牧野フライス精機「GTJ2023」で来場者を魅了 ~最新技術の要を探る~

 

GTJ2023で見た自動化技術の数々はコレだ! 

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高機能ロボットローダ「ROBOX」を搭載した「MG30」

 

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好崎さんによる丁寧な説明

 「GTJ2023」では、自動化の新たな提案をしていた牧野フライス精機。「AGE30-FX」に「monocam2」を搭載し、ボールエンドミルの先端のRを投影の画像で撮影して測定するという一連の流れのデモを行った。

 マシンが先端のRを研いだあとに油を止めて砥石を回収。干渉しないよう砥石軸になにも無い状態にして、研削液とスラッジを飛ばすため洗浄装置が動いた。工具を綺麗にして測定開始! 

 営業を担当している好崎さんは、「ボールエンドミルの先端Rの測定はお客様の要望が非常に多く、好評です。」とのこと。

 このほかにも注目したのは、「MG30」に、最大12枚のパレットが搭載できる大ロットの工具研削向けのオプションである高機能ロボットローダ「ROBOX(ロボックス)」を搭載した展示だ。ティーチング工数の大幅な削減を実現するという画期的なものだった。

 この「ROBOX」は「自動ティーチング機能」を実装したもので、従来の煩わしさをぶっ飛ばすほど、非常に効率的で驚いた。好崎さんは、ティーチング作業の現状について、「機械に登録のない新たな穴径のパレットを使用する時に必要な作業となります(基本的には初回のみ)。パレットにはたくさん穴があいていますが、ロボットがこの穴に向かってワークを入れたり、出したりする前に穴の位置をあらかじめコンピュータに指示しておかないと、ワークの出し入れができません。それが最大12枚あると、作業が膨大で、慣れている人でも8時間ほどかかることもあります。」と効率の悪さを話してくれた。

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自動ティーチングを活用すれば1日仕事が約1時間で済む

 慣れている人でもティーチングに1日8時間もかかるとなると、就業規則で定められた始業から終業時刻までがティーチングで占められてしまうではないか! 慣れていない人だったら残業ものである。しかもパレットの穴のサイズが変わると、その都度ティーチングが必要になるというから、現代の働き方改革とは逆行してしまう作業だ。

 「そこで今回、弊社では自動化してしまおうということで、自動ティーチング機能を実装しました。」と好崎さん。

 やり方はとても簡単で、ティーチングの知識も不要というからありがたい。ロボットのローダーのアームに専用のスタイラスを咥えてプログラムを起動するだけである。するとロボットが勝手にスタイラスにてパレットの所定位置にセンシングを始める。所要時間を尋ねると、「自動かつ1時間程度で終わります。」とのこと。「自動ティーチング」を活用すれば、1日仕事が約1時間で済んでしまうというから、稼働率も上がり、経済効果も期待できる。

 製造現場にとって人手不足は深刻な問題だが、こうした問題を解決する一案が、牧野フライス精機に見ることができた。今後も同社の実務的な製造現場の改良に貢献するための技術に目が離せない!

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