【レポート】ナガセインテグレックス 「NAGASE NANO SOLUTION FAIR 2020」を開催

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多彩なユニットを搭載したSGi-520α

 ナガセインテグレックス(社長=長瀬幸泰氏、本社:岐阜県関市)は、11月30日(月)~12月18日(金)まで、本社工場で最新の超精密マシンと加工技術を紹介する完全招待制の内覧会「NAGASE NANO SOLUTION FAIR 2020」を開催した。内覧会のテーマは、「本気で戦え!! 働けない時代の生産性改革2.0」。

 同社にとっては6年ぶりの開催となったが、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮して1日の来場者数を限定し、1日限定6組(1組3名まで)の入場制限が設けられたが、工場にはこの期間でしか見ることの出来ない特別なマシンを多数設置し、先日終了した「JIMTOF2020 Online」向けに開発した最新鋭の機械を実際に見ることができることもあって、本気で生産性を上げたい来場者たちが足を運んだ。「NAGASE NANO SOLUTION FAIR 2020」をレポートする。
 

本気で生産性を上げたい来場者のための内覧会

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説明をする長瀬社長

 ナガセインテグレックスは今年で創業70年。創業当時から〝創意工夫〟モットーに様々なマシン開発を行っている。世界で初めて全軸に油静圧を採用した超精密研削盤や超精密ベッド研削盤、大型の超精密非球面レンズ研削盤、超精密ナノマシンなど画期的な製品が次市場に登場し、製造現場を驚かせた。

 同社が追求する超精密加工とはサブミクロンの形状精度とナノオーダーの面粗さを実現する究極の加工を指す。直径0.1ミリメートル以下のマイクロレンズから直径1400ミリメートルの非軸対称非球面レンズまでの超精密加工を可能にし、EV、HEVなどの自動車用部品、スマホにも使用される光学フィルムやレンズなどの身近な製品から半導体、電子部品用の精密部品、航空宇宙、医療、工作機械に至るまで幅広い分野のものづくりに貢献している。

 今回の展示会において注目したいのは、モーターコア等の大型金型加工用の超精密門型研削盤の最新モデルや従来のナガセのイメージを一新する次世代型超精密小型ナノグラインディングマシンを初披露したこと。さらには業界初となる自社開発の研削支援アプリを初公開している。

 長瀬社長は今回の意気込みについて、「近年、働き方改革により時間外労働も規制されるうえ、少子高齢化に伴う労働人口減少の対策も急務です。製造現場の経済効果を高めるための鍵を握るのは生産性向上であり、そのためには非熟練者でも高能率かつ高精度に加工ができるようにするのが望ましい。今回はNAGASE70年の間で最も画期的な開発をしました。生産性向上と競争力アップのノウハウをぜひ見学して頂きたい。」と話した。

お客様が要求される加工精度以上の機械精度を!

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門形平面研削盤による超精密鏡面研削加工(SKD-11)サンプル。マシン写真を合わせ鏡にしてピカピカさをアピール!

 製造現場に要求される加工精度以上の機械精度を追求している同社では、「最小分解能に見合った繰り返し再現精度と究極の絶対運動特性がひとつの目安。」としている。具体的には、加工をトータルシステムで考え、工具設定、保持方法、最適な加工条件、プログラムの作成、温度環境や振動など数多くの要素を整える必要があるとし、加工を〝技能ではなく、物理や化学の原理原則〟に基づいて考え、この点を徹底していることが特長だ。

 

「要素技術の構築力こそがお客様にとって有益な加工システムの確立を可能にする」

 この強い思いが、独自の油静圧案内面は、摩擦、たわみ、すきまを同時に限りなくゼロに近づける同社の基幹技術となる。

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静圧ONで驚くほど滑らかに動かすことが体験できる

 重さ30トンのテーブルも指1本で滑らかに動かすことができる―――。その一方で大きな荷重と重研削に耐えうる剛性を持ちながら、1メートルで0.5マイクロメートル以下の真直運動精度を実現している同社の技術。この技術は、同社の内覧会で体験することができた。

今回、静圧ONとOFFの違いが体験できるコーナーを設けており、ここではテーブルスペースは200kg、重りは200kgで、その違いを体験。静圧ONにすると、まるでスケートリンクの上を滑っているような滑らかでスムーズにものが動く。ところがOFFにすると、全く動かない。重さを感じるどころか、さっきまで動いたテーブルがまるで建造物のように動かなくなってしまったではないか。

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SKD-11(150×70mm)の自由曲面鏡面研削加工サンプル。内覧会ではピカピカのサンプルも見どころのひとつ

 なお、同社独自の油静圧案内面は、ワンパス数十マイクロメートルの能率加工にも、数ナノメートルの仕上げ加工にも対応している。しかも10年20年と使用しても精度劣化は極めて小さく、30年以上経っても基本的精度を維持しているというから驚く。また、究極のコアレスリニアモータの開発にも注力、高速でのテーブル送りと超高精度な任意位置決めも実現し、自由曲面などの3次元加工を容易にしている。

 

 

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