「妥協のない品質を求めて」 ~北川鉄工所 グローバルハンドカンパニー 北川社長に聞く~

 

新工場で時間損失を最小限に!

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JIMTOF2022 ブース内にて

 

 ―貴社はパワーチャック「BRチャック」と「Tnut-Plus」に関する技術が「2021年度日本機械学会賞(技術)を受賞しています。今回のJIMTOFでも大変好評でしたが特に注目すべき点はありますか。
 北川
 藤本 取締役東京支店長が手掛けた時から苦労をしながら量産に持っていきました。少ないコストで高品質かつ精度が高いものだと認められたことは非常に嬉しかった。旋盤用パワーチャックでワークを把握し、精度良く加工をするためにはジョーの把握面を旋盤で成形しなければなりません。従来ですと把握精度は径触れ10~20μm T.I.R 程度で、成形済みジョーを脱着すると把握精度が悪化するため再成形が必要となります。この技術は、BR チャック(図1)と Tnut-Plus(図2)で構成され、把握精度の実力値は 0~5μmT.I.Rと圧倒的に良く、Tnut-Plus を使用すると、ジョーを脱着しても把握精度を維持することができるものなのです。

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2021年度日本機械学会賞(技術)を受章


 ―使用されたお客様の反応も良かったでしょうね。
 北川
 実際に活用されたお客様からも信頼を得ることができ、社内では製造とともに品質も高みを目指して作り上げていったという自信が芽生えました。あとは営業がしっかり売るだけ、という意気込みです(笑)

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現在の本山工場

 ―グローバルハンドカンパニーの未来像を教えてください。
 北川
 現在100億円ほどの売上を今後4年の間に1.5倍の150億円を目標にして製品開発や販売網の構築に取り組んでいます。また、チャックの量産工場である本山工場はすでに40年が経過しており、建物自体も老朽化しています。工場の自動化は進んでいるのですが、年月の経過とともに設備があちこち飛んでしまって整備が難しくなったことから本社地区で工場を新しく建て直します。
 ―総工費は。
 北川
 グローバルハンドでは50億円ほどです。シリンダーの工場と物流棟も建てます。有人運転のEVトラックが各工場と物流棟を往復する最新工場で2026年稼働予定です。AGV、AGFは検討中です。

 ―AGV、AGFが実現できれば製品の保管をする場所が一体化し、無人化ソリューションが期待できます。これにより時間損失が最小限になりますので非常に合理的です。
 北川
 われわれの業界は浮き沈みが激しい側面があり、設備投資をして自動化を進めても時流の悪いときに稼働がガクンと落ちてしまうと割に合いませんので、どこまで自動化をしてどこまでを汎用設備にするのかというバランスの見極めも大切です。何事にも柔軟に対応できるようにと考えています。

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