「有益な価値創造へ」 ~ナガセインテグレックス 長瀬社長に聞く~

 

時代は「超越精密加工へ」

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数々のサンプル展示されている

 現在、SDGsの重要性が問われており、消費者は大量消費をすることが少なくなっているため、市場のニーズが多様化している。顧客のニーズに答えるためには、生産設備も〝本物の価値〟を判断される時代になってきた。既成概念に縛られることを嫌う長瀬社長は「ナガセの常識は業界の非常識。」と笑った。

 「今までは超精密加工というと精度が良くなる、品位が良くなるというイメージでしたが、私たちはもう何十年も前から精度だけではなく、マシンそのものの機能や省人化、無人化、非熟練化、高生産性によって生み出される価値創造について深く追求してきました。今では超精密加工を遙かに超える超越精密加工の時代に突入していると思います。また従来はマシンを扱う技能者により加工の結果が変わることもありましたが、今の時代は労働人口の減少による人手不足から、自動化、省人化、無人化、非熟練化を実現しつつ生産性の向上を考えなくてはなりません。使う方の技能で加工結果が変わってしまうのは単なる道具としての機械であって〝スマートな機械〟ではないのです。お客様には単純な機械特性以上の結果を実現するシステム構築をしたマシンを適切に選定して欲しいと願っています。」(長瀬社長)

 マシンの運動特性を加工結果に転写していただけだった頃(約30年前)の真直度はおよそ500ミリで0.6ミクロンほど。それが現在、機上計測と同期精度を組み合わせて500ミリで0.08ミクロンの真直度を達成しているという。同社のマシンは進化が止まらない。

 1950年に創業している同社だが、長瀬社長は、「1980年代に第2の創業と位置付け、10年もの間、バブルが崩壊するまで開発に注力しました。新しい概念を新しい機械に吹きこんだお陰で、われわれは失われなかった20年を経験したのです。」と振り返る。

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