オーエスジー 渾身の新製品『GREEN TAP』のここが凄い! ~穴開け開発チーム 溝口さんに聞く~

 

これがGREEN TAPの特長だ!

240329工具画像

 ―GREEN TAPは従来のタップより大きく形状が変わっています。刃の山頂R形状が特長的です。
 溝口
 タップにねじれが加わった時に応力が集中する部分が亀裂の起点になりタップは折損してしまいます。その応力が集中しやすい部分を極力なくすために円錐形状にしました。油溝がないのはそのためです。油溝をなくしてしまうと、冷却性能、クーラントを刃先まで導く機能が損なわれてしまうというデメリットがありますが、それを払拭するため、このような形状をつくり、摩耗の抑制や冷却効果の向上、ねじれ強度の向上を実現し、工具の長寿命化を図りました。この考え方は、従来の紙ベースの設計だと困難だったと思います。新しい設計手法や製造方法を取り入れていく過程で見えてきた盛上げタップの理想的な形状を追究しました。

240329加工穴
加工穴数

 ―油溝がなくてもクーラントの入るスペースが広く確保されている設計なのですね。
 溝口
 この設計で加工温度を下げることが可能になりました。盛上げタップで加工すると、クーラントに界面活性剤が入っているのでそれが蒸発して酸化したものが刃先前方に焦げのように付着しますが、酸化物の広がる範囲がGREEN TAPは従来品より少ないことを確認しております。その理由は加工点の温度を低く抑えている仕様を開発し採用しました。実際にS45Cを5,000穴も加工してもGREEN TAPは継続可能です。工具の面粗さに加え、クーラントが入りやすいということはその分潤滑性能に優れるので、潤滑ができることによる摩擦力の低下によってトルクが下がるのです。特殊な切れ刃形状の設計によって素材の変形を制御することで、スラスト抵抗も低減させています。

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