「妥協のない品質を求めて」 ~北川鉄工所 グローバルハンドカンパニー 北川社長に聞く~
離職をする人が少ない大企業100社ランキングで2度も1位を獲得!
―貴社は地域にも貢献しているうえ、優秀な人材を確保している印象が強いのですが。
北川 本社がある広島県府中市は都会ではありません。Uターンで帰ってくる人たちの人気の職業といえば銀行か市役所がほとんどです。こちらのほうに優秀な人たちが流れてしまえば地域の製造業は発展しません。そのため例えば大学で都会に出ている若い人たちが育った地域に帰ってきたいな、この会社に入社したいな、と感じていただけるようなCMを制作し、訴求を心がけました。
―このCMはインパクトがありますね。ところでコロナ禍では少し前までリアルの動きが困難なこともありました。営業などはどうカバーされましたか。
北川 出張も行くことができませんでしたから、Webでお客様や社内において打ち合わせをするシステムを作り、出勤できない人たちのために会社のパソコンを提供し、活用しました。
―情報の管理も大変だったのではないですか。
北川 データを自宅に持ち帰って仕事をするのではなく、遠隔で操作できるようにしました。提供したパソコンを自宅に持って帰って操作すると、会社のパソコンが立ち上がり、画面を共有しながら仕事ができる仕組みです。この点について弊社は昔から堅く、情報漏洩が起こらないよう独自システムを構築しています。
―徹底していますね。ところで、貴社は東洋経済によると、「離職する人が少ない大企業」100社ランキングで2018年、2020年と2度も1位を獲得しています。仕事と生活の調和を図るための制度も充実し、自己啓発支援を実施するなど従業員が生き生きと働けるよう幅広くカバーしています。グローバルに活躍しているぶん、気をつけたことはありますか。
北川 弊社は海外にも拠点があります。中国はずっとロックダウンがありますし、海外に駐在している社員は1~2年ほど帰って来られない期間がありました。何年も海外に行って帰って来られない状況があると、社員も口には出さないでしょうけれど、やっぱり海外には行きたくないという気持ちになると思います。しかも海外赴任をする人たちの多くは30代~40代でお子さんがいる方がほとんど。まだお子さんが小さい場合、数年も会えない状況が続くと親と認識すらできなくなる可能性もあるので、交代で帰って来られるよう配慮をしています。