MOLDINO 「新商品で切り拓く、ギガキャストと燃料電池の革新ソリューション」

MOLDINO(社長=金子善昭氏、本社=東京都墨田区)が2月17日、同社成田工場ソリューションセンターで「新商品で切り拓く、ギガキャストと燃料電池の革新ソリューション」をコンセプトに2025年新商品記者発表会を開いた。
同社が新商品について記者発表会を開くのは今回が初。現在、製造現場のトレンドでもあるギガキャストと燃料電池をメインに具体的な工具の使用方法や提案内容について加工実演を交えて詳しく説明をした。「重要顧客である金型産業において生産効率の改善の一助になれば幸い。」と金子社長はあいさつのなかで思いを述べている。
顧客のニーズを社内に速やかにフィードバック

金子社長は、あいさつのなかで、「今後は部品点数の削減を測るため金型の大型化や加工方法の変化も求められる。金型性能向上のため、加工の難易度も増すうえ、製造工程そのものも難加工に伴って複雑化すると予測する。また、高精度微細化もさらに進んでいくだろう。私どもの新商品はこれらのニーズに対応できる商品であろうと考えている。他社が好まない分野で、当社の技術が生かせる分野に積極的に関わっていきたい。」と意気込みを示した。
同社では、長年培ってきた技術と経験を基に、加工費半減を実現する「PRODUCTION50」の加工提案を実施しているが、金子社長は、ユーザーのさまざまな加工の課題解決に貢献していくための営業活動についても触れ、「今年はデジタルマーケティングを強化しながらお客様との接点を増やし、地方開催の展示会にも積極的に出展を計画していきたい。」と述べた。
より踏み込んだ加工技術の提案を行うべく、顧客の現場に同社の技術担当者を派遣させ、現場で得られる最新の顧客のニーズ等を社内に速やかにフィードバックすることで顧客のニーズに沿った新製品の開発に繋げる取り組みを強化する方針だ。
「自動車業界は100年に1度の大変革!」カーボンニュートラルと安全性が基軸

現在、自動車産業は100年に1度の大変革時代に突入しているが、この自動車業界を支える主力となるのが金型産業だ。「自動車の変化」をテーマに営業本部ソリューション営業部の寺井副部長(以下寺井副部長)が説明をした。
「電動化、EV化、自動運転、コネクティング、シェアリング、自動車産業は100年に1度の大変革の時代に突入している。自動車の変化はカーボンニュートラルと安全性を基軸に向かって多くの部品が変化し、例えば軽量化や剛性が求められるボディーやシャシーといった部品は、部品点数を減らして生産性を大幅に向上する取り組みが進んでいる。」と話したあと、「金型の大きさは100トン越えの大きなものなる。その一方で大型化が進むと必ず軽量化のニーズが出てくるので、補強リブは増加する。」との予測を示した。
リブが深い金型の形を予想し、寺井副部長は、「これらの変化によって加工する範囲が広くなる。広い範囲をより早く、長寿命で削ることが求められる。深く削るためには工具の突き出しを長くしなければならない。すでにダイカストでも始まっているが金型の性能を向上するために高機能材が使われ材料も進化ししている。切削工具からみると、とても削りにくい材質を、より深く早く削らなければならない。」と現在、金型加工におけるニーズを述べた。
深いリブを加工するにあたり、放電加工が用いられるが、同社によると、「放電が深くなると放電面があまり美しくないので磨かなければならず手間がかかる。なので、直接リブを加工することが求められる。われわれは、ダイカストの大型化に向け、荒加工から仕上げ加工まで、リブの直彫り加工をトータルで提案できる工具を開発した。」と自信を見せた。