アマダプレスシステム プレス周辺装置製造拠点の伊勢原鈴川事業所を拡大 ~生産能力70%増~
アマダプレスシステム(社長=堀江喜美雄氏 本社:神奈川県伊勢原市)が、伊勢原鈴川事業所(神奈川県伊勢原市鈴川)を増改築し、6月より本稼働を開始した。
プレス周辺装置の製造拠点である伊勢原鈴川事業所は、プレスマシン用の大型コイルフィーダラインおよびロボットラインを主に製造しており、これまで自動車業界を中心に多くの自動化商品を市場に供給してきた。昨今の労働人口減少、働き方改革を背景にプレス加工におけるさらなる自動化、省力化のニーズに応えるべく、大掛かりな増改築工事と生産能力強化を進め、これに伴い、6月18日に竣工式を行ったあと、19日~20日の2日間は顧客や協力会社関係者を招いて竣工披露式を行った。この様子と新工場のレポートを掲載する。
ものづくり改革に着手
伊勢原鈴川事業所の敷地面積は12,550平方メートルで、主にコイル材供給装置とプレス間搬送ロボットを製造するS1工場(3,768平方メートル)と、大型・特殊コイル供給装置を製造するS2工場(2,135平方メートル)を有している。今回、S2工場を778平方メートル増築、各工場に分散していた工程の集約と機械加工の外注化を進めたことにより、従来比70%増の4,862平方メートルの組立エリア面積を確保した。さらに生産管理システムの機能強化、モジュール生産方式の拡大、物流改革など、モノづくり体制の改革を進めた。これにより、組立リードタイムを従来比40%短縮、プレス周辺装置生産能力はこれまでの約1.7倍となった。また、S2工場には容量90kWの太陽光パネルを設置した。年間96MWh(既存電力使用量の41.6%)を発電することによって、CO2排出量を年間37t削減し、環境に配慮した工場運営を開始した。
あいさつに立った堀江社長は、日頃の感謝の意を表したあと、「2018年10月にオリイメックがアマダグループの子会社となりプレス事業の拡大を狙い、生産能力の拡大を図るべく、ものづくりの改革を進めるために改修工事を行った。また、コロナ禍の最中である2020年にわたしも社長に就任した。コロナ禍で営業活動ができない期間に鈴鹿事業所に務める全員と面談を行ったが、それぞれの考え方があるのだな、と感じると共に従業員のモチベーションアップを考えた。その結果、工場の増改築をすることが社員のモチベーションアップの一助になるとともに事業の拡大に繋がると考え、この増改築を計画・立案し、本日を迎えることができた。」と述べたあと、「従業員にはこの日を迎えるために精一杯努力をしてもらった。わたしもこの日を迎えることができて嬉しい。」と喜びを滲ませた。
また、「新工場では、従来内作で行っていた機械加工を協力会社の協力のもと、レイアウトの大幅な変更に加え、ものづくりの改革などを行い、70%の組立エリアの拡大を実行した。従来は受注生産を行っていたが、モジュール生産方式を取り入れ、計画生産に取り組んだ。」と説明した。
続けてアマダグループについて触れ、「昨年の4月にアマダは磯部会長、山梨社長の体制となり、中期3カ年計画を発表した。2025年度には売上4,000億円の達成と切断と溶接を中心としたレーザー事業の拡大を掲げてスタートした。」と話した。また、「2023年度の3月期はお陰様で4,035億円となり、4,000億円を超えることができた。」と述べた。