世界中の産業界に寄与するタンガロイを知る(前編) ~木下社長に聞く~

 

独創的な商品をつくることは挑戦だ

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自動化を推進しているタンガロイ。写真はインサートの自動検査機の一部

 

 ―中期目標についてのお考えは。
 木下
 希望としては2桁成長を目指し、これをベースに投資を行っています。現在、自動車のEV化も加速し、製造現場のデジタル化や自動化も避けられず、事業環境に変化が見られます。2桁成長を実現していくためには多方面で努力をしていかないとなりません。世界中のトレンドに従った商品の開発はもちろんですが、その一方で、電力の規制など様々な環境規制も考慮しなければならず、事業環境変化が厳しい中で、どうやって勝ち抜いていくか、というと他社より早くアクションを起こすしかないと考えています。
221107top4 ―ものすごいスピードで新商品がリリースされる理由が分かりました。
 木下
 皆様から喜ばれヒットするものの数が増えていれば良いのです。独創的な商品をつくることは挑戦でもありますが、ここから生まれた新しい技術が未来の種になるのです。
 ―豊富な商品を売るとなると、営業担当者が商品を説明するのも大変そうです。
 木下
 輸出比率が増えてきたので、PRには日本語と英語が必要でしたが、今の時代、世界共通を意識してどの国の方でも理解できるように、配信している動画などは言葉を不要とした動きを用いて言語を極力減らし、工夫をしています。さらに詳しいことは営業担当者が説明したほうが効率は良いものです。人というのは仕事で見なければならない動画を長時間見続けるのは苦痛になってくることもありますし、他人の話もそんなに長く集中して聞くことは難しいものです。お客様が求めていることを効率良く提供するためには〝お客様がなにを求めているか〟を敏感にキャッチすることですが、そのためには、営業担当者はもちろん、マーケティングの力も必要で、市場の変化や動向などを社内にもっと発信して提案するよう呼びかけています。SNSなどのデジタルツールでもリアルな現場でも現実を知ることはとても重要ですから、情報の共有は発展の鍵になると考えています。

221107topz ―動きの速い世界で革新的な商品を生み出し続ける秘訣とは?
 木下
 先日は4日間、海外現地法人にいる各国の技術者が集結しましたが、各地域の担当から斬新で新しい情報が豊富に入ってきます。日本がものづくりとして遅れを取っているというのは事実であって、デジタル化もEV化も世界はスピードが早い。グローバル企業の強みはこうした情報を活かして開発し、販売に繋げることができることです。また、デジタルを活用するのは人ですから、社内で活用するものは人を基準にした独自のデジタル開発を行っています。デジタルツールを活用した情報は企業のポリシーに依存するところが大きいので、たとえば製造業だったらどの企業も同じソフトウェアで良い、ということにはならず、自分たちでデジタルツールをどう活用するかは、独自で決めるしか強みは生まれません。自分たちの使っている設備も全て自分たちがメンテナンスできるよう技術者を育成している点も、弊社の大きなメリットだと思っています。

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