求められる精度に応える安田工業 国内営業部 高橋部長に話を聞く
『YMC650』の魅力に迫る!
― 全軸リニアモータ駆動の『YMC650』ですが、受注も増加しているとお聞きしています。その要因について教えてください。
高橋 ボールネジの機械では最小送りで0.1μmが限界ですが、リニアモータ駆動の機械は0.01μmでもきっちり動いて、さらにバックラッシュがありません。こうした高精度微細加工の要求に対してリニアモータ機の需要は増えています。
― 一方、ボールねじ機も重切削には重宝します。
高橋 駆動力はボールねじ機のほうがありますから、幅広い加工に対応できる機械として、こちらの需要も残っていくと感じています。
― 『YMC650』は微細加工分野に貢献するマシンですが、システムも進化しています。
高橋 YASDAといえば、機械オンリーのメーカーといったイメージが強いのですが、工具形状の計測、ワークの芯出し支援機能、機上測定機能など、非常にソフトも充実しています。例えば『EZ-CAL』はキャリブレーション(校正)機能ですが、今の機械は工具測定やワーク測定など様々な測定を機械に持たせています。それらは測定機が別になりますから、キャリブレーションを行わないとそれぞれの相関関係がとれません。
― 品質の信用性を高めるために測定はとても重要な工程ですものね。
高橋 以前は、「加工物の精度が思うようにでなくなった」、というご連絡があった場合、「取説のどこそこのページにキャリブレーションの方法を記載していますので、読んで実行してください」という旨の対応をしていましたが、今では、画面のナビゲーションに従って、操作するだけでキャリブレーションを行うことができるようになりました。
― 誰が操作しても結果は同じなので便利です。
高橋 機械の電源を入れた直後や加工直後で機械が安定していない場合、「1時間後に実施ください」などのメッセージが出てきます。誰が仕事をしてもきちんと精度が出せる機械であるためのソフト面によるきめ細やかな支援もわれわれの強みです。
― 今年はJIMTOFの年ですが、意気込みをお聞かせください。
高橋 前回はWeb 開催でしたので、リアルでは4年ぶりになります。目的をもって弊社ブースにお立ち寄りをされた方が、何かしらの答えを持って帰って頂けるような展示にしたい。
― JIMTOFの場でご披露する新マシンは?
高橋 現在、つくり込みの最中です。われわれの規模ではド派手なことはできませんが、「自動で高精度のものがしっかりできますよ」と訴求できるよう頑張ります。
― ありがとうございました。