「諦めずに削り抜く覚悟」松本興産×「スモールツールを拡充」三菱マテリアルがコラボレーション!

 
2社の打ち合わせ風景

 どんな不可能なことも諦めず削り抜く覚悟がある――――――という意気込みのもと顧客から厚い信頼を得ている松本興産(社長=松本直樹氏 本社:埼玉県秩父郡小鹿野町)。その根底にあるのは、「削りで人を幸せにする」という思いだ。同社の製品は、CNC旋盤でひとつずつ丁寧に加工していることが特徴で、低価格、短納期で高精度部品を提供している。

 昨年秋に同社と三菱マテリアル 加工事業カンパニーがコラボレーションをした。必要な工具を『DIAEDGE』で全て揃え、直径約3cmの小さな〝打ち出の小槌〟を製作して注目を浴びたが、今回は肉球スタンプを製作! 両社が精密機械加工を通じて訴求したのは加工技術だった――――。

「始まりは業界を盛り上げたい」の気持ちから 

〝削り〟への思いを語る松本興産 製造部 森沢部長

 

松本興産が加工した「打ち出の小槌」は三菱マテリアル 加工事業カンパニーのの販促グッズとして大活躍した

 昨年秋、三菱マテリアル 加工事業カンパニーでは販促グッズのひとつに金属でできた小さな〝打ち出の小槌〟を展示会場で配っていた。これは、松本興産が加工したものだ。作成した小槌のこだわりは、ツールパスを意識し、エンドミルで加工したワークがどういう見え方をするのかという点だった。

 松本興産 製造部の森沢部長は、打ち出の小槌の加工を振り返り「ツールパスがキレイに均等に入っているというこだわりもあるし、普通に加工していると立体感がない。陰影を出すためには彫り込むことが必要で、三菱マテリアルの0.3φのエンドミルで彫り込みをしたが、さすが良い工具なので難なく彫り込みができた。」と振り返り、絶賛している。

 技術の壁を越えることで実現した製品は、商品となり、その先にいる人に届けられる――――。

 技術の壁を越えるために〝諦めずに削り抜く覚悟〟をもって日々、仕事に打ち込んでいる力強さを持つ松本興産。同社の製品は、 CNC旋盤で一つ一つ加工していることも特長で、企画開発から量産までを一つのチームで丁寧にサポートすることにより、低価格、納期短縮での高精度部品の提供を実現している。

 国内ではリスク分散を考慮し、BCP(Business Continuity Planningの略:災害時などの緊急事態における事業継続計画)に対応した2つの工場を運営。24時間連続稼働できる生産システムを構築し、様々な状況でも安定供給できる体制を整えている。さらにミクロン単位の超精密加工に対応した恒温工場も備えており、脱脂洗浄においても、有機溶剤を使用せず、環境に優しい洗浄設備を導入しているSDGsに配慮した工場だ。また、人為的なミスをなくすための工夫もデジタルで対応している。製造で寸法調整した製品を品質保証の部署でも確認する仕組みをアプリでつくっているところも特長的だ。

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