MOLDINO 野洲工場を徹底取材!  ~最新工具で加工デモを拝見~

 

『PRODUCTION50™』+『Hi-Pre²』 ~環境負荷低減とともにトータルコスト削減に寄与~

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製品群

 

 単に工具を提供するだけでなく、顧客の加工に応じた最適な工具の選択、加工能率の向上、省エネなど加工ソリューションの提供を行っているMOLDINO。

 われわれの生活を豊にしてきたモノの数々は、ハイリサイクル化、複雑化、高品質化、精密化によりさらなる進化が求められ、製造現場ではさらなるコストダウン、CO₂排出量削減への要求など、悩ましい問題が山積みとなっている。

 一般的に金型製作の工程では、設計から始まり、CAM→加工→磨き→組み付け→出荷という大きな流れがある。金型として活用されたあとは、メンテナンスや修繕が入る。

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 そこでMOLDINOは考えた。

 「私たちが提供するサービスも切削工具だけではなく、お客様同様に全体の流れを視野に入れて役立つノウハウを提供しなければならない―――」

 こうした考えに基づいて2002年に旗揚げしたのが加工全体の工数改善につながる『PRODUCTION50™』である。〝加工半減〟とも呼ばれるが、最新工具の活用により、製造コストを半減するコンセプトのもと製造工程をトータルに見極め、日本や欧州など国境を越えて様々な加工現場に同社が提案してきたものだ。これにCO₂削減、労働人口の減少などに伴う省力化、自動化などを実現する手段である『Hi-Pre²(ハイプレツー)』(High Precision Pre-finishingの略)を加えれば、最終的に高精度加工を実現するとともにトータルコスト削減に寄与するという考え方である。

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 加工工程を大きく分けると、粗荒→中仕上げ→仕上げ加工の流れとなっているが、この中で最終の仕上げ工程だけを徹底して実行すれば良いということではない。

 「最初の粗荒の段階から仕上げ加工を意識し、条件設定など工程の設計を作ることが重要です。私たちは粗荒加工の段階で精度良く加工し、中仕上げや仕上加工、磨きまでも含めたところの調整時間をぐっと圧縮するためのノウハウを持っています。工具側からの手段である『Hi-Pre²』に基づいてそれぞれの工程、特に後工程である仕上げ加工に繋がるように粗荒加工を最適化することで切削加工工程の全体最適化が図られ、製造費削減の可能性が大きく広がるのです。」と古野開発技術部長。

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荒加工・中仕上げ加工の重要性に着目し、切削加工だけでなく、磨きや調整の工数削減を考慮した加工方法を提案

 

 同社では、近年のトレンドでもある〝カーボンニュートラル〟の取り組みとして、同社では工具側からCO₂排出量の削減に寄与するため、〝直彫り化〟を推進している。放電加工は電気使用量が負担になるので、それを直彫り化に変え、実際の加工時間そのものを削減することができれば、電力の負荷を下げることができる。

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豊富な金型加工用工具のラインナップも強み

 

 後工程の工程削減を考慮した全体最適の加工方法の提案は、まさにMOLDINOの強み。

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感想を述べる中村 神戸国際大学教授

 実はこの日、産業論、中小企業論、地域経済論で活躍している中村智彦神戸国際大学教授も野洲工場を訪問しており、MOLDINO野洲工場の取り組みについて、コメントを頂いたところ、「工場内は人が少なく、相当自動化に努力されていることを感じました。」と感想を述べている。

 今年はJIMTOF開催年だ。MOLDINOの最新工具に目が離せない!


 

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