安田工業 新規事業開発課が熱い! ~クリエーターを刺激する『Labonos』が製造工程を変える~

 

報われた努力! お披露目するまでは苦労の連続 ~チームワークの良さで乗り切った~

Labonos 佐藤氏
開発の苦労は自信の成長に繋がったと話す佐藤主任

 4人体制で新規事業開発課がスタートした時点で、すでに基本設計が終わっており、基本部品は手配が掛かろうとしている状況だった。先述の「MECT2017」にマシンをお披露目するまではあと半年しかない。そのときの心境を新規事業開発課に籍を置くメンバー全員が「怒濤だった。」と振り返る。

 まず、機械、電気、ソフトの融合が必要だった。6カ月後に披露する展示会までにマシンを完成品にしなければならない。メカ系をメインに担当していた主任の佐藤圭太さん(以下佐藤主任)は、当時の様子について、「私がこの開発に加わった際は、機械本体となるベッドやコラムといった主要な構成は完成されている状態でしたが、カバー関係やその他のこまごまとした部品はレイアウトレベルの状態でしたので、主要部品の出図、小物部品の設計・出図、カバーのデザインを含めた設計・出図と短期間で求められる内容が多く、常に時間に追われている状況でした。」と話す。

 「特にカバーに関しては、これまでのYASDAにはないデザインに重きを置く形を求められていたため、ネジをどう隠せばいいか、塗装はどのようにすればいいか、デザイナーの求める形にどうすれば具現化できるか考え抜きました。また、組み立てに関しても主たる担当者として作業を行っていたため、自分自身の設計が未熟であることを痛感しながらの作業となり、悩みました。」(佐藤主任)

 その後、今の形となる改良設計を行う日々を乗り越え、現在に至るのだが、「この経験が大いに生かされた。」と実感しているとのこと。

Labonosu 松本氏
切削ならではの特長的な部分を機械制御でいかに実現するか悩んだという松本主任

 「苦労することは多かったのですが、様々なことに挑戦する期間を与えられたことは私自身の成長につながり、感謝しています。非常に充実した期間であり、楽しく取り組むことができました。」と謝意を示しつつ笑顔を見せた。

 『Labonos』の開発において電気の設計として携わっている同部署の主任、松本直宏さん(以下松本主任)は、精機技術部・マシニングセンタの電気設計課に所属したのち、新規事業開発課にやって来た。

 「マシニングセンタで電気設計として3年就業しましたが、一からの製品に携わった経験はなく、どこから手をつければ分からない状態でした。分かる箇所から手を付けて、少しずつ、分からない部分を紐解きながら理解を深めていきました。」と話す。

 松本主任が気をつけていた点は、『Labonos』が実現する〝切削ならではの高精度、高品位が誰でも簡単に加工ができる〟という特長的な部分を機械制御でいかに実現するか――――だった。

 誰もが安全に機械を使用できるマシンにするには制御による安全面の確保が必要である。松本主任に一番苦労をした点について尋ねると、「機械を立ち上げるときでした。機上で設計をして、事前にPC上で確認できる部分や動作を確認していましたが、実際に機械を動作させてチェックするとエラーだらけ(笑) 意図していない挙動をしたときは冷や汗をかきました。」と、当時の苦しみを教えてくれたが、この苦しみを乗り越えられたのは、「先輩方がいたからです。」と少々はにかみながら感謝の気持ちを述べた。

Labonos 小林氏
ユーザーの気持ちに立って実装を行う点に気をつけているという小林さん

 「今まで知らなかった機能や制御、パラメータなどを調べたり、先輩方に教えていただきながらひとつずつ課題を解決していきました。この間に体験した経験は1段階、2段階も自分の成長に繋がりました。作業することが多かったぶん、できることが多くなり、その次の改良設計や新規機能の開発に力となりました。」(松本主任)

 2019年に入社した同部署の小林 椋さんは、「私が入社したときはすでに『Labonos』が完成していたので、アプリケーションである『sonobaL(ソノバル)』の保守運用が主な業務になりました。機能の追加や不具合の修正は、修正すべき箇所や、影響箇所、ロジックなどシステムを理解していないと手を加えることができないので、『sonobaL』のコードを理解するまで非常に時間がかかりました。」と苦労を滲ませながらも、現在は「ユーザーが使いやすいと感じて頂ける操作感を実現するために開発者としてではなく、ユーザーの気持ちに立って実装を行う点に気をつけています。」と、頼もしい限り。ああ、こうやって技術者は成長していくのだな、と感じた。

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