【小物高精度加工は次の時代へ】 三菱マテリアル&シチズンマシナリー LFV(低周波振動切削)技術が切りくずトラブルをシャットアウト!

 

驚愕! LFV加工の高速かつ微細な振動!

 

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Cincom Lシリーズ最新モデル「L20 ⅫB5」

 

 今回のデモ加工は、シチズンマシナリーのCincom Lシリーズ最新モデル『L20 ⅫB5』で行った。使用した材料はSUS304。①振動をかける=LFV加工、②振動をかけない=慣用切削の2パターンで加工を行う。

 振動切削中では、機械を触ると緩やかに振動しているのが分かったが、低周波なので最大振動でも62Hzほどの振動という。62Hzほどと言われてもピンとこないので、シチズンマシナリーの御園さんに説明を求めると、「目に見える振動ではないので説明は難しいのですが、主軸回転数と切削軸の振動数を周波数に変換しているので実機で体感した振動がそのものになります。」と返ってきた。 

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LFV技術の特長のひとつには選ばない加工形状がある

 振動切削と刃物の性能をうまく合わせて生産性を上げるのが主目的のLFV技術だが、このマシンにはモードが3つある。

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切りくずの違い。赤丸の中がLFV技術を用いた切りくず。美しく分断されていた

(1)モード1
 ワーク1振動当たりの振動回数を指令する方法で切りくずをしっかり分断したいときに活用。
(2)モード2
 1振動当たりの主軸回転量を指令する方法で、細物加工や小径深穴加工など周速が必要なときに活用。
(3)モード3
 ねじ切りパス毎に振動タイミングを変化させ加工する方法。

 加工条件を自在に変えて最適なポイントを見つけて切削を進めていくのがこのマシンのメリットである。今回は、時代を先取りするLFV技術を搭載したマシンと切削工具で圧倒的な切りくず処理性の高さを見ることができた。今年はJIMTOF開催の年でもあるので、今から見どころ満載の予感がしている。

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「LFV技術を搭載した工具を供給することの必要性を感じる」と三菱マテリアル 辻﨑さん

 最期に、三菱マテリアル 戦略本部 マーケティング部コミュニケーション室 室長補佐の辻﨑久史さんは、「加工現場のお悩みといえば、切りくず問題といわれるほど、皆様悩まれている永遠の課題のようにも感じています。この問題解決には工作機械メーカーの視点も必要です。シチズンマシナリーのLFV技術を搭載したマシンによる加工は非常に画期的で、われわれは工具メーカーとしてLFVに適した工具を供給することの必要性を感じました。LFV技術の実装されたマシンとわれわれの切削工具が組み合わされることで初めて加工現場に最大の効果が得られると感じています。」としめくくった。


 

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