12R   175,000円(税込価格 189,000円)

超硬エンドミル「MS plusエンドミルシリーズ」

 一般鋼から50HRC程度までの高硬度鋼の金型材や部品加工の幅広い範囲で安定した寿命を発揮する“MS plusシリーズ”に、ステンレス鋼や炭素鋼などの部品加工に高能率加工を実現する4枚刃制振ラジアスエンドミル「MPMHVRB」をシリーズ追加し、先に発売のスクエア形状の外径16mmと20mmを追加することで、シリーズの拡充を図った。
 超硬エンドミル“MS plusエンドミルシリーズ”「MPMHVRB」の主な特長は、以下の通り。

 ① 「MS+(エムエスプラス)コーティング」を採用。炭素鋼から50HRC程度の高硬度鋼まで、幅広い被削材で優れた耐摩耗性を発揮。

 ② 異なるねじれ角による不等リード形状により、びびり振動を抑制し、突出しの長い加工での安定した切削が可能。

 ③ 刃長と全長を従来品より長い設定としたことでより高い汎用性を実現。

・標準価格   : 6,150円~67,800円
(代表型番)・ MPMHVD1600    36,400円(税込価格  39,312円)
・MPJHVD2000AP80 67,800円(税込価格  73,224円)
・MPMHVRBD0200R010 6,150円(税込価格  6,642円)
・MPMHVRBD2000R500 58,500円(税込価格  63,180円)

三菱日立ツールが『アルファラジアスミルプレシジョン ARPF形 ねじれ刃形インサート』を開発

 三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)の刃先交換式のアルファラジアスプレシジョンARPF形は、金型の構造部仕上げ加工用途にご好評を博しているが、このほど、加工精度と加工能率の向上を目的とした新インサートを開発し、平面、傾斜面を含む3次元形状部の中仕上げ、仕上げ加工に性能を発揮するSGタイプと、金型構造部の基準となる垂直側面部(立壁部)の仕上げ加工に性能を発揮するSWタイプの2種類のインサートを商品化した。金型、金属部品の中仕上げ加工、仕上げ加工に威力を発揮する。
 特長は以下の通り。

 インサートの切れ刃形状をソリッドエンドミルのねじれ刃形に近づけると共に、刃先交換式工具に求められる切れ刃の信頼性を高めたことで快削性と耐欠損性に優れる商品になっている。

 (1)SGタイプは、R切れ刃部の刃先強度と切れ味のバランスを考慮すると共に、ラジアスタイプの刃先交換式工具において最大級のねじれ角を採用したことで、加工能率の向上を図った。

 (2)SWタイプは、切れ刃先端部の食付き性を高めた刃形を採用したことで、削り残しが抑えられ垂直側面部(立壁部)の加工精度向上が図れる。

 (3)インサート単体のR精度は工具軸中心基準により±10μm以下とより高精度な設計にした。

 (4)新材種TH308の採用により、焼入れ鋼の高速仕上げ加工に性能を発揮する。

 (5)新材種PN215の採用により、炭素鋼からプリハードン鋼の高速仕上げ加工に性能を発揮する。

■価格
・SGタイプ (外径:φ6~φ32、コーナR:0.3~3.0、計96アイテム):8,330~15,100円
・SWタイプ(外径:φ6~φ32、コーナR:0.5、1.0、計26アイテム):8,330~15,100円

ヤマザキマザックが拡張性に優れた省フロアスペース多段パレットストッカシステム「MPP 500」をリリース!

機械本体との接続例
機械本体との接続例
 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)は、拡張性に 優れた省フロアスペース多段パレットストッカシステム「MPP 500」(Multi Pallet Pool 500)をこのほど発表した。このマシンは、11月17日から東京ビッグサイトで開催のJIMTOF2016に出展する。

 「MPP 500」は、世界中で高まる自動化の要求に応えた省フロアスペースでコンパクトな多段パレットストッカシステム。既存の同社自動化システム(モジュラーテックシステム)に比べ更に省フロアスペースを希望されるユーザーに最適なシステムで、例えば12PC(パレットチェンジャ)で比較した場合、フロアスペースを約50%削減している。さらに、最初に6PCを導入後、生産量の増加に合わせて18PCまで顧客の工場で段階的な拡張が可能である。

