大昭和精機 淡路第 9 工場が稼働! ~自動化と省人化で高効率を実現~

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BIG DAISHOWA Japan 西野社長

  BIG ブランドでお馴染みの大昭和精機(社長=仲谷穣治氏 本社:大阪府東大阪市西石切町)は、自然と環境に恵まれた淡路島で 9 つの工場と物流センターを有している。そのうちのひとつである「淡路第 9 工場」(兵庫県洲本市五色町)が本年 1 月に竣工した。この新工場は最新鋭の生産設備により、自動化と省人化で高品位な生産を追求している。 
 
 国内において BIG 製品の拡販を担う BIG DAISHOWA Japan の西野秀哉社長は、「メーカーである以上、供給は一番大切なことであり充実させることが目的。」と話す。新工場棟である「第 9 工場」とともにメガテクニカルセンターを有する「第 2 工場」、「物流センター」を取材した。
 
  

 大昭和精機は 1967 年の創業以来、本社のある東大阪市で生産を続けているが、次世代を見据えて淡路島に 1982 年、第 1 工場を竣工している。それ以降、時代のニーズとともに順調に拡大をし続け、現在は第 1~第 9 工場までを有する同社の主力生産工場となっている。なお、熱処理前の加工工程を担う第 2 工場は〝メガテクニカルセンター〟を含んでおり、デモ加工やユーザーの希望に沿った製品を紹介している。 
 

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ユーザーの希望に合致した製品を紹介

 BIG DAISHOWA Japan の西野秀哉社長は、新工場棟建設の狙いを「メーカーである以上、供給は一番大切なことであり充実させることが目的。」と話す。現在、同社の販売比率は国内約 65~70%、海外約 30~35%。今後の営業展開については「海外の販売比率を上げるため、拡販においては特にヨーロッパとアメリカに注力しつつ、生産はメイド・イン・ジャパンにこだわり主力の淡路島工場で生産していく方針です。」と意気込みを示した。

 

 

メガテクニカルセンターを有する淡路第 2 工場 

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 雄大な自然のもとにある淡路工場だが、まずはテクニカルセンターを含む第 2 工場へ。ここでは熱処理前の加工工程が行われる。主流となる BBT、BIG CAPTO、HSK 等、テーパシャンクの切削加工ラインで、旋削加工→旋削+ミーリング加工(複合加工)→ミーリング加工が行われている。加工精度を維持するため、工程が終わるごとに洗浄、エアブローを実施する。加工に重要な役割を果たす切削液は、自動供給装置を通じて各マシンに定期的かつ適量が供給されている。人は少なく、工作機械と産業ロボットが動いていた。それぞれの各マシンから排出された切りくずは、床下を通じて一箇所に集積され回収される切りくず処理ストックへ流れていく。 
 

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森本副本部長

 工場を案内してくれた生産本部の森本敦男副本部長(取締役執行役員)は、「夜間は無人で稼働しています。この業界は景気の波が激しいこともあり、41 年前に淡路工場が建てられた時から工場が多忙であろうがなかろうが効率的に生産できるよう設備環境を整え、早くからロボットを活用していました。」と話す。同社はすでに 41 年前から景気の波に左右されぬよう、次世代を見据えて生産ラインを構築していたのだ。 
 
 同社の内製化率だが、切削は 85%~90%、研磨に至っては 100%である。多種多様のテーパサイズ、長さのバリエーションに対応しているので、全く違うサイズのモノが流れてくるのだが、これらを計画的に 33 名が対応し、機械を動かしている。長時間の無人運転を取り入れ、安定した量産を可能にする鍵は、クーラント液管理や切りくず自動排出などの補助周辺設備の自動化にあった。 
 
 「われわれが差別化を図る手段といえば、製品グレードや精度を上げて、活用したお客様がまたリピートしてくれる製品を作るかしかありません。使えば良さを分かってくれる。そうするとまた買って頂ける。当然在庫もしているので即納できる体制を整えておくことが重要なことだと思っています。」(森本副本部長) 

 

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