日新ダイヤモンドが55周年! さらなる飛躍を狙う
オーエスジーの連結会社である日新ダイヤモンド(社長=神谷伸顕氏、本社:滋賀県高島市今津町)が去る12月8日、高島市内の今津サンブリッジホテルで全体会議および関係者や社員家族を招待して55周年記念パーティを開き、さらなる飛躍を誓った。同社は昨年10月、ニッチ(Niche)な市場へニッチな商品を標準化した『Nブランド』6種類を市場投入し、大きな注目を集めている。
55周年を迎えた同社を取材するとともに記念パーティの様子をレポートする。
あえてニッチを狙う
従来、特殊仕様として販売されていたダイヤモンド工具の標準化を実現した日新ダイヤモンド。中小企業の同社は今まで100%が受注生産であり、標準品を持つことが難しかったが、3年前に初めてインサートの標準品を出した。これが好評を受け、昨年は6種類を市場投入、今年はさらに2倍の新製品を出す意気込みをみせる。
新しく『Nブランド』を立ち上げた同社だが、このネーミングは日新ダイヤモンドのNとニッチのNを掛け合わせたものだ。神谷社長は、「ダイヤモンド工具が活用されるところはニッチな市場ばかりです。ニッチな市場のニッチな商品というと標準化をしないイメージがありますが、そこをあえて標準化させることで市場の裾野が広がるのではと考えました。これにより、即納体制はもちろん、コストが下がることにより価格を下げることができます。多くのお客様にダイヤモンド工具の長寿命、効率化、高精度を知って頂きたいという思いがあり標準化に踏み切りました。ロットを大きくできますから景気に左右されることなく生産を続けることができるので様々なメリットが生まれます。」と話す。
特殊品のデメリットといえばロットが小さいことだ。たとえ工具1~2本の受注でも作るとなれば段取りも材料もその都度変えなければならない。ロットを大きくすることで段取りをラクにして常に同じ段取りで作れるようにすればコストも納期も品質も一定にできるという。その一方で、標準品を持てばいずれデッドストックも出てくる可能性もある。この件について神谷社長は、「もちろん、売れないものと売れるものが出てくると思いますが、数が出ないものも取りそろえておかなければバリエーションが少なく、お客様にとって魅力がなくなってしまいます。ニッチなダイヤモンド工具を製造している中小企業のわれわれが在庫を抱えることが困難で標準品をつくれないといったイメージから脱却するためにも、今、変わらなければならないのです。日本のダイヤモンド工具が世界に存在感を示すためにも均一な精度を維持しながら製造コストを下げていくことをしなければ国際競争力強化には繋がらない。そのためには商品の標準化が必要でした。」と意気込みを示した。なお、2023年度において同社の売上は過去最高を記録。二期連続の快挙を遂げている。