 システムを管理するソフトウェアは、これまでに2,500セット以上の納入実績を誇る同社モジュラテックシステムの自動運転・管理ソフトウェアをベースにさらに進化させた「Smooth MPP」を採用、抜群の操作性と生産性向上を実現する。またネットワークに接続すれば、事務所のパソコンやタブレット、スマートフォンでも稼働状況を閲覧することができ、顧客の生産管理をサポートする。

特長

(1)導入後も生産量の増加に合わせて拡張可能
MPPシステムを導入後でも、生産量の増加に合わせて6PC→12PC→18PCまで拡張が可能。

(2)既存自動化システムに比べ、さらにコンパクトで省フロアスペース
例えば12PC(パレットチェンジャ)で比較した場合、既存の自動化システム(モジュラテックシステム)に比べフロアスペースを約50%削減。

(3)最大搬送重量500kg(パレット含む)、最大ワークサイズφ600mm ×H425mm

(4)多品種少量生産に対応した管理ソフトウェア 「Smooth MPP」
「Smooth MPP」はMPP500の自動運転・管理を行うソフトウェア。MAZATROL SmoothXでの運転データの作成、スケジュール進捗や運転状況を確認でき、タッチパネルにより直感的な操作が可能。各種実績データを多彩なグラフで表示し、システム管理者の稼動解析をより簡単にする。また、ネットワークに接続すれば、事務所のPCやタブレット、スマートファンでも稼働状況を観覧することができる。

 販売価格は6PC Y15,900,000(税別)~18PC¥27,832,000(税別)
 同社では年間80台の販売を見込んでいる。

ナガセインテグレックスがJIMTOF2016にて新規開発5機種を発表

 ナガセインテグレックス(社長=長瀬幸泰氏)は、このほど、JIMTOF2016にて、「まだ見ぬ未来のその先へ LEAP INTO THE FUTURE」をテーマに、言葉を失う程に、想像の先を行くマシン5機種を発表する。かつてない精度を実現する超精密立型歯車研削盤「NGC-300」、新たな概念の小型の超精密ロータリ研削盤「RG-200」、研削盤の次元を超えた10nm分解能の超精密成形平面研削盤「SGC-630PREMIUM」、新制御システム搭載で、より汎用的、より機能的な小型高精度・高能率平面研削盤「SGE-520Neo3」、自由曲面微細加工に対応できる同時5/6軸サブナノ制御微細加工機「NIC-300α」、新規開発機及び多彩な周辺機器をJIMTOF2016(11/17~11/22)にて初披露すると発表した。

商品の特長と仕様

(1)超精密立型歯車研削盤 NGC-300BS3BSL2-N9

量産加工にも、多品種小量加工にも対応。かつてない精度を実現する、新JIS1級の歯車研削加工を狙える超精密立型歯車研削盤。独自の油静圧案内とDDモータ駆動の組み合わせによる超精密割出盤を搭載している。かつてない精度・品位の歯車研削加工を実現し、ヘリカル・スプライン形状の歯車はもちろんウォームやねじ加工、さらには創成加工にも対応できる機械構成を持つ。高精度スキャニングプローブを搭載することにより、加工後に機上での歯車形状測定を実現。
【仕様】ワーク加工径:Φ15~300mm、モジュール:0.1~5.0、ネジレ角:+46°~-96°、最小割出分解能:0.00001°、テーブル回転速度:~1000min-1。

(2)超精密ロータリマルチ研削盤 RG-200SL2S-N2

フォーマー用金型やベアリングの間座合わせなどの小物部品の超精密研削加工のために開発した。フォーマー用金型などの上下面、側面加工に最適な、小型の超精密ロータリ研削盤。独自の油静圧案内面によるΦ200mmのロータリテーブルにより、想像以上の平面度を実現。本体は高いマシン剛性を持つT字一体型ベッドを採用。安定した精度・品質の加工を実現している。同期制御による形状創成加工や高能率な前加工から高番手砥石を用いた仕上げ加工にも対応可能だ。テーブルのマグネットチャックからシステム治具への変更も可能(op)。
【仕様】テーブル作業面の大きさ:Φ200mm、砥石サイズ:Φ200~305×幅25~38mm、テーブル回転速度:10~200min-1。

