アマダスクール「第37回優秀板金製品技能フェア」受賞作品を選出 表彰式を開く ~厚生労働大臣賞はMMR技研、経済産業大臣賞は田名部製作所が受賞~

 

 

 アマダスクール(理事長=福井幸弘氏)が3月8日に、「第37回優秀板金製品技能フェア」において優秀作品を選出し、厚生労働大臣賞にMMR技研、経済産業大臣賞は田名部製作所が受賞した。選考は日本塑性加工学会会員、シートメタル工業会役員や各審査委員のほか、アマダの優秀板金製品技能フェア会場見学者とオンラインによる投票で行われ、応募総数263点の中から技能賞以上の優秀作品69点が選出された。表彰式はアマダホール(神奈川県伊勢原市)で開かれた。

あいさつをする福井理事長

 表彰式であいさつに立った福井理事長は、「今回の作品は昨年より少し減ったが、263作品、海外から約19カ国、108作品とグローバルに広がりを続けている。皆様も作品を見ていただき、作品が語る、その言葉を聞き取っていただければと思う。わが国は少子高齢化や労働人口が減っているが、生産をする、加工をする設備は高機能であり、自動化が進み、AIといった新しいツールを使って進化をし続けるものだ。加工技術・技能、特に高い技能については後継者の育成の観点から、このフェアを活用していただき、板金加工のエキスパートを目指す若い方々の一つの目標となり、また励みとなり、加工技術の技能向上に役に立てればと考えている。」と述べた。

厚生労働省 安達参事官

 続いて、厚生労働省人材開発統括付能力評価担当参事官室の安達佳弘参事官が、「国内、また世界を見渡しても非常に多くの課題が山積している。この課題の一つ一つを乗り越えるために何が必要かと言われれば優れた技術、またそれをうまく活用する優れた技能が大切だ。霞が関が一体となって、これらの振興に取り組んでいきたい。また、技能者離れなどが言われているが、この社会、経済を支えて発展させるには技能者の存在は欠かせない。ここを盛り上げていこうという厚生労働省の思いもあり、技能者を育てる、数を増やすためには、まず技能に関する関心を高め、この板金フェアのような形で切磋琢磨をし、評価する仕組を広げていくということが極めて重要だと思っている。」との思いを述べた。

経済産業省 星野 素形材産業室長

 経済産業省製造産業局素形材産業室の星野昌志室長があいさつをした。この中で星野室長は、「高度な技術、新鮮なアイデアを作品に取り入れられるに当たり、試行錯誤される場面も多かったのではないか。皆さまの社内の仕事や勉学と並行した作品づくりに対するご努力が大きくこれが実を結んだものと考えている。受賞者の皆さまは、ものづくりの宝。今回のご経験を糧に、皆さまの技能がさらなる高みへとつながることを強く願っている。今、世界は大きな転換点を迎えており、地政学的なリスク、デジタル化の加速、エネルギー、環境問題など、さまざまな環境変化が生じている。経済産業省は、さまざまな施策に取り組んでいるが、その一つに省力化投資の後押しがある。昨年、汎用製品、オーダーメード型の設備の導入など、多様なニーズに応えるような補助金の制度を創設した。人手不足に悩む中小企業の皆さまから幅広く活用できる支援を政府として実施していきたい。また、人材育成への取り組みでは、大学、高専、高校、さまざまな教育機関と、素形材産業における人材育成ネットワークの設立等の検討など、イノベーション創出の担い手となる人材育成に向けた取り組みを進めていく。」と意気込みを示した。

 審査経過報告を、優秀板金製品技能フェア運営委員会の割沢伸一委員長が行い、表彰式が行われた。場所を移してAGIC イノベーションスクエアにて交流会が開かれた。
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