「使う身になって造れ」 サイトウ製作所が創立90周年を迎える
和やかな90周年記念祝賀会
国際色豊かな祝賀会であいさつに立った齋藤社長は、齋藤之宏専務の英語通訳を交えて日頃のお礼を述べた。この中で齋藤社長は、「弊社は、創業以来つくるものがその都度変わってきたが、その根底には創業時からの〝使う身になって造れ〟の精神があった。これまでに創業の精神を基に〝面倒を価値に変えるモノづくり〟というコンセプトを実践し、7000アイテムを超える製品を様々な産業、世界25国以上に供給するまでに至った。私は様々な国で様々な産業で活躍される方と顔の見えるお付き合いをしてきた。また、工具業界においては、たとえ競合であっても良いライバル、良い友人となった。とても感謝している。」と話し、「今日、お集まりいただいた方の中には2世代、3世代にわたるお付き合いをしている方々もいる。」と感謝の意を表した。
坂本 健 板橋区長があいさつをした。この中で坂本板橋区長は、「サイトウ製作所と板橋区は90年にわたり、区政または区の産業振興や波展に3代にわたりご支援をいただき、トップブランドとしてこれまでも人材の育成や地域の絆づくりといった点にも大変な注力をしていただいた。齋藤会長は、平成22年に区政功労者を受賞され、令和2年旭日単光章の受賞を叙勲された。2009年に社長に就任された齋藤社長は、ひとり一人の声に応えるモノづくりに徹することが企業価値、ブランドだと考え、そのニーズが海外にあることも見極めながら、現在のグローバルマーケットに舵を切られ、卓越した経営手腕を発揮し、より自発的に考える力が求められる環境の創出、進化し続ける企業づくりを進めている。サイトウ製作所が編み出す技術と製品は、自動車や航空機、コンピューター、スマートフォン、医療機器、そんな日本の主要産業の精密分野に生かされ、海外からも高い評価を博している。日本国内のみならず、アジア地域、北アメリカ、ユーロ圏など世界でも高い評価を得て、製品の販路拡大につながっている。今後とも板橋区を代表する企業として、国内産業の振興、発展に向けましてより一層のお力添えをたまわりますよう、板橋区民を代表してお願い申し上げたい。」と声援を送った。
続いて黑須 貫 角田市町が、「サイトウ製作所は、昭和53年に本市に角田工場を開設された。以来、45年以上の長きにわたり、本市および近隣自治体の雇用の創出、ならびに経済の発展に多大なるご貢献をいただいた。角田市の魅力である田園風景の中に、目を惹く近代的な建物があり、その建物こそがサイトウ製作所の角田工場であり、災害発生時に地域の方々が避難できるフロアも設けていただいている。角田工場においては、開設以来、髪の毛に穴を開けることができるという極細ドリルを製造され、その高い技術力と品質を強みであり、工場の増設や研究開発棟の新設など、着実に事業規模を拡大されておられる。これもひとえに齋藤社長はじめ、従業員の皆さまのご努力のたまものであり、本市における事業を発展されていることを大変喜ばしく思う。サイトウ製作所の製品は、あらゆる分野のものづくりにおける精密加工に使用されているだけではなく、海外からの引き合いも大変多いと伺っている。まさにメード・イン・ジャパン、そしてメード・イン・角田として、角田の地で生み出された製品が世界のものづくりを支えているということを誇らしく思っている。」と喜びを滲ませた。
締めのあいさつに齋藤綾子副社長がお礼の言葉を述べた。記念品として配られた江戸切子について、「江戸切子は江戸時代から現在に至るまで、素材の研究、研磨技術など、急速に、かつ高度な成長を遂げてきた。こうした歴史背景と技術が日本の伝統工芸品として認められ、現在、約100名の職人さんたちによって受け継がれている。江戸切子の文様には、それぞれに意味がある。魔よけ、子どもの成長、子孫繁栄、円満など。私たちが引かれた文様は七宝でした。同じ円の同じ大きさの絵を4分の1ずつ重ねてつないでいくことで、円満、調和、ご縁を表している。皆さまとのご縁への感謝の気持ちと90年間という歴史を、この文様でデジタル数字のように表している。同じ東京の地で、周りの幸せを願いながら高い技術の伝承を続けてきた江戸切子のように、私たちも周囲との調和を大切に、さらなる技術発展のため、想像力を駆使して精進していく。」としめくくった。