(3)超精密成形平面研削盤 SGC-630 PREMIUM

世界最高品質を追い求め、全ての要素の性能を極限まで追求。研削盤の次元を超えた超精密成形平面研削盤で、驚異の真直運動精度と圧倒的な加工点の剛性を併せ持つ。他の機械では出すことのできない加工精度を実現。独自の多面拘束非接触油静圧案内を全軸に採用している。リニアモータ駆動との組み合わせにより、従来の研削盤の常識を越えた超鏡面、超平面、超形状創成加工が可能である。NCは10nm分解能の最新インターフェイスを採用。IoTにも対応。機上三次元測定システムや、各種ツルア・ドレッサ、超精密小型インデックスや超精密ロータリテーブルなど超精密ユニットの搭載も可能。(op)
【仕様】有効加工範囲:600mm×300mm、砥石径:φ200~305×幅25~38mm。

(4)高精度平面研削盤 SGE-520SLD2-Neo3

より機能的なのに、汎用機感覚で使える小型平面研削盤による、高精度・高能率研削加工の実現のために開発した、最高の使い易さ、抜群の精度と能率を実現する小型高精度平面研削盤。0.1μmのNC指令値を活かせる高剛性な本体構造が特長。一般砥石のみならず、高番手のCBN、ダイヤ砥石を用いた加工も可能。NCには新制御システムNeo3を搭載している。タッチパネルを採用し、平面・溝の自動研削加工を画期的な使い勝手で設定が可能である。ハンドルは、機械に正対した状態で、手動操作が可能なボタン配置により、より手動機に近い構成である。最大40m/minの高速左右送りに対応でき、従来にない高能率な加工を実現した。
【仕様】有効加工範囲:500mm×200mm、砥石径:φ180~255×幅8~19mm。

(5)超2精密微細加工機 NIC-300αS4B2-N6

 自由曲面上への多彩な超微細形状加工を実現するために開発された他に類をみないマシン。最小分解能を0.1nmに向上した中~大面積の自由曲面微細加工に対応できる同時5/6軸サブナノ制御微細加工機。全ての直線軸(X/Y/Z)で最小設定単位0.1ナノメートルの仕様に対応している。全軸に油静圧案内を採用し、熱変位・振動などの外部・内部擾乱を徹底的に抑制する。ナノメータ精度での位置決め繰り返し再現性、驚愕の同期運動特性を実現し、光学レンズ・フィルム金型に求められる高品位・高精度加工が可能である。エンドミル等の工具を用いた加工にも対応(op)。
【仕様】テーブル作業面の大きさ:φ350mm、最大ワーク高さ:200mm。

(6)真直度測定機 SMU-02
 【開発の狙い】機械精度に左右されず、2m以上のワークの高精度な真直度測定を実現するために開発。
機械精度に左右されず、加工機上で大型ワークの真直度測定が可能な超精密真直度測定ユニット。マシンニングセンタや門型研削盤に取付けて、工作機械ベッドのレール取付面や精密長尺部品、スリットダイの精密金型部品、マスタゲージなどの真直度を測定可能。さらに短尺ゲージの併用で、水平面内の測定も可能である。
【仕様】測定範囲:マシンのサイズまで測定可能。

セコ・ツールが鋳鉄旋削用 Duratomic® TK チップ材種を発売

 セコ・ツールズがこのほど、鋳鉄旋削用 Duratomic® TK チップ材種を発売した。新しい TK1501 および TK0501 チップ材種には、最新の次世代 Duratomicコーティング技術が採用されている。この新しい鋳鉄旋削専用材種は靭性と耐摩耗性が一段と向上しているだけでなく、工具の消耗が少なく、刃先あたりの部品処理数も増えた。より幅広い用途に対応し、総合的な工具寿命と生産性が向上している。同社独自の Duratomic コーティングプロセスがアルミニウムと酸素を原子レベルで加工処理して、比類ない靭性と耐摩耗性を備えたチップコーティングを作り出す。

 TK1501 および TK0501 に組み込まれているセコ・ツールズの 刃先検出機能には、高性能チップに関する広範な経験と、あらゆる用途要件に応じたすべての切れ刃に関する知識が集約されている。クロム使用済み刃先検出機能により、チップ刃先が被削材に接触したかが簡単に判別できる。チップは出来る限り高い対照性を示すように最適化されているため、刃先をいつ使用したかが暗い場所でもすぐにわかる。

