オーエスジー 「NEO新城工場」完成 ~デジタル駆使で超多品種少量生産! 合い言葉は「ゼロワンファクトリー」~

 

ゼロワンファクトリーとは

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独創的なオフィス

 このNEO新城工場の構築を進めるにあたり、「ゼロワンファクトリー」という考え方を根底に置いて進めた同社。従来のやり方とは一旦切り離して、まずゼロから考えてみよう、そして重要なのはゼロから1を生み出せるのはITではなく人である――という考え方だ。

 長年培ってきた「巧の技」や「研削加工技術」と「最新のデジタル技術」とを融合し、生産性とアウトプットを最大化するための次世代の基幹工場として建設されたのがNEO新城工場の狙いだ。

〈最新の3つのデジタル化〉

 ①生産情報のデジタル化
 加工の見える化で、加工機ごとの稼働率、生産スケジュール、生産状況、流動数などの情報を共有し、収集したデータを分析する。徹底的に生産の無駄を省き、状況に応じた最適な組み入れを行うことで標準品、特殊品ともにリードタイムの短縮を目指している。

 ②品質情報のデジタル化
 加工された製品は、引き当て材料、加工履歴ともに測定値を品質情報としてサーバーで一元管理し、トレーサビリティーの確保をはかっている。

 ③設備保全情報のデジタル化
 各工程での高品質、高能率生産を維持するために設備の保全情報のデジタル化を行い、予知保全体制を整備した。

〈ダイバーシティの実現を目指した施設環境〉

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明るい食堂

 NEO新城工場では、オフィス、社員食堂、会議室など社員の働く施設の環境にさまざまなアイデアを取り入れて、働きやすい環境づくりを進めている。

 ①オフィス
 オフィスでは、フリーアドレス制を採用し生産管理・製造技術などの部署や役職に囚われることなく、フラットな職場環境とすることで、自由で柔軟な発想を引き出す空間づくりを進めた。生産状況を集約してモニターで確認できるコーナーを設け生産の見える化を一元管理し、ビジネスライブラリーエリアも設けました。また、海外製造拠点との会議やメール連絡を頻繁に行うため、グローバルな時間感覚を養うために各国の現地時間を表示するコーナーを設けています。

 ②社員食堂
 「集い」「憩い」「エナジーチャージ」を目指し、自然採光と人工植栽で明るいイメージの「Zero-One Cafeteria」を設置した。ミーティングルームとしても自由に使用でき、ランチでは27種類のメニューから選べて、なかでもその場で調理されるパスタ・揚げ物・ステーキなどのライブクックメニューが人気を集めている。

 ③会議室
 USA、MEXICO、GERMANY、CHINA、TAIWANなど、オーエスジーの世界各地の生産拠点の国名を会議室に使用している。内装などもそれぞれの国の雰囲気に合わせたデザインになっている。

NEO新城工場のシンボルとなる鎖のモニュメント「地球を吊る」

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三澤憲司氏による鎖のモニュメント「地球を吊る」

 NEO新城の正門を入って、新棟の前、ちょうど工場全体の中心となる位置に 彫刻家の三澤 憲司氏による鎖のモニュメント「地球を吊る」が設置された。

 この作品は高さ8.5m、重さ約4トンのステンレス製の鎖で、宇宙に向かって地球から伸びた鎖が、地球を吊っているイメージで、大地が割れ、マグマがあふれ出そうとしている様子を表している。

 同社では、「私たちは、今まで地上から天や宇宙に向かって鎖が伸びるというひとつの方向で三澤憲司氏の鎖の作品の数々を見てまいりましたが、今回の作品では宇宙の側から見て、地球を吊るという今までとは全く違う〝逆転の発想〟から成り立っていることに気づかされました。今までの発想に囚われることなく、時には全く違う方向から物事を観る〝逆転の発想〟。オーエスジーの新なモノづくりにこの〝逆転の発想〟を取り入れ、今後もあらゆる方向から自由に物事を観て、モノづくりに生かして行こうと考えています。そしてゼロから1を作り出すゼロワンという考え方。この鎖のモニュメント〝地球を吊る〟を見ていると鎖のひとつひとつがゼロという形でできていて、そのゼロがつながって1を成している、いつしかそんな風にこの作品を眺めることもできるようになり、この鎖のモニュメント〝地球を吊る〟から改めて自由な発想の重要性を学びました。」とモニュメントに込められた想いを述べている。

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