牧野フライス精機 清水社長に聞く ~工具研削盤に初めて〝極小径〟をつけた『DB1』とは~

 

砥粒加工学会会長としても活躍

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 ―ところで清水社長は昨年、砥粒加工学会会長に就任されご活躍されています。学会の活性化を推進しておりますが、抱負をお聞かせください。
 清水
 学会は研究者の研究成果の発表や意見交換の場です。ディスカッションを通して研究を深め合い、発展させるよう取り組んでいきたい。近年、労働人口の減少から会員数も減少傾向にあることが悩ましいのですが、超精密加工を可能にする砥粒加工技術は必要不可欠であり、この重要性を広く認識していただくために認知度向上を目指しています。
 ―近年は加工の高度化も進んでいますから研究開発はますます重要になると思います。
 清水
 わたしは砥粒加工について〝いにしえからの最先端技術〟と呼んでいます。砥粒加工はフィニッシュで使われることが多く、この工程がモノの精度を決めるといっても過言ではありません。この重要な分野で活躍する研究者を増やすとともに、ものをつくるには総合力が必要ですから、企業の皆様にも参加していただき、業界の活性化に繋げていきたい。日本のものづくりは大量生産の時代はすでに終わりを迎えました。日本が国際競争力を高め、生き残っていくためには、最先端加工技術を追いかけていくことに尽きます。そして、技術の発展を目的に最先端を追いかけるのはアカデミアの方たちであり、利益を目的に研究を行うのは企業です。この双方がジョイントをして現在、加工現場でなにが起きているのか情報を交換し、最先端の研究成果を社内でフィードバックしていただくことが未来のものづくりに貢献することにつながると感じています。
 ―ありがとうございました。                                                                                                                                                                        
 

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