 TK1501 と TK0501 材種のクロム使用済み刃先検出機能により、チップを短期間で廃棄してしまうことによる無駄を 30 %削減できる。

愛知産業が「JIMTOF2016」にハームレ社の同時5軸マシニングセンタとSLMソリューションズ社の3D金属積層造形システムを出展

ハームレ社 同時5軸MC
ハームレ社 同時5軸MC
 愛知産業株式会社 (社長=井上博貴氏)は、11月17日(木)~22日(火)に東京ビッグサイトで開催される「第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)に、「最先端の加工/造形技術はここに!」のテーマで出展し、複雑形の加工・造形ソリューションを提案すると発表した。

 今回は、同時5軸加工の実績あるドイツ ハームレ社の同時5軸立形マシニングセンタと、金蔵3Dプリンターを出品する。

 ハームレ社の同時5軸マシニングセンタは、人造石一体フレームとハイデンハインのコントローラを搭載し、剛性、サイクルタイム、面品質、工具寿命などトータル品質の高さで世界中のユーザから高い評価を受けている。難削材でも同時5軸の高精度な切削を実現することはもちろん、余力を持って加工を難なくこなす抜群の安定感、ユーザに信頼感や安心感を与え、高い再現性をもつ。さらに5軸加工用に開発されたドイツ ラング社の高効率クランプシステムを展示する。

 また、現在主流の選択的レーザ溶融方式のドイツSLMソリューションズ社3D金属積層造形システムと、英国 LPW社の金属積層造形専用の高品質パウダーを展示する。永年蓄積された溶接・溶解ノウハウで、金属積層造形ソリューションのトータル提案を行い、金属積層技術についてコンサルティングや、受託加工相談もブース内で行う。

2016年8月分工作機械受注総額は980.6億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2016年8月分の受注実績は以下の通り。2016年8月分工作機械受注総額は、980.6億円(前月比Δ6.1% 前年同月比Δ8.4%)となった。受注総額は4カ月ぶりの1,000億円割れ。夏季休暇の影響による内需の減少が影響した。 内需は432.1億円(前月比Δ16.0% 前年同月比△9.7%)で、一部補助金効果は残るも夏季休暇で3カ月ぶりの500億円割れ。外需は549.4億円(前月比+3.5% 前年同月比△7.4%)で、アジア、北米で前月比増加するも、欧州は夏季休暇の影響で減少。2カ月連続の550億円割れ。 海外経済の先行き懸念や円高の定着で慎重な動きが拡がる。展示会効果や各種政策による動きを注視。

8月分内需

431.2億円(前月比Δ16.0% 前年同月比△9.7%)。・3カ月ぶりの500億円割れ。・前月比3カ月ぶり減少。前年同月比は7カ月連続減少。・夏季休暇の影響もあり、前月比減少。補助金効果は一部残るも7月がピーク。① 一般機械  177.3億円(前月比Δ13.9% 前年同月比△2.4%)  うち金型   22.5億円(前月比Δ26.6% 前年同月比△31.6%)② 自動車   122.0億円(前月比Δ26.3% 前年同月比△28.2%)  うち部品   77.0億円(前月比Δ34.7% 前年同月比△14.7%)③ 電気・精密 35.8億円(前月比Δ15.1% 前年同月比+10.1%)④ 航空機・造船・搬送用機械 35.5億円(前月比+85.2% 前年同月比+5.7%) 

