三井精機工業 工場見学会をレポート! ~加藤社長に意気込みを聞く~

 

信頼を生み出すマシンの数々 滅多に見ることができないマシンも!

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「GSH200A」

 精密ねじ研削盤『GSH200A』が展示されていた。大きなマシンである。
 
 ボールねじを生産する現場では、ねじとねじの溝と溝の間隔が常に高精度であることが望まれる。しかし、この作業を効率良く正確に行おうとしても困難なことが多い。

「例えば長いねじの場合、加工中にたわむなど様々な要因があって径が揃うこと自体が難しい。ねじの径の寸法はどこを測定しても3ミクロンほどの差でなければ良いねじにはならないのです。この難しい作業をどうやって行っているか、というと職人が振れ止めを調整しながら作業をしているのです。」と加工の難しさを教えてくれたが、自動化を推進している同社の『GSH200A』は、この職人作業を機械で行うことができるという画期的なマシンだ。来場者も食い入るように見学していたのが印象的だった。

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手前が「J7CN」その奥には「JIDIC.H6E」

 さて、時期的に工場内は出荷のピークが過ぎてしまったとのことだったが、珍しいマシンがあった。最も大きなジグボーラー『J7CN』だ。包装機械の部品を加工するために使われるという。『J7CN』の横には『JIDIC.H6E』があった。機械はカバーが付いているが、マシンはカバーを取ったときにその魅力がむき出しになる。カバーに隠された本体は、X軸、Y軸、Z軸全てきさげV-V摺動面という超贅沢なつくりとなっていると聞いた。『JIDIC.H6E』の自慢は垂直のY軸。Y軸にもローラーを入れているが、重力で落ちない工夫がしてある。加工はマシニングセンタだが横型のジグボーラーとして活用されるという。飽くなき精度への追求が超高精度な仕事を実現してくれるのだ。

 他にも人気の機種なども展示されており、見どころは豊富だった。帰り際に珍しい展示物を発見!

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光学式ジグ中ぐり盤「No.0 A型」

 光学式ジグ中ぐり盤『No.0(ゼロ)A型』は、昭和34(1959)年に開発された最も小型のジグボーラーだ。時計やカメラ、電子管部品などの加工用として特に小径穴の加工に活躍したものである。自社製の高精度基準尺を内蔵し、位置決め精度0.002mmを保証している。主軸ヘッドの側面には顕微鏡もついている。昭和36(1961)年に「日本機械学会賞」を受賞している。

 なんと、取扱説明書まであるではないか! ページをめくると、緻密な図が! 当時は取説を製作するのに大変な時間を要したに違いない―――と過去に思いを馳せる。今回はコロナ禍ということもあり、従来のように大勢の来場者がひしめきあうようなことはなかったものの、来場者は腰を据えてじっくりマシンを見学していたように感じた。

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昔の技術者は取扱説明書を製作するのに大変な時間を要したに違いない

 

 
 

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