牧野フライス精機 清水社長に聞く ~工具研削盤に初めて〝極小径〟をつけた『DB1』とは~
2024年03月11日
110本連続加工で示した高い安定性
―110本連続加工では高い安定性が示されました。
清水 シャンクφ4の工具径φ0.1のボールエンドミル110本連続加工をした時のデータですが、非常に良い結果だと思います。テスト加工をした場所はわれわれの工場です。室内温度環境は温度差0.8℃。こういう環境でも結果が出せます。加工面を見てください。これも非常に良い結果を示しています。つなぎ目もない、シームレスにいっています。
―細い径でもきちんとした形状が出せています。近年は、極小径工具の需要が高まっていますので、非常にタイムリーなマシンだと思います。
清水 半導体産業や医療産業など、どんどん小型化が進むうえ、高精度化しています。最近は良い微細加工機も出現していることから、常に切削工具と機械はお互いに切磋琢磨しながら競争をしてきました。今後も小径工具の需要増が増え、マーケットが広がっていくと予想しています。
―極小径工具研削盤を生産している企業は世界的にみても数は少ないと思います。
清水 工具メーカーの生産ラインに載せられるような極小径工具向けの研削盤をつくっているのは、弊社を含めて2社くらいでしょう。これは断言できます。
―生産する工具にバラツキがあったら大変ですから、高い品質のものを安定的に生産するのは非常に難しいと思います。
清水 リピータビリティーを上げていくのは大変です。弊社は『CNS1』から長い歴史の中で培ってきた強固なノウハウがあるのでこれが強みです。