8月分外需

549.4億円(前月比+3.5% 前年同月比△7.4%)・2カ月連続の550億円割れ。・前月比は3カ月ぶり増加。前年同月比は15カ月連続減少。・夏季休暇の影響により減少傾向となる月だが、アジア、北米は前月比増加。①ア ジ ア:235.8億円(前月比+11.7% 前年同月比△11.0%)・東アジア:154.9億円(前月比+0.4% 前年同月比△21.7%)〈中 国〉106.4億円(前月比△7.0% 前年同月比△28.8%)・その他アジア80.9億円(前月比+42.2% 前年同月比+20.4%)〈タ  イ〉24.6億円(前月比+74.1% 前年同月比+101.1%)〈ベトナム〉6.6億円(前月比+1.1% 前年同月比+56.2%)〈イ ン ド〉26.3億円(前月比+30.3% 前年同月比Δ14.0%)②欧 州:122.0億円(前月比Δ15.4% 前年同月比△8.1%)〈ド イ ツ〉27.5億円(前月比△15.3% 前年同月比△34.1%)③北   米:184.2億円(前月比+12.4% 前年同月比△1.3%)〈アメリカ〉162.3億円(前月比+20.9% 前年同月比△4.7%)〈メキシコ〉 15.9億円(前月比Δ27.8% 前年同月比+60.3%)

牧野フライス製作所が5軸制御マシニングセンタ「DA300」と「D200Z」の発表会見を開く

記者発表の様子
記者発表の様子
 牧野フライス製作所(社長=井上真一氏)が、部品加工市場/金型加工市場のそれぞれの要求に応えるため、異なる特性の5軸制御立形マシニングセンタ「DA300」(部品向け)と「D200Z」(金型向け)の2機種を同時開発し、9月2日にリリースした。
 従来、同社のDシリーズは、部品加工向け、金型加工向け、と区別してリリースをしたことがなかったが、今後は部品加工に特化したDAシリーズ、金型加工に特化したDZシリーズと、それぞれの市場に特化した製品をラインナップする。

 

部品加工市場向け「DA300」

DA300
DA300
 この製品は部品加工で求められる「信頼性」を追求して開発した5軸制御立形マシニングセンタ。信頼性の示す内容のひとつに以下の機械構造が挙げられる。
 ①低重心な機械本体、②高剛性なブリッジ構造コラム、③高モーメントで長寿命な直動案内、④耐久性の高い新規開発20,000回転主軸、⑤Vision B.T.S、ATC、LAC制御、スーパーGⅠ.5制御。

 ユーザーの気になるもののひとつ、“チップマネジメント”にも注目したい。センタートラフによるすぐれた切りくず排出や、多段式サイクロンフィルターの採用による永続的な切りくず回収に加え、垂直面と急傾斜面で構成された排出性の高い加工室内が魅力的である。他にも耐久性の高い1枚カバー(X軸)と、大流量主軸テーパクリーニングエアも信頼性を高めている。また、干渉防止機能としてぶつからない主軸(コリジョンセーフガード)も安心した5軸加工を提供してくれる。

説明をする商品課の長友主任
説明をする商品課の長友主任
 今までのDシリーズで培われた俊敏で安定した傾斜・回転軸を採用し、環境温度変化に強い機械構造に今回マキノが新しく取り組んでいる内容が盛り込まれている。同社の長友林太郎 営業業務部商品課主任は、「お客様の環境変化に強い機械構造にしている。また、従来から取り組んでいる機能のひとつであるボールねじ軸心冷却も採用している。またポイントのひとつとして、工場レイアウトがある。新たに増設したいというお客様の要求も非常に多い。したがって、工具準備時間を短縮できる拡張可能な大容量工具マガジンや拡張可能なパレットマガジン(7枚/19枚)を準備している。」と話した。

 鈴木敏弘 開発本部ゼネラルマネージャは、開発の狙いについて、「われわれが考えている部品加工はダイナミックかつ速い。特にこの機械は非切削時間の短縮を狙ってつくっている。ワークや工具の交換時間を含めて、切りくずを出していない時間をいかに短縮するかが大きな課題だった。また、自動化を視野に入れたつくりとなっているが、自動化をするためには、切りくずの排出性が重要である。無人で加工をしても切りくずが溜まってしまっては、掃除しなければ次に進めない。これがお客様の悩みとなっていたが、今回そうした悩みを払拭すべく改善している。」と優位性を教えてくれた。

 高速高加速度性をうたっているこのマシンの主軸だが、20,000回転のHSK-A63、40番相当。最大出力22kW、最大トルクで91.3Nm。高速高加速度を掲げているだけあって、「DA300」が0回転から20,000回転までの立ち上げる時間はなんと1.5秒! ちなみに従来の立ち上げ時間は「D300」が3秒、「D500」は6.1秒というから、ものすごい進化だ。

