マキノ&オーエスジー 注目のコラボセミナー 裏側に潜入!  

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 近年、急速に広まりをみせたインターネットを活用したオンライン会議やビジネスチャットの活用。企業も従来は対面で開催していたセミナーなどもコロナ禍によりWeb開催に切り替えた。オンラインセミナーのメリットは、地域を問わず参加でき、会場までの移動における時間の制約が少ないうえ、交通費がかからない点だ。チャット機能を利用すればコミュニケーションもとれるため、非常に合理的だといえる。

 こうした背景もあって最近はオンラインセミナーも各社、趣向を凝らしており、よりきめ細やかな技術的話題を提供するようになった。今回、加工業界では名高い工作機械メーカーの牧野フライス製作所(以下マキノ)と切削工具メーカーのオーエスジーが『上手な工具の使い方ドリル編』をテーマにコラボレーションするということを聞きつけ、その裏側を取材した。

成長の木・拡張の木

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中心にあるのが成長の木・拡張の木

 

 マキノのモットーといえば、「クオリティファースト」。同社では工作機械を提供するだけでなく、機械の持つポテンシャルを最大限に引き出すための加工技術を有している。一方のオーエスジーは、あらゆる加工に対応する幅広い切削工具製品のラインナップが魅力であり、総アイテム数は数万点を誇る。

 配信日は2月22日、13時30分~14時30分の1時間。今回、配信の拠点となったのは牧野フライス製作所厚木事業所エクスペリエンスセンタ。すでにマキノもオーエスジーも講演の収録は個社で済ましている。

 本番前のリハーサルが行われる部屋に向かう途中、建物内のスペースデザインに気を取られた筆者。金属で出来たアートが目を惹く。

 (この形状、見たことがあるぞ―――――。)

 と、記憶を呼び覚まそうとしていたところ、マキノのプロモーション課で活躍している石貝マネージャが、「前回のINTERMOLDにて活用したオブジェです。これをリサイクルしてアレンジしたものです。」と教えてくれた。

(思い出した!) 

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「本質を見抜く力は重要」と石貝マネージャ

 この美しい曲線をもつ金属の形状は、超精密金型で有名な日進精機が開発した〝CNCパイプベンダー〟によるものでマキノとのコラボ製作により、前回のINTERMOLDではブースを華やかに演出していたものだ。展示会ブースの装飾を終えると、今度は、自社のオブジェとして社内を彩っているとは! 

 マキノが日頃からうたっている〝人と機械と自然環境が調和〟したイメージを表現した作品を前にして、感覚的な芸術性とともに論理的な無駄のなさを実感する。なお、この木は〝成長の木・拡張の木〟と命名されているとのこと。

 「機械メーカーは左脳を主に使うことが多いのですが、感覚を研ぎ澄ませ、左脳では解決できない本質を見抜く力を養うものになれば、という思いも込められています。」と石貝マネージャ。なるほど! 

 成長の木を後にしてリハーサルと本番が行われる部屋に入ると、すでに数人がパソコンなどIT機器をテキパキと設置していた。

コロナ禍でIT設備を強化していた!

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収録のためのライティング設備もバッチリ! カメラも複数台完備!

 部屋に入って、まず驚いたのは、モニターの大きさと最新の配信設備の数々だった。マキノでは通常、この部屋を使い、セミナーの収録をしているという。オンライン配信では、聴講者の通信設備環境で見え方も変わってくることがある。

 「最新の照明やカメラなどが複数設置されているのは、個々のユーザーに少しでもスムーズな配信を提供するためです。」と話すのはマキノのインサイド営業部ゼネラルマネージャ黒﨑氏(以下黒﨑ゼネラルマネージャ)。

 11時。リハーサルが開始され、TEAMSオンラインで豊川市にあるオーエスジーと繋がった。配信拠点の部屋には今回マキノの講師であるカスタマアプリケーションセンタリーダ笠井氏(以下笠井リーダ)と、オーエスジーの東部エリアリーダーである沖氏の姿があった。

 モニター越しに「こんにちは~よろしくお願いいたします。」とマキノとオーエスジー、それぞれのシステム担当者があいさつをしている。神奈川県と愛知県という距離の長さもモニターを介せば意識することもなく一体化することができるとは、良い時代になったものだ。3年にも及ぶコロナ禍の中で逆風にさらされながらもデジタル化の加速により新しいビジネスのメリットが生み出されたことは、まさに〝災い転じて福となす〟だろう。

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設備の整ったこの部屋でオンラインセミナーの収録が行われ、本番前のチェックも念入りに行う

 違う会社が協力しあうコラボセミナーで少々難しいのは、聴講者の質問にどう応答するかという点である。特に〝金属加工〟は複合的な要素が絡みついて加工全体を含んでいるものだ。工作機械メーカーと工具メーカーそれぞれの観点から、聴講者の質問にスムーズに応えるためにも、双方の意思疎通が円滑にいくかどうかのテストは欠かせない。

 セミナーにはチャット機能がついており、いつでも質問ができるようになっているが、ひとつの質問にモタついているようでは、オンラインセミナーならではので〝質問と答えが見える化〟するメリットに陰りが出てしまう。「質問をしたかったのに出来なかった・・・・。」という聴講者が続出してしまえば評判も下がってしまう可能性があるのだ。

 こうしたなかで、速やかな進行を実行するために重要な役目を担うのがPCを前にして質問を整理していくチャット部隊である――――。マキノのインサイド営業の2名が担当していた。

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