「妥協のない品質を求めて」 ~北川鉄工所 グローバルハンドカンパニー 北川社長に聞く~

 

人の知恵が介在できる余地が必要

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新工場イメージ


 ―国内市場はもちろんグローバルへと市場を拡張していますが、世界中に散らばっているお客様へより高いレスポンスをするための取り組みを教えてください。
 北川
 世界中のお客様のご要望に対して迅速に対応できる体制を構築していくため、外国人を採用して日本でしばらく勤務していただいたのち、海外拠点に駐在していただく流れを作っていきたい。そのために、外国人技術者を採用したり、社員として北川鉄工所に定着してもらえるよう取り組んでいます。世界各国の市場において現地のお客様に貢献できる人材となると、現地の感覚で行動しながらも日本と良いコミュニケーションをとる能力が必要となります。
 ―どの国の方が貴社に在籍されていますか。
 北川
 インドと中国が多いのですが、他には韓国、インドネシア、タイ、メキシコです。
 ―企業の国際化も非常に加速していると同時に、人種の多様化から、国や性別問わず誰もが働ける高能率な生産ラインの構築も必要になってくると思います。どのようなことが重要な点だと思いますか。
 北川 
高能率にものをつくるには、単に自動化しただけだと難しいと思うのです。そこに人の知恵が介在できる余地があることが重要だと考えています。弊社製品のロボットハンドを例に取りますが、ロボットハンドは基本的にはメカですし、精度が高いとかコンパクトだとかPRポイントはありますが、基本的には開閉の機能しかなく、それだけで品質の良いものづくりが高能率にできるものでもありません。そこで私たちはセンシング技術をもつ計測機器メーカーとタイアップをして、ロボットハンドに把握径をみる機能を付加しましたが、そうすることで人の知恵が介在するチャンスが生まれ、改善をすすめることができます。高能率までたどり着くためには全てのプロセスで品質を追求していかなければならず、自動化とセットで見える化が大切だと考えています。
221216topz ―工場最適化を求めると貴社は自社工場で必要な技術がよく分かるというメリットがあり、説得力があります。
 北川
 なにが生産に寄与するものなのか判断するために、自分たちの製品を自社でしっかり使いながら、そこで培ったノウハウを基盤にまた新たな製品開発に取り組み、自動化・高精度化・効率化のための現実的な提案をお客様にお示しできるよう今後も注力したいです。一方で、お客様が求めている技術の水準が極めて高いこともありますから、そういった高い技術水準にも挑戦し、今後も多様化する国際ニーズに応えていく所存です。
 ―ありがとうございました。


 

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