不二越 工具はここまで進化した! 「バリレスシリーズ」の実力を探る

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 本年10月に開催された「メカトロテックジャパン(MECT)2024」で、注目の的となった不二越。会期初日に初披露された〝バリの極小化により生産性を飛躍的に向上する〟という画期的な切削工具『バリレスシリーズ』を一目見ようと多くの来場者が訪れていた。同シリーズはドリル、タップ、エンドミルを揃え、2023年12月21日(木)に世界同時発売する。

 今回、ユーザーニーズの期待に応え、大きなインパクトを与えたこの製品にスポットをあて、同社富山事業所にて加工デモ拝見、徹底取材を行った。

始動したバリレス ~バリ極小化への挑戦~

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開発の経緯について話す干場部長

 近年、少子高齢化に伴う労働人口の減少から人手不足が問題視されているが、製造業の人手不足は生産性が下がり利益率の低下を招く要因でもあるため解決が急がれる。

 こうした時流を受け、「切削工具を進化させることで、バリ取り作業の廃止や軽減に貢献できないものか、と3年に及ぶ試行錯誤の結果、バリを減らすのではなく無くしたいと考え〝バリレス〟を追求していきました。」と話すのは、同社工具事業部 技術部に在籍する干場俊洋部長(以下干場部長)。

 干場部長は開発の経緯について、「加工に従事する皆様は、切削加工でバリが出るのは当たり前、バリ除去には費用と工数もかかるのも仕方ないという諦めに似た固定観念があるかと思います。その一方で、切削加工時に発生するバリを抑制したい、加工能率は下げたくないし、工具寿命も長い方がいいというのが本音でしょう。そこで、われわれ工具事業部では、〝バリが出ない工具があったらいいな〟に挑戦したのです。」と話した。

 工具事業部と加工におけるバリとの戦いは今から約3年前に遡る。開発を進める中で、バリ以外の戦いも数多く発生した。切りくずは、細かく分断された切りくずが良い。切りくずが長いと工具やワークに切りくずが巻き付いてワークを傷付け、面品位を落としたり、切りくずが工具に噛みこんだり詰まったりすれば折損の原因にもなる。

 干場部長は開発時を振り返り、「当初は、形状によってドリルの外周側が擦れて余計バリが出たり、穴が拡大してしまったり悩ましい問題が出てきました。加工時のバリを極限に減少させるのと同時に加工能率はそのままに、寿命も満足いく結果を出さなければお客様に使っていただけない。開発中は、バリが小さくなる形状にすると、切りくずが伸びたり、寿命が短くなるなど、一長一短でしたが、バリレスシリーズを世に出すためには課題のひとつひとつをクリアするしかなかった。」と苦労を滲ませた。

 3年に及ぶ試行錯誤の末、満を持して発売されるバリレスシリーズは次のとおり。

(1)    穴加工の出口側でバリを低減する『アクアREVOドリル バリレス』(以下バリレスドリル)
(2)  ネジ加工の内系側でバリを低減する『SGスパイラルタップ バリレス』(以下バリレスタップ)
(3)  側面加工の上面側でバリを低減する『アクアREVOミル バリレス』(以下バリレスミル)

 

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満を持して12月21日に世界同時発売するバリレスシリーズ

 

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