【この人に聞く】進化する金型メーカー 七宝金型工業 松岡社長

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 1949年創業の七宝金型工業(社長=松岡寛高氏、本社:愛知県津島市南新開町)は、常に時代が要求するものづくりに必要な新設備を取り入れて最先端の流れを掴んできた。「価値観が多様化してきた現在、お客様のご要望を叶えるだけの製造業では生き残っていけない。」と話す松岡社長は、自社ブランド製品の研究開発にも力を注ぐだけでなく、老舗金型メーカーならではの永年培われたノウハウを軸に新たなビジネスモデルを展開している。

 同社ではこのほど、焼き嵌め工具自動交換装置『TOOL MEISTER』をサンテックと共同開発し、本年7月に開催されたINTERMOLD名古屋では1号機を出展し注目を集めた。松岡社長にお話しを伺った。

「七宝ビジョン」でみんなが楽しくなる会社へ

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焼き嵌め工具自動交換装置『TOOL MEISTER』

 金型ビジネスを核として事業を行っていた七宝金型工業が、焼き嵌め工具自動交換装置『TOOL MEISTER』を市場に投入し、従来とは違った設備分野に乗り出した。この製品の優位性は、金型メーカーからみた〝こんな設備が欲しかった〟との視点がふんだんに盛り込まれていることだ。オーダーメードの装置だが、「自分たちが必要としている設備を自分たちの手で、という点がキモになっている。」と松岡社長。

 近年、労働人口の減少から自動化に伴う高能率化が加速しているが、多くの中小企業においては設備投資の観点からハードルが高い点もあるだろう。松岡社長は、自分たちの生産ラインの効率化において、使い勝手が良く、簡単に作業できるようにするためのアイデアを取り入れた設備を有効活用したいと考えていた。

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七宝ビジョン

 技術革新でグローバルニッチトップになり、みんなが楽しくなる会社になる――。これが、同社が掲げている〝七宝ビジョン〟だが、今回の新たな挑戦も、「みんなが楽しくなる会社へ向けた取り組み。」なのだという。

 「金型メーカーの現場といえば単純作業が多いのですが、この単純な作業をなくしたいという思いがありました。人の手で工具を取り付けていた段取りを自動的に行えるようにできれば効率が良くなります。やりたいことをすぐ実行できるというフットワークの軽さはわれわれの強みでもあるので、この強みを生かして新しいことにチャレンジすることは意味があると思っています。」と松岡社長。

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工場内に掲げられた社長方針

 同社のテーマは『もの創りを変える。』。松岡社長が目指す〝ものづくり〟を変えることとは―――と尋ねてみたところ、「日本のものづくりは昔から我慢しながら仕方なく仕事しているというイメージがまとわりついており、若い方たちに人気がありません。その一方で、われわれの生活を豊かにするための自動車をはじめ、生活必需品などの商品作りには金型が必要です。人々の生活に必要なものづくりを持続的に発展させるためには、若い人に魅力を感じてもらう仕事にしていかなければなりません。まずは、単純作業をなくし、そのぶん、創造性を活かしたクリエーティブな仕事にシフトしていく必要があります。」と返ってきた。

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