三菱マテリアルが提案する新時代の加工技術

 

びびらない! 高剛性ホルダの開発に着手

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「熱変位量を約67%も抑えることができた」と渡辺さん

 加工中に低周波振動を生じさせるLFVで使用するにはインサート形状だけでなくホルダの本体剛性も重要である。そこで同社ではLFVに対応できる高剛性ホルダの開発に着手を進め、今回は小物高精度加工用ホルダ 溝入れ・突切り旋削工具『GY/GW形シリーズ』の開発において、ホルダ剛性に対する事例について話しを聞くことができた。特長は、インサートをクランプする部分の強固な上あごと変動しない下あご。

 開発本部でインサート式工具の開発担当をしている渡辺彰一郎さんは、「従来品に対して新形状の『GY形』はホルダの変位量を約半分以下に納めることができました。また、他社品に対しても変位量を約67%も抑えることができているのが今回の試験で分かっております」と自信を示す。

 また、同社製品のユーザーにて行った従来品と新形状の切削テスト(S25C低炭素鋼の突切り加工でφ17シャフトの切削)の結果では、3,000個の加工時にホルダが変形してしまいインサート刃先がダメージを受けて欠損してしまったが、新形状はホルダ変形が全くなく、インサート刃先の欠損も見られず、従来品に対して改善した結果を見せつけてくれた。

 

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S25C ​​​​​​突切り加工テスト

 

 このGY/GWシリーズはなんと120近いアイテムまで拡充しているという。

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「自動車が変遷を遂げる中で部品加工は重要」と力を込める斉藤さん

 最期に、戦略マーケティング室の斉藤貴宣さんは、「われわれは激動変化を示している産業の中でも自動車産業、航空機産業、医療産業をターゲットにしておりますが、自動車産業はコアから外せないと考えています。自動車がEV、BEVと変遷を遂げる中で部品加工は非常に重要です。今後もこの分野での製品群のラインナップ拡充について力を入れて参りたいと考えています」と締めくくった。

 生産性の向上に向けた三菱マテリアルのさらなる挑戦に今後も注目したい。
 

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