「有益な価値創造へ」 ~ナガセインテグレックス 長瀬社長に聞く~

 

失われなかった20年でイノベーションを先取り

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超精密加工が示す性質を深く追求し、新たな概念を『IGTARP DESIGNデザイン』に投入

 

240205topm リーマンショックと東日本大震災は日本の製造業に大きな爪痕を残したが、この2つの大きな出来事によって潮目が変わり、長瀬社長は2012年以降を〝第3の創業〟と位置付け、2012年からの10年間を大きな方向転換をした1980年代と同じく開発に注力した。この時、〝超精密加工とは何たるものか〟と考え、〝超精密加工が示す性質〟を深く追求し、新たな概念を『IGTARP DESIGN』や、砥石の表面を見られるようにする『GRIDE EYE』やAI搭載研削盤開発に投入し、現在に至っている。

 1980年代後半は、日本が太陽光パネルを世界に先駆けて実用化技術開発し、1999年には生産量が世界でトップになった(2010年には、中国のメーカーがトップ4を占める)。同様に1980年代後半から1990年代は、日本の先端技術が集積回路の大容量や高速化も実現していることは皆様の記憶にあるだろう。この当時は薄型液晶テレビも日本の独断場だった。今ではガソリン車から電気自動車へと世界の潮流も変わり、リチウムイオン電池のニーズが高まった。長瀬社長は、「この時代にナガセのマシンを導入したお客様は、現在も時代の最先端製品製造のキーとなる企業としてマシンとともに活躍して、ゆるぎない地位を確保しておられること、そして、それらのマシンが現在の様々なイノベーションにも現役で寄与していることを誇らしく思います。」と満足した表情を見せる。

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昨年の「MECT」は大盛況

 「常識は必ずしも真理じゃない。」と話す長瀬社長。「ナガセのマシンは、いつの時代も高い精度とともに加工現場が想像する4倍以上の能率アップを実現してきました。当時は、自信を持ってその話をしてはみたものの、そんなバカなことがあるか、と一蹴されたこともあります。ところが、それもまた4~5年後には技術が進み、常識的な能率になってくるものです。いつの時代も出来ないと言われていることを現実するためには、考え方を変える勇気も必要なのです。設備投資を購入価格の大小で決めてしまっては、大きな禍根を残すと思います。10年、15年と如何に稼ぎ続けるか、如何に新たな価値を創造し続けられる設備かが重要だと思います」と、常に時代を〝待ち伏せ〟して開発をしている。

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