牧野フライス精機「GTJ2023」で来場者を魅了 ~最新技術の要を探る~

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 「歴史的価値のある工作機械〝ロングライフ・ベストセラー〟」にも選ばれた万能工具研削盤「C-40」を作り続けている牧野フライス精機(社長=清水大介氏)。1982年には世界初10軸制御CNC工具研削盤を開発するなど、常に最先端の技術開発に取り組んでおり、その成果の賜を昨年の「JIMTOF2022」に続き、本年3月に開催された「Grinding Technology Japan 2023(以下:GTJ2023)」でも披露し、話題を集めた。

 自動化と効率化の両輪で製造現場に変革をもたらす同社の技術について、清水社長にお話しを伺った。

世界で例がない画像認識技術を用いた自動ホーニング

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工場内で

 ―昨年のJIMTOFは4年ぶりにリアル開催となりました。中国勢が不在にもかかわらず貴社ブースは満員御礼でした。
 清水
 JIMTOF2022では会場全体の来場者数が中国勢の不在により前回よりも少なかったのですが、非常に活況な展示会だったと感じています。弊社は2018年に開催されたときよりも来場者数はほぼ変わらずでした。もし、中国の方が来場していれば来場者数は確実に大きな伸びを示していたと思います。
 ―この時にJIMTOF初出展となった「AGE30FX」に加え、このマシンに搭載した内蔵型マイクロビジョンシステム「monocam2」は大きな注目を浴びました。
 清水
 昨年7月に開催したオンラインセミナーで既に発表したのですが、やはり画面を通して見るのと実際を見学するのは違います。特に画像認識技術を使った自動ホーニングは世界で例がありません。「本当にできるのですか?」と確認されに来られた方が多かった。画像認識で刃の形状を認識するデモを行ったところ、来場者の反応が非常に良く、リアルで確認したいというニーズの高さを実感しました。オンラインだと信憑性に欠ける印象がありますが、実際に見学すると隠しようがないので、信用して頂けるメリットがリアルにはありました。
 ―GTJ2023でじっくり見学しましたが、切削工具の測定項目を増やしました。従来はドリルの正面から捉えたものだけでしたが、側面も見られるようになり、エンドミルのRも見られるようになって非常に便利になりました。
 清水
 特にボールエンドミルやラジアスエンドミルのRを見たいというお客様のご要望が多く、ようやく実現した技術です。

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GTJ2023では多くの来場者が訪れた

 ―工具研削盤の機内測定は、現在、レーザが多いようですが、カメラによる画像認識の優位性について教えてください。
 清水
 レーザは測定可能項目が外径やRなどに限定されてしまいます。一方、カメラによる画像測定では測定範囲が広がります。「monocam2」で測定した数値の信憑性も確かであり、機械専用の測定機で測った数値に誤差はほぼありません。ドリルはバックテーパが付いていますので、そのバックテーパの角度も測定ができます。このように様々な項目を図ることができるので、カメラによる画像認識は今後の主流になると確信しています。
 ―機械の進化に合わせてシステムの技術も進んでいきます。技術の進化は待ったナシです。
 清水
 われわれもこの「monocam2」の開発にかなり年月をかけています。この開発の成功に至るまで、様々な屍を乗り越えて現在に至ります。

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