不二越 工具はここまで進化した! 「バリレスシリーズ」の実力を探る
バリレスミルはダブルヘリカル形状で切削バランスを強化!
次に汎用エンドミルと、『バリレスミル』のデモ加工へと向かい、汎用エンドミルに対して、バリレスミルとの比較を実施した。まずは側面加工を行い、上面に出るバリを比較したあと、ワークの厚み3ミリの薄板加工を行った。薄板はどうしてもたわみやすくなりバリも出やすい。側面加工では、上面側にバリが発生しやすく、大きなバリが残ると部品が組み付かなかったり、部品を傷付けてしまうという問題が起こる。
被削材はSUS 304。まずは側面加工から行った。切削方法は側面加工ダウンカット、切削油剤は水溶性。
加工終了後、ワークを触ってみると違いはすぐ分かった。バリレスミルには指に引っかかりがなくツルツルである。ビビリ痕もない。バリレスミルは、左ねじれと右ねじれの入ったエンドミルである。新開発のエンドミル形状は、上面、下面のバリを抑制する〝ダブルヘリカル〟を採用したことによりバリレスを実現していた。
「汎用エンドミルに対し、バリレスミルはバリが圧倒的に少なく、切削長100メートルになっても、汎用エンドミルの0.121ミリに対し、バリはわずか0.014ミリです。ダブルヘリカルの形状を採用しているので、特に薄板だと左ねじれの刃と右ねじれの刃で加工自体に上下の力がかからないので、たわみもびびりも減少できる。」仕組みだという。「特殊なクランプも不要となります。」とのことで、経済効果も高い。バリも出ないし加工面も良いとは!
しかもバリレスミルでは、切りくず堆積の抑制にも一役買っている。同一重量で切りくず堆積量が汎用エンドミルに対し1/5までコンパクト化しているのだ。このお陰で切削工具への噛み込みやワークへの悪さが激減するうえ、切りくず除去作業による機械停止の抑制にもつながり、経済効果が得られるという。
バリをいかに減らすか探求してきた不二越のバリレスシリーズは始動したばかり。今後の拡張性も視野に入れており、ユーザーの期待も大きい。自動化、省人化が求められる世の中において、面倒なバリ取り工程にサヨナラするために立ち上がった開発部隊が約3年をかけて開発した成果が実り、『バリレスシリーズ』がいよいよ市場投入される時が来た!
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