 5軸加工機というと、主軸とワークの干渉が気になるが、今回は主軸端面に埋め込まれたクーラントノズルで干渉領域を減らしているところも嬉しい。ATCマガジンも同社が部品加工で好評を博している横形マシニングセンタ「a1シリーズ」と同じリング式ATCマガジンを採用している。同社のa1シリーズがなぜ好評なのかというと、ATCは複雑な仕組みをもったものが多く、色んな場面で止まってしまうと危険性があるが、同社のものは、これらの悩みを払拭しているという理由から好評のようだ。今回、この信頼性を「DA300」にそのまま移植した形となった。

開発の狙いを説明する開発本部 鈴木ゼネラルマネージャ
開発の狙いを説明する開発本部 鈴木ゼネラルマネージャ
 サーボ駆動のATCシャッタにも注目したい。一般的には、エアシリンダを使って動かしているのだが、エアの品質、使っているスイッチの故障などで止まってしまうことがある。特に部品加工の場合、工具交換頻度がものすごく高い。そのたびにATCシャッタが開け閉めされることを踏まえ、「DA300」はATCシャッタにサーボ駆動を採用している。つまり、ボールねじとモータで駆動されるシャッタである。これにより、耐久性を上げて、高速でスムースな動きが実現したのだ。ちなみに工具交換時間は3.5秒。通常、業界では4秒をきると速い、といわれているが、同社では、競合他社に負けないスピーディさをアピールした。

 また、工具の破損検知「Vision B.T.S.」も優位性のひとつだ。ビジョンにはカメラがついている。工具の交換前、交換後に撮像して画像を比較し工具の破損検知をするもので、これもスピードが速いのが特長。なんと0.1秒で測定が可能であった。

 精度へのこだわりも見逃せない。
 今回の「DA300」は従来機よりも低重心の構造としている。
「加速度が高くなるということは力がかかるため、それを支える構造体(コラム)に力がかかるということ。そのため低重心で踏ん張りを強くした。これで主軸が高加速度に動けるという仕組みとなっている。」(鈴木ゼネラルマネージャ)

 また熱制御にも注目したい。
 同社ではボールねじの軸心冷却を行っているが、軸心だけを冷やすのではない。ボールねじを支えるベアリング、モータも発熱源なので、このモータの発熱を縁切りするためにフランジも冷却しているという徹底ぶりだ。

 なお、このマシンは、今年開催される「JIMTOF2016」に展示予定とのことなので、デモがあれば、ダイナミックなクーラントの流れ具合もぜひ確認して欲しい。

 販売価格:34,350,000円(税別)。
 営業開始:2016年9月
 出荷開始:2016年10月末
 国内外で60台/年の販売を見込んでいる。

金型加工市場向け「D200Z」

D200Z
D200Z
 5軸加工における問題点といえば、①割出し加工(2+3軸)では、数多くの領域を設定するため、CAMオペレータの負担が増大する、②割出し加工(2+3軸)では、加工領域の合わせ部に段差(繋ぎ目)が発生するため、後工程の磨き作業に時間を費やす、③割出し加工を改善するためには同時5軸加工が必要となるが、回転軸の速度挙動による直動軸の遅れおよび直動軸の加減速による工具たわみの戻りにより加工面に食い込みが発生する。このため高精度な金型加工では、同時5軸加工は使われていない、といったことが挙げられる。

 今回これらの問題点を解決するべく牧野フライス製作所は、3軸機と同等以上の加工面品位を同時5軸加工で追求するマシニングセンタ「D200Z」を開発した。このマシンも「DA300」と同様「信頼性」を高める機能を採用している。

 同時5軸加工を可能にする技術は、同社によると、重心変動の少ないテーブル構造や、回転軸の動作に遅れること無く追従できる軽量化された移動体ユニット、同時5軸動作を最適化するモーションコントロール、機械の静的精度を正しくつくりこむ製造技術が必要とのこと。

 今回新しく開発したのは、頑強な30,000回転主軸(軸心冷却)。他にも環境温度変化に頑強なブリッジ構造コラムやぶつからない主軸(コリジョンセーフガード)も採用している。

 販売価格:25,600,000円
 営業開始:2016年9月
 出荷開始:2017年4月予定

 国内外で60台/年の販売を見込んでいる